八障連通信314号です。
八障連通信314号【PDF版】はこちらから。
これより、通信本文となります。
【事務局通信 Vol.27】
今年もはや8月に入り、梅雨はあけましたが、水瓶には水はたまらず、蒸し暑い日が続いていますね。熱中症の方も出てきているようですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?建物の中で、空調のきいた中でも熱中症になるケースが出ているとか…。体調管理にも気配り・目配りしながらこの夏を乗り切っていただきたいと思います。
さて、7月21日の運営委員会において、今年度の活動の具体的方針を話し合いました。今後の活動予定ですが、8月25日に例会の隔月企画での団体紹介で、NPO法人就労継続B型事業所きゃとるさんの活動報告を予定してます。
きゃとるさんは八障連未加盟の団体ですが、八王子で活動を開始しているということで、現状や今抱えている課題などを報告していただけるとのことです。また10月7日には「八王子障害福祉課との懇談会
があり、11月には「八王子市議会議員との懇談会
を予定しています。市議懇談会は、各会員団体の現状や、政策により困っていることなど発信し問題提起や確認をできる「場」となっております。ぜひ参加をしていただきたいと思います。つきましては、まず障害福祉課との懇談会に先立ち、事前に質問事項を整理したいと思います。八障連通信今号に同封された「アンケート用紙」にご記入いただき、期限までに返信をいただけると参考になりますのでよろしくお願いいたします。(文責/事務局立川)
八障連事務所で使用していたPC(OSはVista)です。保証期限は2017年4月、DELLのデスクトップ型でExcelやWordのofficeソフトを使うには問題ありません。BrotherのFAX機能付きプリンター付き。希望する団体は八障連事務局へご一報ください。(事務局 立川)
【お知らせ】
パソコン・プリンタを希望団体へお譲りします。
八障連事務所で使用していたPC(OSはVista)です。保証期限は2017年4月、DELLのデスクトップ型でExcelやWordのofficeソフトを使うには問題ありません。BrotherのFAX機能付きプリンター付き。希望する団体は八障連事務局へご一報ください。
【今後のスケジュール】
✦ 8 月25 日(木)の八障連例会は、恒例の「隔月企画(団体紹介)」となります。
今回は、八王子八日町で活動している就労継続B 型事業所 きゃとるさんのお
話しをお伺いします。ぜひ多くの会員の参加を期待してます。
八障連運営委員会
8月18日(木)18:00~20:00クリエイト試食室
八障連例会・隔月企画 きゃとる
8月25日(木)18:00~20:00クリエイト試食室
市障害福祉課との懇談会
10月7日(金)18:00(後に18:30に訂正)~20:00八王子市役所
7法人共催研修会 「次世代がつくる新しい福祉」
10月29日(土)13:15~16:15東浅川保健福祉センター
【「障害者総合支援法の一部改正」について思うこと 八障連事務局 有賀 豊】
急な暑さや激しい雷雨に見舞われる季節となりました。九州地方の被災された方々の体調管理が気にな
ります。会員団体の皆様におかれましても熱中症などお気をつけてご自愛をお願いいたします。さて7 月2
日の運営委員会で今年度の活動について日程や担当など大まかな役割分担を決めました。市民等への
啓発活動となるイベントも単発ではなく、様々な障害の理解について、またライフステージにおける様々な
問題をテーマに継続的に取り組めていけないかと意見交換しました。皆様のご意見やアイデアなど多く取り
入れいていきたく、運営委員会等へのオブザーバー参加をお願いいたします。
は変わりますが、いわゆる障害者総合支援法の一部改正が国会で承認され平成30 年施
行を予定しています。改正ポイントとして、自立生活援助や就労定着、重度訪問介護の訪
問先拡大などうたわれています。他にも児童医療や発達支援など児童に対する法改正が
