〈検証Ⅶ〉宮崎口蹄疫は大阪地検特捜部事件と同じで調書捏造・冤罪事件である

宮崎口蹄疫は大阪地検特捜部事件と同じで調書捏造・冤罪事件である 

 

公式には4/20第1例目を確認した宮崎口蹄疫は、7/5の第292例目を最後に8/27終息宣言が出されました。4ケ月あまりの間に37,454頭の牛、174,132頭の豚、14頭の山羊、8頭の羊、76,143頭のワクチン接種動物、合計287,751頭が殺処分となりました。

 

 

@宮崎県当局自身が家伝法違反の疑い

 最初に家畜の異常を正直に県の家畜保健衛生所に通報したのは6例目のモッツァレラチーズをつくる水牛農家です。水牛農家は、発熱や下痢等の症状を呈する水牛の検査を、県の家畜防疫員(公務員獣医師)に3/31要請しました。3/314/14には県家畜保健衛生所が水牛の検体を東京の動物衛生研に送ると水牛農家に言いました。しかし、実際に検体が送られたのは感染拡大が始まりつつあった4/22になってからでした。

韓国や台湾・中国では既に口蹄疫が発生し、17日には都道府県に対して注意喚起の農水省動物衛生課長通知が出されていましたので、3/314/14の段階で県の家畜防疫員が検体を動物衛生研に送っていたなら、感染拡大を防ぐことができた可能性も高く、県の対応は家畜伝染病予防法第13条「届出義務」・14条「隔離義務」違反の疑いが極めて濃厚です。(→水牛農家の日記 フライデー11/12号 1, 2

 

 

@「初発は水牛農家」は冤罪。初発は第7例目の大規模農場の可能性

 この水牛農家の検体は4/23感染が確認され第6例目となりましたが、現在は疫学調査チームや検証委員会によって3/31の検体が陽性であったことから「初発」の疑いをかけられています。ここでは県当局が水牛農家に関する「調書」を捏造したのではないかと思われます。3/314/14に水牛の検体を動物衛生研に送らなかった県の失態(家伝法違反)を隠ぺいした可能性があるのです。

 

しかし水牛農家よりももっと前から感染が始まっていたと疑われているのが、7例目とされている大規模企業経営型農場である安愚楽児湯第7牧場です。この牧場では遅くとも3月中旬頃から感染の疑いがあったにもかかわらず通報せず、感染を隠ぺいしていた疑いが強く、10/19の県と国の口蹄疫検証委員会合同会議でもこのことについて議論がありました。現地取材したジャーナリストの横田一氏も同牧場の現役従業員から直接、3月中旬頃にはこの牧場の牛が既に感染していた可能性を示唆するインタビューをとっています(→フライデー7/2号 フライデー7/30号 1, 2)。

 

この安愚楽児湯第7牧場は725頭の肉用牛を飼養する大規模な牧場で、この牧場の殺処分が行われた4/26、殺処分にあたった約50人の人々は壮絶な光景を目の当たりにすることになりました。殆どの牛が酷い感染状態にあり、現場の人々は上司の指示を仰ぐまでの数時間、手をつけることができなかったということです。中には口蹄疫の潰瘍が治りかけているものもあり、まさにこのことは、ずっと以前から感染していたことを強烈に物語っています。

 

 

@地元紙「旬刊宮崎」と安愚楽牧場の訴訟

 いち早く安愚楽児湯第7牧場の感染隠ぺい疑惑を報じたのが地元紙・旬刊宮崎です。結果的にほぼ間違いのない詳報でしたが、この記事に対し安愚楽は即謝罪広告掲載等を請求する訴訟を宮崎地裁に起こしました。当時は全国の多くの人々が県に同情的でしたので安愚楽も強気に出たのでしょうが、その後地元農家からも初発の真相解明を求める声もあがり、いまとなっては訴訟を起こしたことを安愚楽は後悔しているかもしれません。何故なら、旬刊宮崎の記事はその後次々と明らかとなった事実に符合する内容だからです。この訴訟によって、逆に、安愚楽牧場の家畜伝染病予防法13条(届出義務)・14(隔離義務)違反が証明されるかもしれません。

 

 

@宮崎県畜産試験場が感染拡大の最大の原因か

 宮崎口蹄疫が今回これほどまでに被害が拡大したもう一つの大きな要因が、10例目の県畜産試験場の豚への感染です。豚は呼気中に牛の約3,000倍ものウイルスを放出し、県畜産試験場の日本で初めての豚への感染は、今回、感染ルートとして非常に重要な意味を持っています。しかし、これについても今のところ掘り下げた議論・言及はありません。県は292事例全てに書かれているはずの「調書」を公開していません。個人情報はふせて、調書(=実態)については公表すべきです。→グラフで見る発生戸数の推移(鹿児島大 岡本嘉六教授HPより)

 

 

@国と県の検証委員会が真実を解明することが極めて重要

 今回の宮崎口蹄疫を検証する上での最大のポイントは

県の調書捏造疑惑と

県・安愚楽双方の家畜伝染病予防法13条(届出義務)・14条(隔離義務)違反容疑の解明です。

そして家伝法違反を犯したものが手当金等を受け取ることは補助金適正化法違反です。

補助金適正化法には厳罰があり(29条~335年以下100万円以下)、知事もその対象となり得ます。

 

被害にあわれた農家の方々が、安心して畜産を再開することができるよう、真相究明は急務です。しかし現状では県も国も検証委員会や防疫調査チームをつくってはいるものの、明らかに真相解明からは逃げています。初発の疑いをかけられたままの水牛農家の青年は、冤罪に苦しみながら今厳しい生活を送っています。

 

このままでいいのか。

犯罪の疑惑から目をそらし、夢を追い東京から宮崎へ移住し起業した水牛農家の青年を追い詰めるだけ追いつめておいて、それで良いのか。

このブログではさらに真実の追求を続けます。

 

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