かくれんぼの雑記帳

前向きに生きるためのエンディングノートとして、日々の喜怒哀楽や驚き、感動、考えたことを記録します。

本:「岩田さん」岩田聡はこんなことを話していた。

2021-05-30 14:31:50 | 
任天堂の社長を務められた岩田聡さんの発言をまとめられた本を
図書館で借りて読んだ。

この本には印象深い言葉が多いのだが、
「テレビと同じくらい、ゲーム機が日常的に電源を入れられる存在になることが楽しみだ」

という言葉がある。また、別のページでは、

「オンラインゲームはどうしても基本的に強者のための場所で、そうである以上、
入口のところで多くの人が躊躇してしまう」
「親が自分の子どもに安心してオンラインの遊びを渡せるにはどうしたらいいだろう」
「ハラスメントのない世界はどうやったらできるだろう」

という言葉も。

岩田さんは6年前に早世しているのだが「どうぶつの森」はその理想を
両方実現しているんだなと。

本:「逆ソクラテス」

2021-05-13 19:09:27 | 
伊坂幸太郎氏の小説。
氏の小説は「ラッシュライフ」以来、結構拝読させていただいている。

図書館で永らく予約していた本が届いて、連休中に読了した。

さすが、プロの作家のストーリー展開。冒頭の入り方から引き込まれるし、
子どもが主人公になった小説は初めて書かれたそうだが、そうは思えない
強烈な現実感と、ムダのない心地よい展開の連続。

すごいの一言。自分には絶対に真似のできない職業だな、と。


本:「かがみの孤城」

2021-05-03 21:00:34 | 
辻村深月さんの作品。本屋大賞か何かになっているはず。
図書館で2~3回借りて、ようやく連休中に読了。

内容的には雑駁と思える進行もあって、途中で展開も読めてしまうけれど、
結末に向けてのたたみ方はその想像の上を行っていた。

いい作品で内容も良かったけれど、どことなくプロっぽくない印象が
あったのも事実。



小説:尾崎世界観「母影(おもかげ)」

2021-01-16 13:31:15 | 
まだ単行本になっていない、尾崎世界観さんの「母影」を、
図書館で月刊誌を借りて読了した。

文章が拙い私では、この小説のすごさを伝えることができないが、
いったい、どういう思考からこのような瑞々しい文章が生み出されるのか。

主人公は子どもで、母との繊細な関係を描いている。
様々な色や光や影や、主人公の心の機微が文章から伝わってくる文体。
「そして父になる」的な、誰もが驚く特別なイベントが起こるわけではないところが
本物の余裕を感じさせる。

文章でそういうことまでを読者に伝えることができる「作家」
という職業はなんてすばらしいのだろうか。

尾崎さんの私小説なのだろうか。あまり知らないので、自分の知っている
ことから推測して、一部には作者の子どもの頃の経験が反映されているんだろう、
と想像できる部分(電車に乗って都心に行くシーンなど)もある。

長編ではない微妙な長さなので、芥川賞の選考ではそこも含めて
どういう評価をされるのか。
もうすぐ発表だが、とても楽しみだ。