自転車に乗って例の太平洋岸自転車道を西に向かう。
化石燃料を使わないから燃料代が不要で経済的。何より排気ガスを出さない。激しい動きを伴う運動と違って中程度のエネルギーで済むから長時間の継続が可能だ。こういう運動は有酸素運動と呼ばれていて、心肺機能の強化になる。血管の強化にも効果があるから、冠動脈疾患の危険性も減少する。つまり、悪玉コレステロールや中性脂肪を減少させ、安静時血圧の低下ももたらす。…なんだって。楽しめて身体に良くて、地球の自然環境に負荷をかけない。
この日から帰省ラッシュがはじまり高速道路では各地で長蛇の渋滞が起きていたんですな。こちらはスーイスイ。
湘南海岸に出てみて「へー」と驚いた。江ノ島を正面に見て右手。この浜は片瀬西浜でかつては「東洋のマイアミビーチ」と呼ばれた。毎年夏になると新聞の１面に波打ち際や砂浜が人波で見えなくなった空撮写真が判で押したように掲載され、それを見てまた人が押し掛ける、というような滑稽でもあり、いじましい庶民の光景がここでは見られた。ここ数年はそんな写真も掲載されなくなったが、５、６年前までは見たような記憶がある。
ところが！ 旧盆初日の１３日の「マイアミビーチ」はがんらがら。これほどとは思わなかった。閑古鳥。みんな高速道路に行ってしまったようである。
途中平塚で燃料補給。昼食時にこちらに来ると必ず寄る「花水ラオシャン」の「タンメン」。これが絶品！ 癖になる味！！ この味については別の機会に書く。
旧吉田邸を抜け、大礒ロングビーチ脇の畑地帯ををすり抜けて二宮へ。しばし国道１号を進むと「史跡 東海道一里塚の跡」「江戸より十八里」という石柱が目に留まる。しばし眺めて休んでいると、ヘルメットをきちんとかぶった小学生の男の子とお父さんが自転車に乗ってやってきた。夏休み、親子で冒険しているんだ。そして社会科のお勉強。麗しい光景ですな。子供時代にそんな記憶はない。親になってしてあげた記憶もない……
３０メートルほど離れた道端に「日本橋から７５Km」と書かれた現代版里程標があった。我が家からぴったり３５キロ。今日はここで引き返す。
国道１３４号線の花水川にかかる花水川橋を渡っていて自転車を止めた。川辺で二羽の黒い鳥が水の中に立ったまま広げた羽をひらひらとゆすっている。その周囲には少し小型の真っ白な鳥が７羽。ひらひらを見物しているかのように佇んでいる。どうやらカワウとコサギらしい。まるで、ダンスを踊っているカワウをコサギたちが見物しているかのようである。長閑。１０分ぐらい見ていたが、づーっと続いていた。
調べたところ、ウ類の翼羽は脂分が少ないから水をはじかない。で、長時間同じ姿勢を保ったまま濡れた翼を広げて小刻みに震わせながら乾かす習性があるんだとか。餌は水に潜ってとるのに、不便だなぁ。進化の過程で忘れちゃったの？ 人間には脂ぎった輩がたくさんいるんだけれどね…
「マイアミビーチ」には閑古鳥がカンコカンコと鳴いている…
サイクリングロードは台風11号の強風にあおられた砂で埋まり、押すしかない
「史跡東海道一里塚の跡」「江戸より１８里」 起点はどこ？ ♪お江戸日本橋七つ立ちー♪だなぁ
こちらも日本橋起点の現代版里程標 一里塚は18里だから72Km サバを読んでいるのはどっちだ？
国道１号沿いの大礒の鴫立庵 西行法師の「心なき身にもあわれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮れ」にちなむ
まるでカワウのダンスダンスダンス コサギが見守る
花水川の中に２羽のウが見える 背景の山は広重の東海道５３次「平塚宿」に描かれている山（高麗山）
