駅の脇に架かる聖橋からの眺めは総武線、中央線、地下鉄丸ノ内線、神田川がビルの谷間にそれぞれ重要な位置を占めていて、都会らしいダイナミックな光景で好きである。
新しいメンバー1人を加えた初句会は総勢9人。風はやや冷たいが、この季節は致し方ない。その分、空は抜けるように青い。
橋を渡ると昌平坂学問所の聖堂である。
この門をくぐって中に入るのは初めてで、さすがに江戸幕府の肝いりだけあって立派なものである。
時節柄、合格祈願の絵馬がたくさんぶら下がっているが、最近の絵馬は2枚重ねになっていて名前や志望校は外から見えないようになっている。
個人情報保護とやらのなせる仕儀のようで、そんなもんかね、と思わず慨嘆してしまう。
数分歩くと神田明神。
神田、日本橋、秋葉原、大手町、丸の内、旧神田市場、築地魚市場など108か町会の総氏神だという。
そんじょそこらの神社とは格が違うってぇもんよ。
本殿右手にスカイツリーが見えるところなんぞは神田の生まれの江戸っ子の目にどう映っているのか。自慢か、はたまた…
さらに数分、坂を上ると湯島天満宮。
「切れるの別れるのって、そんなことは芸者の時にいうものよ。私にゃいっそ死ねと云ってくださいな」
ご存じ、泉鏡花の「婦系図」、これをもとにした映画「湯島の白梅」のお蔦が早瀬に向かって、別れたくない心情を吐露する見せ場がこの天満宮の境内である。
梅まつりの最中とあって、境内には屋台がずらりと並び、猿回しも出て、江戸のにぎわいもかくやと思わせる賑わいぶりである。
海沿いの町でのんびり暮らしている身に、何たって江戸東京は華やいで見える。
白梅やお蔦姐さんワンピース
初午やいなりずし食う暖かさ
初午や彼の山々は雪景色
雪深しそれにつけても湯の熱さ
節分会善男気取って豆拾い
ちなみに「天地人」の「天」は『春寒や神馬も日向さがしけり』。こう見ると3つの熟語が効いていて妙である。
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聖橋からの眺め
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湯島の聖堂
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湯島聖堂の屋根
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神田明神
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神田明神とスカイツリー
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湯島天満宮
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湯島の白梅