八障連通信354号をアップします。
八障連通信354号【音声版】はこちらから
ここからは通信本文です。
【事務局通信 Vol.66】
明けましておめでとうございます。
21 世紀に入って、気がつけばもう 20 年...。子どもの頃に想定していた『未来の生活』の通りだとすると...、今頃は月面か火星に家を建てて、ロボットのヘルパーにケアしてもらいながら暮らしているつもりでした。もしかしたら自分の脳性麻痺や、他の様々な身体障害も、有効な改善法や治療法が見つかって...障害のない状態で生活しているかもしれない、などと思っていました。子どもの頃の未来が、気がつけばあっという間に現在に追いついて 2020 年...。世の中は想像通りにはならなかったものの...インターネットや携帯電話さらにスマホの普及は、想像を遙かに超えていましたね。すごいもんです。まさか、家から一歩も出ないで買い物ができてしまうようになるなんて...。30 年 40 年前には誰にも想像できなかったと思います。時の流れはあっという間、どう進むかも誰にもわかりません。一日一日を大切に過ごしたいものですね。
間違いなく今年最大の行事と言えば...東京オリンピック・パラリンピックになると思います。前回大会(1964 年)以来 56 年ぶり...前回の様子を覚えておられる方もおいでになるでしょう。元来、別々の大会として開催されていたオリンピックとパラリンピックが、同じ年、同じ土地で開催されるようになったのも、前回の東京大会が最初だったそうですね。私としても、どんな催しになるのかとても楽しみです。八王子にも自転車ロードレースのコースが設定されるとのことで、ささやかながら八障連としても動いたことがあります。
市役所からのオリンピック競技の観戦のために市外から八王子に訪れる...障害のあるお客さんのために、京王八王子駅周辺からの JR 八王子駅周辺までの交通経路の案内表示の改善箇所と、再設置箇所の検討に協力させていただきした。
オリンピックを契機としてその後々まで八王子の観光そのものが活性化し、ひいては街そのものが賑わうことにつながっていけば良いと思います。
最後になりましたが、本年も良い年でありますように。加盟団体、関係団体および八障連の活動にご理解ご協力をいただいているすべての皆様のご多幸をお祈りしつつ、年始のご挨拶とさせていただきます。本年もよろしくお願いいたします。(文責/杉浦)
21 世紀に入って、気がつけばもう 20 年...。子どもの頃に想定していた『未来の生活』の通りだとすると...、今頃は月面か火星に家を建てて、ロボットのヘルパーにケアしてもらいながら暮らしているつもりでした。もしかしたら自分の脳性麻痺や、他の様々な身体障害も、有効な改善法や治療法が見つかって...障害のない状態で生活しているかもしれない、などと思っていました。子どもの頃の未来が、気がつけばあっという間に現在に追いついて 2020 年...。世の中は想像通りにはならなかったものの...インターネットや携帯電話さらにスマホの普及は、想像を遙かに超えていましたね。すごいもんです。まさか、家から一歩も出ないで買い物ができてしまうようになるなんて...。30 年 40 年前には誰にも想像できなかったと思います。時の流れはあっという間、どう進むかも誰にもわかりません。一日一日を大切に過ごしたいものですね。
間違いなく今年最大の行事と言えば...東京オリンピック・パラリンピックになると思います。前回大会(1964 年)以来 56 年ぶり...前回の様子を覚えておられる方もおいでになるでしょう。元来、別々の大会として開催されていたオリンピックとパラリンピックが、同じ年、同じ土地で開催されるようになったのも、前回の東京大会が最初だったそうですね。私としても、どんな催しになるのかとても楽しみです。八王子にも自転車ロードレースのコースが設定されるとのことで、ささやかながら八障連としても動いたことがあります。
