





純粋な作品作りはなかったこの一カ月。
作品作りは、そういうものでいいと思っている。
書いたのは手本や見本や免状などだが、作品作りと、そう遠くない仕事でもあるのである。
一番違うのは、心の在り様であって、近くて遠いのである。
教えを乞う一日があったり、書ばかりでなく出張して和紙も教える日があったりした。
出張先は横浜歴博。紙漉きだけでなく、原料作りから和紙の講義までで、ここの体験を企画する歴博はすごい。
そのなかで和紙作り歴が一番長い私は、小間使いである。
夜は旧知の学芸員たちとの宴であった。偉くなって移動になった学芸員も仕事を終えてから、そこにわざわざ出向いて来るというのは、うれしいではないか。
歴博の企画展の民具の造形に心動かされたり、若い学芸員から、難解で読めない和歌資料を渡され頭をひねったりして、2日目には日本酒好きの旧知の学芸員とさしで一献。山形、宮城、広島などを訪ねる。広島の亀齢は初。きれがあって美味し。
そういう心持ちの遍歴が作品作りのベースになっていくのだろう。ウイスキーより日本酒の身体である。
うどんは修行後。花はノ―ションで。
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