<○><○> (恐ろしい子…!)
はい。
友人から「ガラスの仮面」を薦められて、文庫版を借りて読み進めています。
これめちゃくちゃ面白いの。
読むまではそれこそ、集中線と白目のカットに「恐ろしい子」のセリフ、っていう漫画ってことくらいしか認識してなかったんだけど、読み始めたらなかなか面白い。
北島マヤがすごすぎるのよ。
素顔はどじでのろまでみそっかすな少女なのに、舞台にたって役を演じるとあらば、そこにそのままその人がいるかのような豹変ぶりに、プロも素人も彼女から目が離せなくってしまう。
そんなドタバタと演劇への情熱が見せる波乱万丈なマヤの演劇人生も面白いんだけど、マヤの周りを固めるキャラもいいのよね。
特にライバルの姫川亜弓。
監督の父と大女優の母を持つサラブレッドという、わかりやすくマヤと対照的なポジションにいる亜弓。でもその実は、親の七光りに負けないために誰よりもその実力に磨きをかけてきた一流の努力家、という側面が天性の才能を持つマヤとこれまたいい対比になってます。
普段ならお高くとまって嫌みなキャラになりかねないけど、この亜弓はストイックでマヤのことをただ1人ライバルとして認めているところがかっこいい。
どん底に落ちているマヤにたいして「2年間まっているから絶対に追い付いてきなさい!途中で諦めたりなんかしたら軽蔑します!」とまでいいきる潔さ。本当にかっこいいのよ。
その2人を「紅天女」の候補として大々的に発表した月影先生も、最初は演劇に取りつかれたヤバイ人かと思ってました。
確かに演劇に取りつかれてはいる気がするけど、彼女ほど演劇に生きて演劇に生かされている人はいないのではと思えちゃいます。
亜弓やマヤにとって、厳しくも素晴らしい指導者なのは間違いない。
いつも厳しい表情をしている先生も、素のマヤのすっとんきょうな行動に、ギャグ顔になって冷や汗書いてるのは正直面白いし癒し。
他にも速水真澄とか桜小路くんとか麗とか、個性的なキャラがたくさんいて、全然飽きないの。
あと何が面白いって、作品ないで上演される劇がちゃんと面白いってこと。
正直舞台演劇って数えるくらいしか多分みたことなくて馴染みがなかったんだけど、漫画だと解説混じりに美味しいところを買い摘まんでいることもあってとても読みやすい。
個人的面白演劇は、コンクールでマヤが一人芝居をした「5つの青い壺」はどんな展開になるのか気になってわくわくしたし、亜弓とマヤのダブルキャストの「奇跡の人」は亜弓との関係や亜弓の母・歌子との熱演も相まってちょっと泣きました。
今はまだ、野外劇場で「真夏の夜の夢」を大成功させたのち、マヤはひとり亜弓の相手役オーディションに向かう、といったところで終わってます。
続き読むのが楽しみなの久しぶりで楽しい。
これほんとオススメ。
俺がオススメしなくても十分評価されてるけど、今でも面白いと思えるから読んだことない人はオススメ。
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