テレビや防災無線からは大雨警報をはじめ、気象に関する情報が矢継ぎ早に流れ、これから先いったいどんな大荒れな天候になるのかと、心配し始めた矢先だった。
それまで吹き荒れていたこの季節には不似合いな南風は相変わらず強く吹きすさんでいたが、ところどころで雲が切れ始めて陽射しが届いたかと思うと、西から青空が現れ始め、それが見る見るうちに満天に広がって行ったのには驚かされた。
予報では大荒れの天候は1日中続き、翌日まで続くはずだったのである。
なにか、キツネにつままれた思いだが、好天への好転は願ってもないことである。
しかも日が照り始めるとともに、気温はぐんぐん上昇していく。
セーターなぞはとても着ていられず、脱ぎ捨ててシャツ1枚と言う師走にあるまじき姿である。
家に閉じこもっていても能がないし、海は大荒れのはずである。
泊まりがけで遊びに来ている友人夫妻誘って荒れ狂う海の見物に行ってみた。
坂ノ下から国道134号に出て西に向かったが、案の定、いつもは穏やかな相模湾はしぶきを上げて荒れ狂い、行く手が霞むほどで、穏やかな湘南の海しか知らない友人夫妻はびっくりしていた。
この頃になると、強風で全面的に運転を中止していた江ノ電も運行を再開していてたが、客の姿はまばらである。
当然と言えば当然だが、いつもは渋滞で名高い134号の、わけても鎌倉高校前駅の踏切付近も車の姿が少ないのでスイスイと抜け、坂ノ下から江ノ島入り口まで、あっという間に走り抜けてしまった。
荒れ狂う海の上に架けられた橋を渡り、島の奥のヨットハーバーの防波堤に登ってみる。
駐車場に車は何台か止まっていたが、人影はほとんどない。
車のドアを開けて外に出た途端、水しぶきが降りかかってくるほどの場所なのだが、まさにその荒れ様を見物に来たんである。
防波堤の先端に建つ白亜の灯台のてっぺんに届くくらいの高さにまで波しぶきがあがり、それはそれは豪快であり、壮観でもある。
こうして真っ青な青空のもとで、次から次に押し寄せる波が砕け散って、真っ白な水しぶきを高々と上げる様が延々と繰り返される光景は一種のエンターテイメントでもあるのだ。
これで高波でもやってきて、波にのまれたとしても自業自得である。
馬鹿だチョンだと、世間からは笑い物にされること請け合いだが、一応その辺りは気を配り、それほどのこともあるまいと判断しての行動である。
気温は益々上昇し、昼過ぎには車の温度計が外気温25度を示していたから驚く。
25度以上は「夏日」である。師走の夏日と言うのは、もちろん初めての経験である。
これはあんまりではないのか。いったいどうなっちゃってるんだろう。
防波堤にぶつかった波は次々に豪快な水しぶきを高々と舞いあげる
強風と高い波には勝てないと見えて、カモメの群れは揺れるヨット桟橋の上で大人しくじっとしている
まだ紅葉しきっていないわが家のナンキンハゼはあらかた吹き飛ばされ、一部は庭に絨毯を広げている
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