みられます。高齢の障害者の方々と介護保険との関係については、障害者サービスでは無料であ
ったサービスが1 割負担になる制度上の違いがあり、60 歳もしくは65 歳以上の方々が利用料が
発生する弊害があります。今回の法改正ではこの利用料に着目した改正とサービス提供の事業所
が介護保険制度へ事業所として移行しやすいことが謳われています。厚生労働省は当初から少
子高齢化の現実を直視して介護保険と障害者分野の制度的統合を進めてきました。高齢化の障
害がある方にとっては、サービス提供の考え方によっては介護保険優先という制度が弊害になる恐
れがあります。この辺りを懸念して、衆議院厚生労働委員会では付帯決議の二として障害者が高
齢になっても障害、高齢者両制度を尊重しつつも、ニーズに即した必要なサービスが円滑に受けら
れるよう実態を踏まえて検討していくべきことが明記されています。はたして生活の現場ではどのよ
うに制度が運用されるのでしょうか。とはいえ少子高齢化の波は押し寄せており、従来の発想では
太刀打ちできないことは明らかです。私たち一人ひとりの発想の転換が望まれます。と同時に普遍
的に人と人が支え合うために必要なものは何かという価値観が求められる時代だと感じます。(編
集部注:障害者総合支援法の一部改正の概要については下記を参照してください。)
話
「障害者総合支援法の一部改正」について思うこと
八障連事務局 有賀 豊
障害者総合支援法等の一部を改正する法案の概要
◆施設やグループホームを利用していたい人を対象とする定期巡回・臨時対応サービス(自立生活援助)を創
設する。
◆一般就労に伴う生活面の課題に対応するため、事業所・家族との連絡調整をするサービス(就労定着支援)
を創設する。
◆重度訪問介護は医療機関への入院時も一定の支援を可能とする。
◆低所得の高齢者障害者が介護保険を利用する際の負担を減らす。
◆外出困難な障害児の居宅を訪問して発達支援するサービス(居宅訪問型児童発達支援)を創設する。
◆発達支援をする保育所等訪問支援は乳児院・児童養護施設の障害児も対象とする。
◆都道府県・市町村の障害児福祉計画の策定を義務化する。
◆医療的ケアを要する障害児につき、自治体に保健・医療・福祉連携を促す。(公布日に施行)
◆障害児の利用する補装具について貸与を認める。
◆サービス事業所の事業内容を公表する制度を創設する(都道府県)
福祉新聞Web(http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/1203)より転載
【連載コラム 『日々のなかから、』 <差別とどう向き合うか> Vol.40 八障連代表 杉浦 貢】
このコラムでは何度か書いている事ですが…あらためて差別ってなんだろう、ということについて書いて見ようと思います。障害者同士であっても、他障害への無知や無理解から互いを差別し、いがみ合うような場合だってあるし、一般に言われるように障害者が差別される側である事例ばかりでもないと思います。
あまり考えたくない事ですし、あってはならないことでもありますが…例えば…障害者が弱者の立場、サービスの利用者たる立場を利用して、隣人であり支援者たる健常者に差別的な対応をしている場合もあるのではないかと思っています。
自分にとって受け入れたくないもの。自分にとって不快なもの。都合の悪いものを選別、拒絶して排除しようとする心は誰の中にもあるものだと思いますし。差別する心の根底にあるものは、雑多な集団の中で身の安全を保ち、自分の序列を護るための、社会性動物としての人間の本能であると思う。
故に差別や偏見はそもそも、根絶することはできない。というのが私の個人としての持論です。
しかしながら、理解できないものを理解し、異質なものを受け入れようとする好奇心や想像力も、包容力や寛容性といったものも、人間の心の中には確かに同居している訳です。 差別というものが、変化を拒んで我が身を護らんとする保守の本能から来ているものだとすれば、愛や献身、真心と言ったものは、リスクを承知で他者の存在を受け入れる理性…勇気の産物であると思っています。