市役所からのオリンピック競技の観戦のために市外から八王子に訪れる...障害のあるお客さんのために、京王八王子駅周辺からの JR 八王子駅周辺までの交通経路の案内表示の改善箇所と、再設置箇所の検討に協力させていただきした。
オリンピックを契機としてその後々まで八王子の観光そのものが活性化し、ひいては街そのものが賑わうことにつながっていけば良いと思います。
最後になりましたが、本年も良い年でありますように。加盟団体、関係団体および八障連の活動にご理解ご協力をいただいているすべての皆様のご多幸をお祈りしつつ、年始のご挨拶とさせていただきます。本年もよろしくお願いいたします。(文責/杉浦)
【編集部より】
あけましておめでとうございます。今号は昨年末に砂長美んさんから届いた「2019 年後半を振り返りつつ、2020 年の抱負を語る」のレポートを、今年も八障連通信を盛り上げていただきたいとの編集部の願いも込めて「特集記事」として掲載しました。さて、年明け早々、イランとアメリカの緊張関係激化のニュースが飛び込んできました。何とか「寸止め」で全面戦争には至らないようですが、中東情勢は平和とは程遠い不安定な状況です。そういえば今年はアメリカの大統領選挙の年ですが、誰がなるにせよ平和な地球社会を作り出すリーダーが選ばれてほしいですね。では皆さま、本年も八障連活動と通信を昨年以上に盛り上げていただきますようどうぞよろしくお願い申し上げます。(編集部)
【砂永美んさんお便り】
皆様、あけましておめでとうございます。すっかり八障連通信のメインの執筆者となった感のある砂長美んさんですが、昨年末に「2019 年を振り返り 2020 年を展望する近況報告」が届きました。2020 年の抱負も語られており、ワールドワイドでの活躍が期待されます。砂長様、本年も昨年同様「八障連通信」を盛り上げてください。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。(編集部)
こんにちは。お元気ですか? 砂長美んです。
《2019 年後半の活動報告です。》
今年(2019 年)も大きなイベント 日本財団の就労支援フォーラムも新宿で3000 人の参加者と共に終わりました。沢山の新しい友達が、出来ました!
ちょっと自慢なビック news です。損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険主催、パラリンアートカップの準グランプリに私が推薦した、新宿区の障害者施設勤務の木村さんが受賞しました。ラグビーのタックルと言うお題。審査員には、シズちゃん、サッカーの北澤豪さん、セルジオ越後さん、丸山桂里奈さん、カヌー男女羽根田さん。ビックなメンバーでした!もちろん写真も一緒に撮影!!、受賞した木村さんは、精神障害を抱えています。今まで、芸術大学を志して、絵を描き初の受賞。スーツに正装した彼の受賞式の笑顔は、今までにない凛としていて、私も無理矢理に応募した甲斐があったと思いました。
芸術家は自分では才能をアピール不得意な人いるので、やはり才能を見つけて光を当てる事は必要。絵の写真、授賞式は、Facebook でも写真見ることができます。
こちら→https://www.facebook.com/1302448354/posts/10221478421092244?sfns=mo
ヤマト福祉財団の受賞パーティーにも参加。今年は最終選考に、残っただけでも私の活動が評価されていると嬉しかったです。受賞された方は、何十年もこの分野で努力されている方でした。私もレジェンドになれるように邁進します~!
