城跡も神社境内も、雪景色の中ではひときわ厳かに感じられるから、寒さは感じるものの印象としては悪くない。
謙信公にしても鷹山公にしても、その銅像に雪をまとっているのだから、見た目はよほど良いはずである。
神社からさほど離れていない所にある上杉家歴代藩主の墓所を訪ねる。
ここも雪をまとった杉木立の中に謙信公を筆頭に歴代12代の藩主と鷹山公の19歳で亡くなった世子を加えた13の廟が整然と並んでいて、上杉ファン、歴史好きにとっては必見の場所の一つである。
今回の旅の目的は去年の同じ時期にルーツを調べにやってきて、合間に食べた米沢牛のスキヤキの美味しさに、来年はぜひ妻を連れてきてあげようと神輿を挙げたわけで、グルメツアーなのである。
米沢郊外の小野川温泉には温泉の熱を利用して栽培している「豆モヤシ」という、長さ15センチもある針金のように細くて、なおかつシャキシャキと絶妙な食感を持つモヤシがあって、これの入ったラーメンを食べに行く。
例年だと7、8人は入れるかまくらが並び、その中でラーメンをすするのもオツなんだそうだが、建っていたのは雪不足で1つだけ。それも強度不足なのか使用不能状態だった。
かまくらの中と違って店内では地酒がにっこりと微笑みかけ、隣の豆腐店が作る薄緑色の冷奴もあり、この微笑みと手招きに素直に応じたのだから昼飯から実に良い気分である。
林泉寺にある直江兼続の墓所も訪ねたが、奥方のお船さんと同じサイズの墓石を仲良く並べた珍しい墓だった。
兜に「愛」を文字を掲げた型破りの武将の面目躍如といったところか。
夜は今回の旅の目的、米沢牛のスキヤキを城跡に建つ上杉伯爵邸の座敷で食べる。
昨夜は米沢名物ABCのうちのC、つまり鯉料理を堪能したが、今夜は待望のB。つまりビーフ、米沢牛の登場である。
プロレスでいえば、本日の、いや、今回のメーンエベント!
1年ぶりの米沢牛の美味しさは改めて書くまでもないだろう。何よりも、食べ物に関しては味を描ききれる表現力も持ち合わせていないんである。
建物の豪華さと落ち着き、部屋から眺める雪景色などなど、この夜のすべてが味を引き立ててくれた。おかげで、肉の追加までする豪勢さだったということだけ書き添えておこう。
ところで積雪の少なさ、地元の人に暮らしやすさから見れば結構じゃあないですか?と尋ねたら、確かにそういう部分もあるが、建設会社や除雪作業に従事して生計を立てている人が案外大勢いて、その人たちが悲鳴をあげているんだそうな。
なるほど、一つの歯車が狂うとそれに影響される人が必ず出てくるということですかね。
ここでは、雪は大いに積もるべし、の存在らしい。
上杉神社と上杉伯爵邸
上杉家歴代藩主の墓所
小野川温泉の豆モヤシラーメン。さっぱりしたしょうゆ味で細くて縮れた麺とモヤシの食感が絶妙。
甘さを感じさせる冷奴と地酒。
直江兼続夫妻の墓所。
米沢牛のスキヤキと伯爵邸の玄関。
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