同居して20年。
普通の牛乳パックが、開けられなくなりました。
(思い出せば 3年前まで実家で一人暮らしていた母は、「おいしい牛乳」が登場したら、そればかり買うようになりました。、初めは単に味が気に入って変えたのかな?と思っていましたが、キャンプは開封しやすく こぼさずにコップに注げる点が良かったからでしょう)
スライスチーズの一枚ずつ包装されたフィルムが捲れません。
ヨーグルトも納豆の蓋もも開けられません。
菓子パンの袋もハサミがあっても 開封出来ません。
ボールペンでも字が書けなくなりました。
筆圧がないようです。
指先に力が入らなくなったのですね。
しかし、お風呂の浴槽へ跨ぐ事は出来ます。
一人で入浴、着替も可能なのです。
寝起き時は、朝か夜か分からない時もありますが、
それでも、お口は達者。
今日も、「私は結核(若い頃)も自力で治したし、この年になるまで 病気らしい病気にかかったことがない」
と、いつもの自慢話が始まり 夫は、
聞こえる程度の声で
「だから 子供の時間泥棒になるほど長生きしているんだ」と、呟いていますが、
聞こえたのか聞こえないのか?
飄々と、自室へ戻って行きます。
夫以外の息子二人のことは 殆ど話題にもしなくなりました。
息子の方(特に長男)が 病気持ちだからでしょう。
それとも この年になると 子供への思い入れより、
「お母さん」への想いが勝るのでしょうか。
独り言でも、
「お母さん まだ生きてますよ」と、呟いている大きな声が聞こえています。