国会議員会館・参議院議員・衆議院議員会館の 6 年目障害者施設商品の売り上げも、年間 300 万を超えそうです。1 番悪かった、2 年目の売り上げ 1 か月三千円以下だったことを考えると、本当に皆さんのお陰です。その分、もちろん障害者施設に支払う金額仕事も増やしました。私の収入も少し増えました。コンビニで時々好きな物買えます。
10 月・11 月は、埼玉県のご縁で、丸広百貨店で、障害者施設の商品販売会主催のありがとうショップを開催。
上尾店、飯能店 5 日間ずつでした。売り上げは、各店 10 万円ほどでした。お買い物に来てくれた皆様ありがとうございました!数字は良くないですが、新しい社会貢献企画として丸広百貨店さんとのコラボ企画今後とも、引き続き地域の障害者の方々とマゼコゼに頑張って行きます。12 月 22 日日曜日忘年会とも言う、美んちゃんクリスマスパーティーです。まだ、2 名参加できます。場所世田谷区奥沢参加費 4500 円、参加してくれる優しい方待ってまーす! 年末は、高知県、岡山県、小豆島近辺の予定。
《2020 年はヨーロッパへ》
2020 年 1 月は 20 年ぶりの元留学先ロンドンに行って、みんな母親になっている旧友達に会う予定です。もう、英語きちんと話せなそうです~汗。まあ、同級生なので、なんとかなる。ドイツ、オーストラリア、ウイーン、ザルツブルクを予定。ドイツのテルマ温泉楽しみです。良い場所知っている方教えてください。
1 月 24 日、イオン印西市で、株式会社リンクライ、30 名の特例子会社障害者と石鹸作り年商一億円、神原会長と私、ありがとうショップの講演会。誰でも参加可能です
2月29日 小田原市 神原さん リンクライン 株式会社と講演会。誰でも参加可能です。岡山県、広島県周辺も、来年訪問予定です。
令和元年もあっという間に、12 月です。私からのメール挨拶も今年はこれで最後です。いつも読んでいただき本当にありがとうございます。色々な場所で、会う人に「返事してないけど読んでるよ~」と言われるのも嬉しいですね。私の起業事業も、東北の大震災 2011 年の 2 月から、弁当屋ユーロデリから 500 円の弁当屋から始まり、来年は2020 年オリンピック。障害者施設商品販売も 9 年目に入り、お得意も増えました。受注も安定して、第二の挑戦時期に入ってます。自分で気が付いてなかったですが、「偉いね」とよく言われます。偉いねじゃなくて、羨ましいと思えるくらいになりたいです。障害者関連は、皆さん助成金補助金をもらっている方々が多いですが、私は、1 円も貰ったこともないで 9 年目に入ります。だから、補助金切れたら運営出来ない!!なんて事もありません。と言っても、努力しないと継続は、不可能と思っています。ただ、私は読み書き障害者なので、書類書く、読むが苦手なので外に出ていたら、仕事になったと言う、本当の理由があり。普通のコカコーラを売る為に、有名になっても愚直にコマーシャルCMをやめない事と同じだと思っています。ちなみに、今クリスマスシュトーレンを販売しています。買ってくれる方は、ご連絡ください。美味しい障害者施設からです。ギフトにもオススメです。
今年(2019 年)の私からのお知らせは、これで最後になります。これからも、1 人でも多くの障害を持つ人たちの 365日の仕事を作り出す、楽しいアイディア、笑いが絶えない商品を作り出して、買う人もハッピーなことを考えていきます。社会貢献を普通の流通ビジネスに。『企業と障がい福祉 SDGS的 5 人の働き方改革』 今年出版した本です。検索して買ってくださいね。Amazon でも発売中です。スマホで読めることになりました。まだ、未購入の方にはオススメです。色々な出会いにより支えられている私の活動。本当に感謝であります。そしてこの事業の責任を感じてる日々です。ありがとうございます。
お時間あれば皆さんの近況お知らせください。皆様にとってメリークリスマス、来年も笑顔溢れるになりますようにお祈り申し上げます。
www.arigatoshop.jp 一般社団法人 ありがとうショップ 砂長美ん
Facebook sunanaga bin 検索 https://m.youtube.com/watch?v=YgLawavYcPY
151ー0053 東京都渋谷区代々木 3-1-16 090-8454-2409
《2019 年後半の活動報告です。》
今年(2019 年)も大きなイベント 日本財団の就労支援フォーラムも新宿で3000 人の参加者と共に終わりました。沢山の新しい友達が、出来ました!