誰しも他人を受け入れ、他人と共に生きることは、大きな不安や恐怖を伴います。自分の中での他者の存在が大きくなればなるほど、つまり誰かと親しくなればなるほど、逆に親しい人との別離や反目の可能性を考えると…背筋が冷えたりして…そら恐ろしくもなりますよね。 人を愛し人を慈しむことは、誤解や偏見を恐れない。異なるものを受け入れて、なお揺るがない。怯まない。強い心を持つことだと思います。
言葉だけ、形だけのバリアフリーを語って何になるでしょうか。社会の中で障害者ばかりがお客さまのようにチヤホヤされて何に繋がるでしょうか。 障害があろうがなかろうが、同じ社会に暮らすことには変わりありません。誰しもまず自分の身近に居る人たちを大切にし、思いやる気持ちがあってこそのバリアフリーと思うのです。
他人に自分の心を覗かれ、内面に干渉される事も構わず、どこまで自分のバリアをフリーにできるか。
身の回りの家族や友人知人、恋人などに対して、どう接するのか。
自分自身か障害当事者である私にとっても、差別というものは、自分の外から来るものばかりではありません。自分の心のありようをどうしていくのかということも、とても大切なことのではないでしょうか。
【連載コラム 連載コラム 連載コラム 連載コラム 連載コラム B型肝炎闘病記 パオ 小濵 義久】
闘病史 その7
組織検査の結果は最悪に近かった。生まれてこの方、血液検査ではそれまで一度として肝機能値の異常を経験したことがなく、まして今回でさえ、GOT、GPTが50~60位の値だったにもかかわらず、肝臓組織はCH2Bの段階に至っていた。肝硬変の一歩手前だったのである。熊田Drから結果を知らされた時、衝撃で言葉を失っていた。いきなり谷底へ落とされた感じがした。人生はいつも劇的である。
B型肝炎の治療法として世界で初めて熊田Drが開発したステロイド離脱療法というのは、肝硬変には使えないなどいくつか禁忌があり、一歩間違えると危険な治療法でもある。最悪の場合は劇症肝炎化し、死に至ってしまうのではとも考えられていた。適応条件が慎重に検討されていた治験の途中段階で、まだ試行錯誤をしていた時期でもあった。
しかし、当時はこのステロイド離脱方法しかB型肝炎の治療法はなく、私の肝臓がCH2Bという状態を考えると、治療のチャンスは殆ど残されていなかったと言える。ベストの時期ではないが、残されたチャンスが少ないと考えられるので、このままステロイド離脱療法をやろうということになった。
ステロイド離脱療法はこれまでの肝炎治療の常識をひっくり返すような治療方法で、肝臓学の権威をはじめ多くの医者からは否定的な意見が寄せられ、日本の学界ではなかなか受け入れられなかった。海外の学界で高い評価を受け、熊田Drの名
前は海外で有名になり、その後日本でも知られるようになる。
ステロイドとはそもそも副腎が作り出しているホルモンであり、免疫作用のひとつを担っている。それを人工的に作り出して薬にしたものがステロイド剤である。ステロイド剤と言うのは難治性の病気で症状悪化が日常生活の困難を招いたり、病状の悪化をきたす場合に、炎症を抑えるための対症療法として使われるが、決して病気を治しはしない。長期に服用した場合、副腎からのステロイドホルモンが分泌されなくなるという危険性もはらんでいる。
ステロイド剤は即効性があり、とても良く効くが、使いだすとなかなか止められないという困った側面も持っている。急に止めると抑えるために使っていたそもそもの症状の増悪を招くので、止め方が難しく、使用量を少しずつ減らしていき、様子を見ながら慎重に止めなければならない。副作用も結構ある。ムーンフェースって言葉を聞かれたことがあるだろうか(ムーンウォークじゃないぜ)。ステロイド剤の一番典型的で有名な副作用だ。だから、最後の手段として、もしくは暫くの間の時間稼ぎとして緊急避難的に使われることが多い。ステロイド剤を騙し騙し使いながら、何とか生きつないでいる難病の方もいらっしゃる。(次号へ続く)
※ムーンフェイスとは?
