~すてっぷ ばい すてっぷ~

川の流れに、雲のながれに身を任せるように

グレース・オブ・ゴッド 告発の時

2020年07月18日 12時40分05秒 | 映画

見てきました。

 
 
※ネタバレ注意
 
※ネタバレ注意
 
※ネタバレ注意
 
 
 
終始もやもやするとともに「これが現実か」とも思える内容でした。
 
宗教的権力者、つまり司祭や神父などの聖職者による未成年者への性的虐待の告発、が主題。
 
未視聴ながらも「スポットライト世紀のスクープ」を思い出しました。
あちらはジャーナリストたちが主人公で、ジャーナリズムのプライドにかけて真実を暴く!っていう内容だったと思うけど、本作「グレース・オブ・ゴッド」は、実際の被害者、つまり少年時代に神父から性的虐待を受けた当人が、数十年の沈黙を破り、神父に、教会に真実を突きつけるお話。
 
 
このはなし、今も裁判が続いてる事件だそうです(プレナ神父事件)。
 
 
ストーリーとしては悪をただすために巨大な組織へ宣戦布告!って感じだけど、その実態はなんともモヤモヤ。
 
被害者たちの数十年も苦しいんだよね。
みないふりをして記憶を封印する人、このことがきっかけで結果的に命を絶った人、被害者として支援したいが世間体もあるため声高に叫べないこと、などなど。
 
いざ被害者の会を発足したはいいけど、発起人のフランソワがどちらかというと過激派で、穏健派(?)な会の仲間とはちょっとギクシャクしたり。この辺も絶妙な温度差がリアルでしたね。
 
神父本人に罪を認めさせ権利を剥奪する、教会にたいして不誠実であったことを認めさせる、まではまあわかりますが、見て見ぬふりをした人たちも同罪だ、我々は洗礼を撤回する、なんてところまでいってしまうと、本質を見失ってはいないかと思ってしまいました。
最後のほうの「パイロット雇って教会上空にスモークで宣言しよう!」のあれが暴走しなくてよかった。
 
 
 
あと何がモヤモヤするかって、当の神父の「私は悪くないんだ」みたいな態度ね。
いや、口では「やってはいけないことをした」と罪を認めてはいるものの「私は病気だったのだ」なんていう始末。
いや、それは、性的虐待をしていい理由にはならんだろ、と。
当事者ではない自分は怒りを通り越して呆れましたね。こんな人が神の教えを説くってどういうことよ。
被害を受けて、長年苦しんで、やっと過去の闇から解放されるために行動したのに、あっさり罪を認めただけでなく開き直りのような態度をとられたら、殺してやろうかって絶対思うと思うの。
あのときのアレクサンドルの表情がなんともいえなくてね。
怒り、失望、落胆。一言じゃ言い表せない色んな感情が渦巻いているように思えました。
 
 
 
 
相変わらず、日本にいると、宗教観というものが薄ぼんやりしてしまいますね。
いや、単に能動的でないだけかもしれないけれど。
 
 
なんて◯◯の息子がなんかいってみたり。

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