ちょっと自慢なビック news です。損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険主催、パラリンアートカップの準グランプリに私が推薦した、新宿区の障害者施設勤務の木村さんが受賞しました。ラグビーのタックルと言うお題。審査員には、シズちゃん、サッカーの北澤豪さん、セルジオ越後さん、丸山桂里奈さん、カヌー男女羽根田さん。ビックなメンバーでした!もちろん写真も一緒に撮影!!、受賞した木村さんは、精神障害を抱えています。今まで、芸術大学を志して、絵を描き初の受賞。スーツに正装した彼の受賞式の笑顔は、今までにない凛としていて、私も無理矢理に応募した甲斐があったと思いました。
芸術家は自分では才能をアピール不得意な人いるので、やはり才能を見つけて光を当てる事は必要。絵の写真、授賞式は、Facebook でも写真見ることができます。
こちら→https://www.facebook.com/1302448354/posts/10221478421092244?sfns=mo
ヤマト福祉財団の受賞パーティーにも参加。今年は最終選考に、残っただけでも私の活動が評価されていると嬉しかったです。受賞された方は、何十年もこの分野で努力されている方でした。私もレジェンドになれるように邁進します~!
国会議員会館・参議院議員・衆議院議員会館の 6 年目障害者施設商品の売り上げも、年間 300 万を超えそうです。1 番悪かった、2 年目の売り上げ 1 か月三千円以下だったことを考えると、本当に皆さんのお陰です。その分、もちろん障害者施設に支払う金額仕事も増やしました。私の収入も少し増えました。コンビニで時々好きな物買えます。
10 月・11 月は、埼玉県のご縁で、丸広百貨店で、障害者施設の商品販売会主催のありがとうショップを開催。
上尾店、飯能店 5 日間ずつでした。売り上げは、各店 10 万円ほどでした。お買い物に来てくれた皆様ありがとうございました!数字は良くないですが、新しい社会貢献企画として丸広百貨店さんとのコラボ企画今後とも、引き続き地域の障害者の方々とマゼコゼに頑張って行きます。12 月 22 日日曜日忘年会とも言う、美んちゃんクリスマスパーティーです。まだ、2 名参加できます。場所世田谷区奥沢参加費 4500 円、参加してくれる優しい方待ってまーす! 年末は、高知県、岡山県、小豆島近辺の予定。
《2020 年はヨーロッパへ》
2020 年 1 月は 20 年ぶりの元留学先ロンドンに行って、みんな母親になっている旧友達に会う予定です。もう、英語きちんと話せなそうです~汗。まあ、同級生なので、なんとかなる。ドイツ、オーストラリア、ウイーン、ザルツブルクを予定。ドイツのテルマ温泉楽しみです。良い場所知っている方教えてください。
1 月 24 日、イオン印西市で、株式会社リンクライ、30 名の特例子会社障害者と石鹸作り年商一億円、神原会長と私、ありがとうショップの講演会。誰でも参加可能です
2月29日 小田原市 神原さん リンクライン 株式会社と講演会。誰でも参加可能です。岡山県、広島県周辺も、来年訪問予定です。
令和元年もあっという間に、12 月です。私からのメール挨拶も今年はこれで最後です。いつも読んでいただき本当にありがとうございます。色々な場所で、会う人に「返事してないけど読んでるよ~」と言われるのも嬉しいですね。私の起業事業も、東北の大震災 2011 年の 2 月から、弁当屋ユーロデリから 500 円の弁当屋から始まり、来年は2020 年オリンピック。障害者施設商品販売も 9 年目に入り、お得意も増えました。受注も安定して、第二の挑戦時期に入ってます。自分で気が付いてなかったですが、「偉いね」とよく言われます。偉いねじゃなくて、羨ましいと思えるくらいになりたいです。障害者関連は、皆さん助成金補助金をもらっている方々が多いですが、私は、1 円も貰ったこともないで 9 年目に入ります。だから、補助金切れたら運営出来ない!!なんて事もありません。と言っても、努力しないと継続は、不可能と思っています。ただ、私は読み書き障害者なので、書類書く、読むが苦手なので外に出ていたら、仕事になったと言う、本当の理由があり。普通のコカコーラを売る為に、有名になっても愚直にコマーシャルCMをやめない事と同じだと思っています。ちなみに、今クリスマスシュトーレンを販売しています。買ってくれる方は、ご連絡ください。美味しい障害者施設からです。ギフトにもオススメです。