ステロイドの大量服用による一つの副作用で起こる顔が丸くなっていることです。正式には満月様顔貌と呼んでいます。一般的には外用薬(塗り薬)では起こりにくく(というか普通の量では絶対に起こりません)、内服のみでの副作用です。<http://osmaga.com/post-1764-1764#iより引用>(編集部)
八障連通信314号【PDF版】はこちらから。
これより、通信本文となります。
【事務局通信 Vol.27】
今年もはや8月に入り、梅雨はあけましたが、水瓶には水はたまらず、蒸し暑い日が続いていますね。熱中症の方も出てきているようですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?建物の中で、空調のきいた中でも熱中症になるケースが出ているとか…。体調管理にも気配り・目配りしながらこの夏を乗り切っていただきたいと思います。
さて、7月21日の運営委員会において、今年度の活動の具体的方針を話し合いました。今後の活動予定ですが、8月25日に例会の隔月企画での団体紹介で、NPO法人就労継続B型事業所きゃとるさんの活動報告を予定してます。
きゃとるさんは八障連未加盟の団体ですが、八王子で活動を開始しているということで、現状や今抱えている課題などを報告していただけるとのことです。また10月7日には「八王子障害福祉課との懇談会
があり、11月には「八王子市議会議員との懇談会
を予定しています。市議懇談会は、各会員団体の現状や、政策により困っていることなど発信し問題提起や確認をできる「場」となっております。ぜひ参加をしていただきたいと思います。つきましては、まず障害福祉課との懇談会に先立ち、事前に質問事項を整理したいと思います。八障連通信今号に同封された「アンケート用紙」にご記入いただき、期限までに返信をいただけると参考になりますのでよろしくお願いいたします。(文責/事務局立川)
八障連事務所で使用していたPC(OSはVista)です。保証期限は2017年4月、DELLのデスクトップ型でExcelやWordのofficeソフトを使うには問題ありません。BrotherのFAX機能付きプリンター付き。希望する団体は八障連事務局へご一報ください。(事務局 立川)
【お知らせ】
パソコン・プリンタを希望団体へお譲りします。
八障連事務所で使用していたPC(OSはVista)です。保証期限は2017年4月、DELLのデスクトップ型でExcelやWordのofficeソフトを使うには問題ありません。BrotherのFAX機能付きプリンター付き。希望する団体は八障連事務局へご一報ください。
【今後のスケジュール】
✦ 8 月25 日(木)の八障連例会は、恒例の「隔月企画(団体紹介)」となります。
今回は、八王子八日町で活動している就労継続B 型事業所 きゃとるさんのお
話しをお伺いします。ぜひ多くの会員の参加を期待してます。
八障連運営委員会
8月18日(木)18:00~20:00クリエイト試食室
八障連例会・隔月企画 きゃとる
8月25日(木)18:00~20:00クリエイト試食室
市障害福祉課との懇談会
10月7日(金)18:00(後に18:30に訂正)~20:00八王子市役所
7法人共催研修会 「次世代がつくる新しい福祉」
10月29日(土)13:15~16:15東浅川保健福祉センター
【「障害者総合支援法の一部改正」について思うこと 八障連事務局 有賀 豊】
急な暑さや激しい雷雨に見舞われる季節となりました。九州地方の被災された方々の体調管理が気にな
ります。会員団体の皆様におかれましても熱中症などお気をつけてご自愛をお願いいたします。さて7 月2
日の運営委員会で今年度の活動について日程や担当など大まかな役割分担を決めました。市民等への
啓発活動となるイベントも単発ではなく、様々な障害の理解について、またライフステージにおける様々な
問題をテーマに継続的に取り組めていけないかと意見交換しました。皆様のご意見やアイデアなど多く取り
入れいていきたく、運営委員会等へのオブザーバー参加をお願いいたします。
は変わりますが、いわゆる障害者総合支援法の一部改正が国会で承認され平成30 年施
行を予定しています。改正ポイントとして、自立生活援助や就労定着、重度訪問介護の訪
