平方録

下駄の雪じゃぁ、あまりに悲しいぜ

アメリカの核の傘の下でのうのうと寝そべりながら、一方で核兵器の廃絶を被害者面して叫ぶ。
こういう自己欺瞞を含めた不誠実な態度からは一刻も早く足を洗うべきなのだ。

国連総会で日本が提出した核兵器廃絶決議が156カ国の賛成で採択されたんだそうな。
日本は毎年こういう決議案を判で押したように提出しているようだけど、昨年まで共同提案国に名を連ねていたアメリカとイギリス、それに決議に賛成していたフランスがそれぞれ棄権に回ったんだとか。
反対したのは中国、北朝鮮、ロシアで、東アジアに限って見て見ると、これに棄権した韓国を加えて、この地域では核兵器廃絶などはるか彼方の遠い世界のことのようにしか思えない。

この結果に外務省が衝撃を受けているんだって。
そのココロは「核なき世界」を提唱するオバマ政権になった2009年以降毎年、共同提案国に加わっていた“同盟国・アメリカ”の棄権、だそうだ。
アメリカなどの核保有国が棄権に回った背景には、決議案が核の非人道性を強調する内容を含んでいたためだろう、というのが外務省の見立てであるらしい。
バッカじゃないの。そもそも近代兵器そのものが圧倒的な火力で人間を殺す道具なのである。わけても大量殺りく兵器の核兵器が非人道的兵器だということは、ヒロシマ、ナガサキを見れば一目瞭然じゃやないの。
それが、なにを今さら!

そもそも“二の字二の字の下駄の雪”じゃぁあるまいし、いつまでアメリカの尻っぺたにくっついていく積りなんだ?
同盟国だなんて、お互い調子よく言い合っているけれど、実際のところはクールなもんだぜ。
それを、あくまで日本の立場を理解してくれている、なんてノー天気なのは日本の外務省の独りよがり。思い入れが強すぎて、冷静な判断が出来なくなっちゃてるのさ。
アベなんちゃら政権もまさに同様。その陥穽に落ち込んでいるのにも気づいていない。
何が衝撃だ。これが現実なのさ。

挙句の果てがアメリカの戦争を手助けするための戦争法案の強行突破で、立憲主義も平和主義もあったものじゃない。そんな大切なものが白昼堂々と蹴散らされてしまったんである。

もう、欺瞞に満ち溢れた態度は捨てて、核の傘から出ようじゃないの。
核の傘から抜け出して、憲法9条を掲げて日本独自の草の根の貢献を積み重ねながら、世界で一目置かれる国になろうじゃないの。名誉ある地位を築こうじゃないの。

この選択をした場合には、もちろん、自国を守るためだけのセルフディフェンスの備えだけはきちんと整える。
万が一、降りかかる火の粉があるのなら、それを振り払うだけのための備えがあれば、それで十分。
一方で、飢えと貧困を地上から消し去るための、人道的な貢献を国策として展開するのさ。

こういう考え方は、敗戦後の日本人ならだれでもが思ったことだと思う。
いわば、日本の原点なのだ。

冷戦が終わり、我が世の春を謳歌していたアメリカにまずその第一撃が加えられたのは皮肉でもなんでもない。
テロの時代に入ったんだそうである。
今度はテロとの戦いだってさ。
テロが生み出される背景をきちんと直視しないで、やみくもに鉄砲撃って爆弾落として、それで平和が訪れるなんて、だれも信用なんかしてないぜ。

だからこそ、日本は戦争に敗れた時に肌で感じ、心底願った「平和国家の建設」という日本の原点に立ち返った道に、改めて戻るべきなのだ。
誰でもが平和で豊かな暮らしを夢見る。日本は曲がりなりにも実現してきた。
今度はその道の辿り方を、飢えと貧困に苦しむ国々で生かしていけばいい。

こういう考え方を政治信条として掲げて活動する政治家が1人でもいい、現れないものか。
高い理想と揺るがない信念、強固な意志が必要だろうけど、今の時代にそういう大きなスケールを持った人物は絶滅しちゃってるのかね。





近所の公園の散策路にはカラスウリが鈴なり…
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