今年(2019 年)の私からのお知らせは、これで最後になります。これからも、1 人でも多くの障害を持つ人たちの 365日の仕事を作り出す、楽しいアイディア、笑いが絶えない商品を作り出して、買う人もハッピーなことを考えていきます。社会貢献を普通の流通ビジネスに。『企業と障がい福祉 SDGS的 5 人の働き方改革』 今年出版した本です。検索して買ってくださいね。Amazon でも発売中です。スマホで読めることになりました。まだ、未購入の方にはオススメです。色々な出会いにより支えられている私の活動。本当に感謝であります。そしてこの事業の責任を感じてる日々です。ありがとうございます。
お時間あれば皆さんの近況お知らせください。皆様にとってメリークリスマス、来年も笑顔溢れるになりますようにお祈り申し上げます。
www.arigatoshop.jp 一般社団法人 ありがとうショップ 砂長美ん
Facebook sunanaga bin 検索 https://m.youtube.com/watch?v=YgLawavYcPY
151ー0053 東京都渋谷区代々木 3-1-16 090-8454-2409
【連載コラム B 型肝炎闘病記 パオ 小濵 義久 闘病史 その 38】
2002 年 3 月 6 日の 9 時には川崎市梶ヶ谷にある虎の門病院分院に到着し、荷物を整理してロッカーに納め、トレーナーの上下に着替えると、早速心電図とレントゲンの検査に呼ばれた。
午後遅くなってエコー検査、次の日は ICG 検査(肝機能や肝予備能を知る為の検査)と MRI 検査があった。肝予備能を知ることができる ICG 検査はいつも楽しみ
にしている。暫くは生きられそうかな、もう危ないかなという目安になるからだ。土の検査も悪い値は示しておらず、ひと安心。もうちょっとはびこってみよう。
3 日目が食道静脈瘤結紮術(以下 EVL)。普段の内視鏡検査も嫌々ながらという状態なのに、EVL となると時間が少しは長くなりそうだなと何とも複雑な心境だった。前日の 11 時頃には寝入ったようだが、1 時半、5 時に中途覚醒し、6 時に起床となった。過敏になっているようで、起き出してからもモゾモゾ、ゴワゴワ。
FM ラジオから流れてくるクラシックの音色に心をうずめた。丁度大好きなバロックが放送されていた。EVL は内視鏡の先に O リング(輪ゴム様の物)が装着されており、それを瘤の根元に巻き付け、血流を留め、壊死させ取り去るという手技だ。手術着に着替え、病室からストレッチャーで運ばれた。何とも大げさな感じがしなくもない。行く先はいつも外来で利用する内視鏡検査室であり、無影灯のある手術室ではないにも拘らずだ。
いつもは少しトロミ状の液体麻酔薬を喉の奥に留めているだけなのだが、今回は鎮静剤を肩に注射され、カーテンを巡らされた中で暫く待たされた。手術着では少し寒さを感じ、冷え始めた身体が時に武者震いのような揺らぎを呈し始めた。震えが寒さから来るものか緊張から来るものか、はっきりとはしない。兎にも角にも脱力をと考え、大きく息を吐きながら腹式呼吸を繰り返して震えを鎮めようとしたが、肩に幾ばくかの力が入っていることに暫くして気付き、情けなくなった。
薬が効いてくるのを待っているのか、検査室のベッドの空き待ちなのかイヤに待た
された。やっと順番が来た。殆ど黒に近い濃いグリーン色の布のカーテンは結構遮
光性も高いようで、暗闇の中で内視鏡の画面だけが白く怪しく光っている。検査ベッドへ横付けされたストレッチャーから自分で身体をよじらせながら移動した。間もな
