八障連ブログ

八障連(八王子障害者団体連絡協議会)運営委員会より、情報提供を行っています。(「八障連について」カテゴリーを参照)

八障連通信296号をアップします。

2015年02月17日 | 八障連通信
八障連通信296号をアップします。


八障連通信296号のPDF版はこちらから



これより、八障連通信296号の本文です。

【事務局通信 Vol.16 『八王子市政100周年記念事業について』】
皆さんは八王子市政100周年という話をご存知ですか? 多摩地区の4町村が合併して八王子市が出来て、平成29年度で100年になることから、その記念事業の準備を進めるために、市では実行委員会を作るということで、八障連にも声が掛かりました。しかし、八王子市には大きなお祝い事ですし、関係ないとは言わないまでも、市の機関ではない八障連が関わる意義がどこにあるのか、計りかねているのが現状です。先日の運営委員会でも議論をし、取り敢えず杉浦事務局長が確認も兼ねて参加することになりました。10年ほど前から市の市民参画の名目でいろいろな委員会に呼ばれるようになりました。ただ、中には自分たちにどう関係するのかと、首を傾げるケースも出て来ています。今後、状況を見ながら関わり方を検討していく予定です。状況によっては皆さんにも何かお願いすることも考えられますので、先ずはご報告までと致します。(文責/多田)


【地域で暮らすための勉強会(~精神科病棟転換型居住系施設を考える東京集会~)に参加して】
1月29日、八王子のいちょうホールにて、「精神科病棟転換型居住系施設を考える東京集会」と題して、「地域で暮らすための勉強会」が開催されました。平日であるにもかかわらず、当事者の方々を含め、240名を超える方々が参加されました。日本の精神病院は、諸外国に比べて圧倒的な病床数(33万床)であり、そのなかでも特に八王子や青梅は世界一精神科病床が多い地域であること、また精神科入院の4割強が強制入院であり、年間2万人の死亡退院があること。精神保健医療福祉財政においても、精神医療福祉の財政枠は1兆9,300億円であるが、そのうちの1兆8,800億円が精神科医療に分配され、うち1兆4,000億円が入院医療に注がれていること。こうした現状を追認していく流れの上に、厚生労働省は、「サプライヤー(精神病院側)に偏った検討委員会」の議論で「病棟転換型居住施設」の推進へ進もうとしていることが「はらからの会」の井澤 雄一氏、杏林大学教授の長谷川 利夫氏の基調報告で指摘されました。その他、「NPOコラールたいとう」につどう当事者の方たちの貴重な体験報告やご家族の方、また八王子からは「マインド八王子」の山本さんから、さらに長年精神保健医療業務について研究活動を行っている飯田さんからも貴重なご意見を聞くことができました。ひとりでも多くの方々に日本の精神科医療がはらむ問題点をすこしでも知っていただくとともに、「病棟転換型居住系施設」の流れにストップをかけていく必要性を改めて考えさせられた勉強会でした。(文責/山田)


【今後のスケジュール】
八障連・福祉フォーラム2015 (仮)「宅老所を通して、障害福祉のこれからを考える」
映画「ただいま、それぞれの居場所から」上映と伊藤英樹さんの講演
(伊藤さんは、千葉県木更津市で「井戸端げんき」という宅老所をはじめた方です)
◆日時 2015年3月14日(土)午後13時30分~ ◆会場 八王子労政会館 2階ホール

ボウリング大会
2月14日 13時30分~ 高尾スターレーン
例会(隔月企画) 55の会
2月19日(木)18時~20時 クリエイト第2学習室
にんじんの家公開講座
2月21日(土)10時~12時 館市民集会場2F
八障連運営委員会
3月5日(木)18時~20時 クリエイト
八障連主催 福祉フォーラム
3月14日(土)13時30分~16時 労政会館



【第2回<高齢化を迎えた今>学習会】
グループホームは、障害の重い人たちの地域生活の場となりうるのか?
「グループホームの現状と課題 そして、その可能性を考える」
― またまた70名を越える参加があり、立ち見の方もありました ―

11月の第1回めでは、知的当事者の方の地域生活について、グループホーム、福祉ホーム、ルームシェア、一人暮らしといったさまざまな形があるということを学びました。そして、第2回は、知的の方の地域生活の切り札(?)として現在急増しているグループホームをテーマにおこないました。
第1部では、八王子市障害者地域自立支援協議会の地域移行・継続支援部会が2013年におこなったグループホーム実態調査について、実際に調査をおこなった皆さんに報告していただき、現状と課題を整理していただきました。
第2部では、重い障害の人たちの暮らしの場となりうるのか、その可能性について考えるため、実際に重度重複障害の方が暮らす「むぎむぎハウス」、医療的ケアのある人が暮らす「きりん館」、行動障害のある方が暮らす「桜草元八王子寮」のそれぞれ若いスタッフ(桜草は、株式会社で若い社長さんでした)の皆さんに、現状をご報告いただきました。
第1部では、小規模ゆえの家庭的な良さがある一方で、1人職場であることの不安、人手不足、離職率の高さ、職員育成の困難さが語られ、ハード面だけでなくソフト面での支援がもっと必要であることがわかりました。
第2部では、それぞれのグループホームの様子を細かく報告していただきましたが、時間が短かったのとこちらの準備不足で口頭だけでの発表でしたので、少々わかりにくかったかもしれません。それでも、桜草の若き社長さんの率直な発言は、賛否両論ありながらも、新しい風を感じさせてくれました。
最後に、お忙しい中発表者をお引き受けいただきました6名の方に、この場をお借りして改めてお礼申し上げます。

