平方録

空からの恐怖

朝から晴れ上がり、小春日和となった昨日は汗ばむほどだった。
ほぼ8カ月ぶりのゴルフはスコアはともかく、天気が良くて気持ち良かった。
まだ会社に残っている同僚に誘われたとはいえ、仕事を離れてやるゴルフだからなおさらである。

ここのクラブハウスで提供される昼食は、漁港が近いこともあって目の前の海で獲れた魚がおいしい。
久しぶりにアジの握り寿司を注文したが期待にたがわず美味しかった。
7カンあって生ビールを飲みながら食べるのに絶好である。
仲間の一人がシラスパスタを注文したところ、パスタが隠れるほどたくさんの釜揚げシラスが上に乗っていてびっくりした。真冬の富士山並みである。
町の食堂やレストランでこうはいかない。

このコースは年度いっぱいでの閉場を迫られている。
人家がコースの際まで接近してきて、時たまボールが飛び込むようである。
ボールが飛びださないようにネットを高くしたりしたが、限度があるらしい。

そもそもこのあたり一帯は砂地の松林であり、結核のサナトリウムや別荘が点在する場所であった。
住宅地の中にゴルフ場ができたわけではない。
ボールが飛んでくるリスクは分かっていたはずだが、人間というのは勝手である。しかし、一部の人間しか利用しない施設だから分が悪い。
しかも、土地の大部分が県有地であることから、好都合とばかりに県に苦情を言うようになった。
行政は面倒を避けたがる。とどのつまりの閉場話である。

近くの大和市にある旧日本海軍の厚木飛行場のケースははるかに深刻である。
マッカーサーが降り立った飛行場で、戦後は米海軍の空母艦載機の訓練飛行場として使用されている。
問題は艦載機の夜間離着陸訓練である。
滑走路を空母の飛行甲板に見立てて着艦と発艦を繰り返す訓練。ものすごい爆音被害がまき散らされるのである。
日没から午後10時過ぎまで繰り返される。勉強や団らんは埒外である。具合が悪くて寝ていたりしたら、具合はさらに悪化する。

ものすごい騒音――というのは実際に近くに身を置けば、だれでも仰天する。
五臓六腑は痛いほどに震えるし、耳を手でふさいでも騒音は脳天を突き破ろうとする。
エンジンを全開にして急上昇を繰り返すのだから、あんな音になるのだ。体験してなくては分からない、恐怖を感じるすごさである。

かつては周囲に人家などなかったところだが、今やフェンス際まで住宅が密集しているところは、ゴルフ場と似ている。
裁判所は「住民の騒音被害は受忍限度を超えている」と何度も認定し、賠償金の支払いは認めてきたが、飛行差し止めには至っていない。
1200キロも離れた玉砕の島・硫黄島に一時移されたが、往復2400キロの余りの遠さに米軍が悲鳴を上げ、山口県の岩国基地への移転が決まり、瀬戸内海の沖合に滑走路も増設されたが、オスプレイが時たま使っているだけのようで、移転は進んでいない。

メディアは報じない。移転話はどうなってしまったのか。特に地元のメディアが関心を示さないのはいかなる故か。
歌を忘れたカナリアですか…。そんなメディアなら捨てられてしまえ。
基地問題は沖縄だけの専売特許ではない。

話は思わぬ方向に飛んでしまった。でもこういうのはOBとは言わない。



コースから見える富士山


相模湾で獲れたばかりのアジの握り
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