わが家に着いた姫は生まれたばかりの長女のところの若殿のところに飛んで行き、嬉しそうな顔をして「かわい~」を連発。
こわごわ頭をなでたり、ほほを寄せるしぐさをしたり、さすがに母性の片りんをのぞかせてご満悦であった。
気温も初めて20度を超えたようでポカポカと暖かく、近くの浜辺まで出かけて行って波打ち際で水遊びをしてきた。
妻が入学祝いにウインドブレーカーでも買ってあげたいと言うのでパタゴニアに寄ったところ、紺地に白とピンクの水玉模様の薄手のものがあり、姫は一目で気に入ってしまい、これをプレゼントした。姫は目下、水玉に目がないのである
風呂もいつもの通りじいじと入って水のかけっこで少しはしゃぎ、夕ご飯はピザや肉を食べ、人生ゲームや坊主めくりで遊んで、じいじの家に来るいつもと変わりはなかった。
しかし、4月になれば1年生とはいえ、母親から離れて初めての一人旅である。
覚悟は決めてきたんだろうが、何気なく振舞っていても、寝る段になってやはり母親が恋しくなったと見える。
添い寝してあげたが、姫はなかなか寝付かれないようであった。
寝息が聞こえたと思った後は覚えていない。こちらも寝入ってしまったらしい。
気がついたら、姫がシクシク泣いている。時計を見ると12時を少し回った時刻である。
寝床に入ってから2時間半程度しか経っていない。
眠りが浅かったんだろう、目が開いてしまい、隣を見るといつもの母親の姿はない…
しかも、いつもとは違う見覚えのない部屋である。
慰めれば慰めるほどに涙を流し「ママ、ママ」と母親を恋しがる。
しかし、聞きわけがないというわけでもない。
距離が開きすぎていることを理解しているのである。泣いてもすぐに会えないことを知っている。
それを分かっているからか、鼻水を垂らしながら嗚咽をこらえている。心細さに耐えている。
小さいながらに健気なんである。でも恋しいし、どうしたって悲しい。
ティッシュの山ができ、3、40分ぐずった末に、突如、じいじにいたずらを始めた。布団をはいでみたり、ベッドから落そうとしたり。
これに付き合ってあげると、声をあげて笑い声が出始め、逆襲すると大きな悲鳴を上げたり…
深夜の大騒ぎとなってしまった。
辺りは寝静まる頃である。近所に声が漏れたかもしれない。
こんなことを、ばあばに叱られても30分以上も繰り返した揚句、疲れたのか、気が済んだのか、ようやく寝息を立て始めた。
しばらく寝息を聞いていたが、私が4時ころに起きだすまで何事もなかったから、今度は大丈夫だったらしい。
姫はこうして一段ずつ成長の階段を上がって行くのである。
暖かかったので海の水も心地よい。稲村ケ崎の波打ち際でしばらく遊ぶ
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