<当日のアンケートから>  33通を回収(回収率:約5割)
●設問1の何で知ったかは、八障連通信、チラシ、事業所職員の紹介が多く、八障連通信の存在意義があらためて確認されるとともに、ショッパーが3名と会員外の方の参加に効果があったようです。
●設問2の属性は、事業所関係者が7割、家族が3割でした(重複回答もあり)。
●設問3の満足度では、満足、とても満足が4分の3を占め、不満足、とても不満足はありませんでした。
●設問4の今日の学習会についてのご意見、ご感想について
1)現在特別支援学校に子供が通っていて、重度なのでGHは無理と思っていましたが、考えていきたいと思いました。
2)職員の課題を改めて認識しました。地域との連携や情報共有と各職員間の標準化、職員一人体制での人材育
成の難しさなど、GHに限らず、障害福祉に関わっている職員には、大切なことだと感じています。
3)持ち帰って報告し、今後に生かしていきたいと思います。モチベーションが上がりました。他のグループホームの
実情は参考になります。今後も参加して自分のスキルを伸ばしたい。等、同様の意見が9件。
4)株式会社(桜草)の運営が新鮮でした。福祉とビジネスをむすびつけ意欲的な取り組みに、感心もし、期待をいた
します。等、同様の意見が3件。
5)当法人では、GH創設に向けて準備をすすめていますが、建物を建てるためのハードルもそうですが、支援体制に
ついてもハードルが高い実態がよくわかりました。それに向けて法人として何をすべきか、何を工夫すれば良いの
かが少しわかった気がします。大変参考になりました。
6)利用者さんが地域活動に少しでも参加できる方向を見出せるといいと思います(施設から少しでも出ていける行
動パターンが少ないなという感じ)。

●設問5の今後取り上げてほしいテーマや内容について●
1)GH開設に向けて勉強しているが、なかなか条件に合う物件等が見つからない。いくつも運営している法人があるが、ノウハウを知りたい。
2)職員の、利用者さんへの接し方とか悩みとか問題点を具体的に聞きたい。
3)人材育成が大きな課題なので、これをテーマにしてほしい。
貴重なご意見、どうもありがとうございました。今後も、引き続き皆さんと共に考えていきたいと思います。 (文責/土居)



【連載コラム 『日々のなかから、、』 <住まい選びⅠ> Vol.32 事務局長 杉浦 貢】
その二人組の男性が我が家を訪れたのは、昨年の、10月も半ばのことでありました。
いつも通り朝8時に起床し、朝食を済ませ、諸々準備を整えてさあ、出掛けようか、という時でした。
『突然失礼いたします。いま杉浦様がお住まいになっておられるこちらのアパートにつきまして、大切なお話が…』
二人の内、一人は私と同じくらい。もう一人は私より少し若いくらいの年格好でしょうか。
『突然お邪魔して申し訳ございません。あ、お出かけ前でしたか。いえ、さほどお時間はかかりませんので…』
年長の男性が私の目の前に差し出したのは《大変心苦しいお知らせなのですが、この度、当アパートは、施設の老朽化、及び諸般の事情により、賃貸経営を打ち切ることとなりました。(略)当該物件は取り壊しをすることとなります。皆様方には極力ご迷惑をお掛けしないよう、取り壊しを六ヶ月後と考えております》という文言の書かれた書類でした。
『ワタクシドモはですね。こちらの大家様より関係業務を委託されたものでして…』(やれやれ…また引っ越しか)、二人が代わる代わる私に向かって語りかけるのを聞きながら、少なからず憂鬱な気分になったものでした。車いすを使用した生活が基本の重度身障者の場合、住まい選びには普通の人よりちょっとだけ面倒な事情がついて回るのです。今回はそういったお話です。
私が八王子で暮らしはじめて18年。あの頃は先に自立生活をしていた先輩の紹介もあり、すんなり家が見つかりました。約8年住んだ後に取り壊しとなり、同じ不動産屋さんに現時点で住んでいるこの家を勧めてもらい、10年が経ちました。
引き続きなじみの不動産屋さんにお世話になろうと思ったのですが…『ゴメンねえ…お勧めできる部屋が、無いんだよ』と哀しそうに言われてしまい引き下がることに。しかし今ならば、人と人とのツテやコネ必要だった昔と違い、ネットという道具があります。パソコンの画面上ですぐ物件が見つかるかと思えば、さにあらず。立て続けに5件断られました。いずれの場合も「改装に関する費用の面では大家様にはご迷惑はかかりません。退去する場合にも原状復帰はこちらの自費で行います」と電話でしっかり伝えました。不動産屋さんの窓口レベルでは、朗らかに応対してくれるのですが…いずれも『すいません、大家様の許可が得られませんので』というご回答。
別に、部屋を地球防衛軍の秘密基地のように改造しようというのではありません。
手すりを付けたり、お風呂場を入りやすく…少しだけ住みやすくしたいというだけなのに。やはりまだまだ不動産賃貸はツテとコネがもの言う世界。大家さんにしてみれば、よく分からないヤツ(身障者)には部屋は貸せない。という気持ちが強いのでしょうか。
もちろんそれを責めるつもりはありません。こちらに事情があるように、あちらにも事情があるのでしょう。ただ、双方の事情がなかなか噛み合わないことに、言葉にしがたい寂しさを感じるだけです。ご安心ください。この原稿を書いている時点ですでに住む家が見つかり、バリアフリーの改装を進めてもらっています。次回は『解決編』になる予定です。


以上、八障連通信296号ここまで。 

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