午前8時の開門と同時に境内に入り、大方丈で坐禅を組む。9時半までの1時間半。
この間、横田南嶺老師の「伝心法要」の提唱を聞いている。テキストが配られるが、字面を追うのでは姿勢が崩れるので、最近は耳で聞くだけにしているが、その方が記憶に残るようである。
生き方や教訓めいた話が中心の、偶数日曜日に開かれる説教座禅会には毎回、500人を超す人が集まって熱心に老師の話に耳を傾けているが、厳しさの漂う奇数日曜の座禅会は5分の1ほどの人数に減ってしまう。
それでも昨日は大方丈に用意された座布団はほぼ満杯だった。
今、禅ブームなんだそうである。
そう言われれば去年の8月から通い始めた座禅会の参加者は1年経って、やはり増えているように思う。当時は参加者でいっぱいになるというような事はなく、せいぜい7~80人もいれば、今朝は多いな、と感じたものだ。特に寒さが増す真冬は極端に減ってしまっていた。
それが満杯に近づいているのだから、やっぱりブームなんだろうと思う。
円覚寺では土曜日の夕方から日曜日の昼ころまで、居士林に泊まり込んで行う土日座禅会というのも開いていて、昨日はそれに参加した高校生らしき10人余りも加わっていた。
しかし、彼らは慣れない体験に足も悲鳴を上げ始めているのか、満足に坐禅を組めないようでもあり、座りながら寝てしまっているのか、身体がぐらぐら揺れてしまっている者もいて、若いだけに精根が座っていないと見える。
それなりに覚悟はしてきたんだろうが、想像を絶したのかどうか。体験してみようと思ったのは感心だが、わずか24時間足らず、もう少ししゃんとしなければいけない。
禅がブームになっている背景には、禅宗、特に臨済宗の取り組みも無縁ではないように思える。
横田老師が「何とかと禅も高いところに上るんです」といって笑わせて参加を呼び掛けていたが、去る6月には東京の六本木ヒルズの高層階で、禅に関するシンポジウムや講演会、体験座禅会などを開いて積極的にアピールしたり、各種催しを開いて禅に親しんでもらおうという努力が見られるのだ。
加えて、「ビジネス禅」とか「仕事に効く禅」「禅が教えるビジネス思考法」などという本まで出版されているそうだ。
そして何よりアップルの故スティーブ・ジョブズが熱心に取り組んでいたことも影響しているらしい。
アップル製品の簡素なデザインの美しさは禅から来ていた!?
特にアメリカでは60年代70年代の禅ブームの再来だそうで、学生やビジネスマンを中心に人気が高まっているという。
ドイツのブンデスリーがのクラブでレギュラーとして活躍しているサッカー日本代表キャプテンの長谷部誠も禅に魅かれている1人なんだそうだ。
坐禅を組むのは砂漠の真ん中でもどこでもできるからネ、ドイツでも足は組めるのだ。
東京から1時間離れている鎌倉と言う地理的環境が影響しているのか、円覚寺では中高年の参加者ばかりが目立ち、若い人の姿はほとんど見かけない。エリートサラリーマンに日曜の午前8時は早すぎるのかもしれないが、ゴルフなら4時起きしてでも出かけるんだろうに…
はっきり言って、ブームと言われるときに禅寺に通うのは主義に合わないんだけど、こればっかりは自分の責任じゃあないからな。
端っこでひっそりと参加してよ~っと。
我が家で収穫したアケビ。まだいくつか、取らずに残してある。中の実は虫が這いまわっていたので捨てたが、割れていない実の方は上品な甘さでとても美味しい。
肉みそやキノコを挟んでカンピョウで巻き、フライパンで焼いたアケビ。アケビの皮がほんのり苦くて、酒の肴に絶好。食べ方を教えてくれた山形の友人によれば、山里の人しか食べないという。わが家も山里のようなものである。
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