どこにでもある、ありふれた一日。途切れる事のないニュース。流
れおちてゆく時の砂。日々は緩やかに穏やかに。輪をなぞるように
今を生きる、今を歩く、朝を昼を夜を越える。
トーストを焼き
コーヒーをいれ
トマトを切って
テレビを消した
音の無い朝のBGMは
網戸から流れ込む自然の音
予定の無い今日という休日
何も無い朝を過ごした
コーヒーをいれて
ゆっくり飲み干して
葉擦れる音に耳を澄ませる
車が道行く音を聴く
風の現在地を窓際から目で追った
その他 何かをしようとは思わずに
流れおちる時の中に
腰かけるわたしは気ままな猫のようだ
朝と昼を
縫い合わせたのは誰だろう
いつ朝が終わって
いつから昼になったのか
わからないほど
丁寧に編まれた時の継ぎ目
終わりも始まりも
わからないままコーヒーを飲んだ
些末事 いいえ
大きな問題かもしれないが
今日は休日だから
朝も昼も
いつもとは違うスピード
かも
しれないし
しれ
ないし―
めざめて 暗転――…
夜
夜です
昼に聴いた
サティのせい
もしくは夏のせい
いえいえこれは
休日だから などと
居眠りをした事に
辿々しい言い訳を積み重ねる
部屋の中は
いつの間にか時の砂だらけ
一日は時に加速するよね
いつ そうなるのかなんて
わからない
わからないから
楽しいね
人には調節ができない、そして予測もつかない緩急。掴みどころの
ないもの。それが休日の砂の流れ。緩やかに、穏やかに。ところに
よっては足早な、休日という日の過ごし方。使い古された言葉で以
て、今日という日を素描し、生きる。時の砂を鳴らし歩き続けて。