言葉喫茶【Only Once】

旅の途中で休憩中。

道の途中

2020-07-29 22:32:20 | 言葉





今はまだ道の途中

この道の終わりが訪れる時を
知る者はいない
わたしには見えない
わからない

始まりと終わりは
一対の螺旋
この世に生まれ落ち
いつかは大地に還ることも
一対の螺旋

断つことのできないこの道を歩く 歩く 歩く

花が咲いて枯れること
コップが割れること
お湯が冷めること
朝が夜になること
夜が朝になること
春が夏に
夏が秋に
秋が冬に
冬が春になること

それがいつになるのか
一秒後なのか
一分先か
一時間
一日
一ヶ月
一年
どれほど先のことかなんて
誰も知らない
目には見えない
わからない

だって今はまだ道の途中

わたしはそれだけを知っている
この目に見えていて
唯一わかることだ

終わりよりも 今をゆく









2020-07-29 11:16:07 | 言葉





ぼんやり

ふうわり

している


現実とはこんなにも
ふわつく場所であっただろうか

わたしの足もとから伸びた根を
どこかに置いてきてしまった
かもしれない


沈んでいるのか

浮かんでいるのか

それとも流されているのか


わからぬまま
今日という時の流れの中
現実の中に
わたしは生きている


ゆわゆわ

ふにゃふにゃ

どこか曖昧に

けれども 確かに

生きている







(受けとめるには、時薬が必要だ。人一人分の大きな穴は、埋めようがないし、無理に乗り越えようとも思わない。離れてしまったからだとこころと時の流れ、現実とを、これから時間をかけて、つなぎとめてゆかねばならない。受け取ったバトンを、この胸に。)