問先拡大などうたわれています。他にも児童医療や発達支援など児童に対する法改正が
みられます。高齢の障害者の方々と介護保険との関係については、障害者サービスでは無料であ
ったサービスが1 割負担になる制度上の違いがあり、60 歳もしくは65 歳以上の方々が利用料が
発生する弊害があります。今回の法改正ではこの利用料に着目した改正とサービス提供の事業所
が介護保険制度へ事業所として移行しやすいことが謳われています。厚生労働省は当初から少
子高齢化の現実を直視して介護保険と障害者分野の制度的統合を進めてきました。高齢化の障
害がある方にとっては、サービス提供の考え方によっては介護保険優先という制度が弊害になる恐
れがあります。この辺りを懸念して、衆議院厚生労働委員会では付帯決議の二として障害者が高
齢になっても障害、高齢者両制度を尊重しつつも、ニーズに即した必要なサービスが円滑に受けら
れるよう実態を踏まえて検討していくべきことが明記されています。はたして生活の現場ではどのよ
うに制度が運用されるのでしょうか。とはいえ少子高齢化の波は押し寄せており、従来の発想では
太刀打ちできないことは明らかです。私たち一人ひとりの発想の転換が望まれます。と同時に普遍
的に人と人が支え合うために必要なものは何かという価値観が求められる時代だと感じます。(編
集部注:障害者総合支援法の一部改正の概要については下記を参照してください。)
話
「障害者総合支援法の一部改正」について思うこと
八障連事務局 有賀 豊
障害者総合支援法等の一部を改正する法案の概要
◆施設やグループホームを利用していたい人を対象とする定期巡回・臨時対応サービス(自立生活援助)を創
設する。
◆一般就労に伴う生活面の課題に対応するため、事業所・家族との連絡調整をするサービス(就労定着支援)
を創設する。
◆重度訪問介護は医療機関への入院時も一定の支援を可能とする。
◆低所得の高齢者障害者が介護保険を利用する際の負担を減らす。
◆外出困難な障害児の居宅を訪問して発達支援するサービス(居宅訪問型児童発達支援)を創設する。
◆発達支援をする保育所等訪問支援は乳児院・児童養護施設の障害児も対象とする。
◆都道府県・市町村の障害児福祉計画の策定を義務化する。
◆医療的ケアを要する障害児につき、自治体に保健・医療・福祉連携を促す。(公布日に施行)
◆障害児の利用する補装具について貸与を認める。
◆サービス事業所の事業内容を公表する制度を創設する(都道府県)
福祉新聞Web(http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/1203)より転載
【連載コラム 『日々のなかから、』 <差別とどう向き合うか> Vol.40 八障連代表 杉浦 貢】
このコラムでは何度か書いている事ですが…あらためて差別ってなんだろう、ということについて書いて見ようと思います。障害者同士であっても、他障害への無知や無理解から互いを差別し、いがみ合うような場合だってあるし、一般に言われるように障害者が差別される側である事例ばかりでもないと思います。
あまり考えたくない事ですし、あってはならないことでもありますが…例えば…障害者が弱者の立場、サービスの利用者たる立場を利用して、隣人であり支援者たる健常者に差別的な対応をしている場合もあるのではないかと思っています。
自分にとって受け入れたくないもの。自分にとって不快なもの。都合の悪いものを選別、拒絶して排除しようとする心は誰の中にもあるものだと思いますし。差別する心の根底にあるものは、雑多な集団の中で身の安全を保ち、自分の序列を護るための、社会性動物としての人間の本能であると思う。
故に差別や偏見はそもそも、根絶することはできない。というのが私の個人としての持論です。
しかしながら、理解できないものを理解し、異質なものを受け入れようとする好奇心や想像力も、包容力や寛容性といったものも、人間の心の中には確かに同居している訳です。 差別というものが、変化を拒んで我が身を護らんとする保守の本能から来ているものだとすれば、愛や献身、真心と言ったものは、リスクを承知で他者の存在を受け入れる理性…勇気の産物であると思っています。
