OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

降る雨を硯に集め

2014年10月27日 | 文化・芸術
先生は降る雨を硯に集め、墨をすって「あいたかったです」と書いてくださった。

とは、若狭の若州一滴文庫で、筑紫哲也さん、灰谷健次郎さんらとイベントを開いた時の石川さゆりさんの思い出。
今日の朝刊より、である。

先生とは、水上勉。
心筋梗塞で倒れたあとの話であるというから、水上勉という人は、いつも、ダンディに決まる。

私も二十代の頃、若州一滴文庫を訪ねたことがある。
水上さんと親交のあった私の俗の師匠の音頭取りでみんなででかけた。
その時、水上さんが会いたかったのは、水上作品を舞台で演じる女優の野村さんだったんだろう。
私も生意気に「芸術とは」などと訊いて、生意気坊主めと、返されたことは、ずっと前にここで書いたかな?

上昇志向ばかりに目を向かされる今、水上勉の境遇からの目線で書かれた作品を、しっかり読んでみようと思うこの秋である。
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