く馴染みの中堅医師が顔を見せ、内心を見透かすように「小濵さん、すぐ終わるからね」と声を掛けた。しかし、実際にファイバースコープ(以下ファイバー)を握るのは経験の浅そうな若い医師だった。ちょっと不安がよぎる。差し出されたファイバーはいつもより太い感じがして、一瞬身体が強張った。ファイバーの出入りの安全性を確保する為にマウスピースを咥えるのだが、実はこれが曲者だ。条件反射のように強く噛みしめてしまい、その事が肩の緊張を招き、上半身全体が軽い硬直状態を示すようになる。検査ベッドに乗った直後からいつも身体を緩めようと腹式呼吸をするのだが、マウスピースを咥えた途端に事態は暗転する。一度この状態に陥るとひとりで事態を打開する事は敵わない。でも不思議、女性の検査技師さんの手が肩に触れ、「力を抜いて下さい」と言われるや風船がしぼむように軟体動物と化す。スキンシップ効果絶大なのだ。心の強張りも同じ作用でほぐれる。(次号に続く)
午後遅くなってエコー検査、次の日は ICG 検査(肝機能や肝予備能を知る為の検査)と MRI 検査があった。肝予備能を知ることができる ICG 検査はいつも楽しみ
にしている。暫くは生きられそうかな、もう危ないかなという目安になるからだ。土の検査も悪い値は示しておらず、ひと安心。もうちょっとはびこってみよう。
3 日目が食道静脈瘤結紮術(以下 EVL)。普段の内視鏡検査も嫌々ながらという状態なのに、EVL となると時間が少しは長くなりそうだなと何とも複雑な心境だった。前日の 11 時頃には寝入ったようだが、1 時半、5 時に中途覚醒し、6 時に起床となった。過敏になっているようで、起き出してからもモゾモゾ、ゴワゴワ。
FM ラジオから流れてくるクラシックの音色に心をうずめた。丁度大好きなバロックが放送されていた。EVL は内視鏡の先に O リング(輪ゴム様の物)が装着されており、それを瘤の根元に巻き付け、血流を留め、壊死させ取り去るという手技だ。手術着に着替え、病室からストレッチャーで運ばれた。何とも大げさな感じがしなくもない。行く先はいつも外来で利用する内視鏡検査室であり、無影灯のある手術室ではないにも拘らずだ。
いつもは少しトロミ状の液体麻酔薬を喉の奥に留めているだけなのだが、今回は鎮静剤を肩に注射され、カーテンを巡らされた中で暫く待たされた。手術着では少し寒さを感じ、冷え始めた身体が時に武者震いのような揺らぎを呈し始めた。震えが寒さから来るものか緊張から来るものか、はっきりとはしない。兎にも角にも脱力をと考え、大きく息を吐きながら腹式呼吸を繰り返して震えを鎮めようとしたが、肩に幾ばくかの力が入っていることに暫くして気付き、情けなくなった。
薬が効いてくるのを待っているのか、検査室のベッドの空き待ちなのかイヤに待た
された。やっと順番が来た。殆ど黒に近い濃いグリーン色の布のカーテンは結構遮
光性も高いようで、暗闇の中で内視鏡の画面だけが白く怪しく光っている。検査ベッドへ横付けされたストレッチャーから自分で身体をよじらせながら移動した。間もな
く馴染みの中堅医師が顔を見せ、内心を見透かすように「小濵さん、すぐ終わるからね」と声を掛けた。しかし、実際にファイバースコープ(以下ファイバー)を握るのは経験の浅そうな若い医師だった。ちょっと不安がよぎる。差し出されたファイバーはいつもより太い感じがして、一瞬身体が強張った。ファイバーの出入りの安全性を確保する為にマウスピースを咥えるのだが、実はこれが曲者だ。条件反射のように強く噛みしめてしまい、その事が肩の緊張を招き、上半身全体が軽い硬直状態を示すようになる。検査ベッドに乗った直後からいつも身体を緩めようと腹式呼吸をするのだが、マウスピースを咥えた途端に事態は暗転する。一度この状態に陥るとひとりで事態を打開する事は敵わない。でも不思議、女性の検査技師さんの手が肩に触れ、「力を抜いて下さい」と言われるや風船がしぼむように軟体動物と化す。スキンシップ効果絶大なのだ。心の強張りも同じ作用でほぐれる。(次号に続く)
通信本文はここまで。