誰しも他人を受け入れ、他人と共に生きることは、大きな不安や恐怖を伴います。自分の中での他者の存在が大きくなればなるほど、つまり誰かと親しくなればなるほど、逆に親しい人との別離や反目の可能性を考えると…背筋が冷えたりして…そら恐ろしくもなりますよね。 人を愛し人を慈しむことは、誤解や偏見を恐れない。異なるものを受け入れて、なお揺るがない。怯まない。強い心を持つことだと思います。
言葉だけ、形だけのバリアフリーを語って何になるでしょうか。社会の中で障害者ばかりがお客さまのようにチヤホヤされて何に繋がるでしょうか。 障害があろうがなかろうが、同じ社会に暮らすことには変わりありません。誰しもまず自分の身近に居る人たちを大切にし、思いやる気持ちがあってこそのバリアフリーと思うのです。
他人に自分の心を覗かれ、内面に干渉される事も構わず、どこまで自分のバリアをフリーにできるか。
身の回りの家族や友人知人、恋人などに対して、どう接するのか。
自分自身か障害当事者である私にとっても、差別というものは、自分の外から来るものばかりではありません。自分の心のありようをどうしていくのかということも、とても大切なことのではないでしょうか。
【連載コラム 連載コラム 連載コラム 連載コラム 連載コラム B型肝炎闘病記 パオ 小濵 義久】
闘病史 その7
組織検査の結果は最悪に近かった。生まれてこの方、血液検査ではそれまで一度として肝機能値の異常を経験したことがなく、まして今回でさえ、GOT、GPTが50~60位の値だったにもかかわらず、肝臓組織はCH2Bの段階に至っていた。肝硬変の一歩手前だったのである。熊田Drから結果を知らされた時、衝撃で言葉を失っていた。いきなり谷底へ落とされた感じがした。人生はいつも劇的である。
B型肝炎の治療法として世界で初めて熊田Drが開発したステロイド離脱療法というのは、肝硬変には使えないなどいくつか禁忌があり、一歩間違えると危険な治療法でもある。最悪の場合は劇症肝炎化し、死に至ってしまうのではとも考えられていた。適応条件が慎重に検討されていた治験の途中段階で、まだ試行錯誤をしていた時期でもあった。
しかし、当時はこのステロイド離脱方法しかB型肝炎の治療法はなく、私の肝臓がCH2Bという状態を考えると、治療のチャンスは殆ど残されていなかったと言える。ベストの時期ではないが、残されたチャンスが少ないと考えられるので、このままステロイド離脱療法をやろうということになった。
ステロイド離脱療法はこれまでの肝炎治療の常識をひっくり返すような治療方法で、肝臓学の権威をはじめ多くの医者からは否定的な意見が寄せられ、日本の学界ではなかなか受け入れられなかった。海外の学界で高い評価を受け、熊田Drの名
前は海外で有名になり、その後日本でも知られるようになる。
ステロイドとはそもそも副腎が作り出しているホルモンであり、免疫作用のひとつを担っている。それを人工的に作り出して薬にしたものがステロイド剤である。ステロイド剤と言うのは難治性の病気で症状悪化が日常生活の困難を招いたり、病状の悪化をきたす場合に、炎症を抑えるための対症療法として使われるが、決して病気を治しはしない。長期に服用した場合、副腎からのステロイドホルモンが分泌されなくなるという危険性もはらんでいる。
ステロイド剤は即効性があり、とても良く効くが、使いだすとなかなか止められないという困った側面も持っている。急に止めると抑えるために使っていたそもそもの症状の増悪を招くので、止め方が難しく、使用量を少しずつ減らしていき、様子を見ながら慎重に止めなければならない。副作用も結構ある。ムーンフェースって言葉を聞かれたことがあるだろうか(ムーンウォークじゃないぜ)。ステロイド剤の一番典型的で有名な副作用だ。だから、最後の手段として、もしくは暫くの間の時間稼ぎとして緊急避難的に使われることが多い。ステロイド剤を騙し騙し使いながら、何とか生きつないでいる難病の方もいらっしゃる。(次号へ続く)
※ムーンフェイスとは?
ステロイドの大量服用による一つの副作用で起こる顔が丸くなっていることです。正式には満月様顔貌と呼んでいます。一般的には外用薬(塗り薬)では起こりにくく(というか普通の量では絶対に起こりません)、内服のみでの副作用です。<http://osmaga.com/post-1764-1764#iより引用>(編集部)