高齢者介護施設で対策をとるべき主な感染症
インフルエンザ
- 主に冬季に流行する。急に高熱が出るのが特徴で、呼吸器症状のほか、筋肉痛、全身倦怠感等の全身症状も強く、これらの症状は5日ほど続く
- 重症化すると命にかかわることもある
- 予防策としては、入所者と職員にワクチン接種を行うことが有効
ノロウイルス感染症・感染性胃腸炎
- ノロウイルスは、冬季の感染性胃腸炎の主な原因
- 感染した入所者の便や嘔吐物に触れた手指で取り扱う食品等を介して、二次感染を起こす場合が多い。おむつや嘔吐物の処理に注意する
疥癬
- 早期発見に努め、適切な治療を行うことが重要
- 皮膚の掻痒感があり、その皮膚に赤い乾燥した皮膚の盛り上がりや線上の皮疹が認められる場合は、直ちに皮膚科の診察を受ける
- 重症の疥癬(痂皮型疥癬)の場合、特に感染力が強いため、隔離対応する
腸管出血性大腸菌感染症
- 大腸菌のうち、特に出血を伴う激し胃腸炎等を起こすのが、腸管出血性大腸菌
- 激しい腹痛を伴う頻回の水様便または血便がある場合には、できるだけ早く医師の診察を受け、医師の指示に従うこと
結核
- 多くの人が感染しても発症せずに終わるが、高齢者や免疫低下状態の人は発症しやすい
- 高齢者介護施設では利用者の特性上感染拡大しやすい環境なので、入所時の事前情報を必ず確認する
レジオネラ菌
- 感染源となりやすい施設・設備(入浴設備、冷却塔、加湿器など)の点検、清掃、消毒を徹底する
肺炎
- 肺炎球菌は、人の鼻腔や咽頭等に常在し、健康成人でも保有している人は多い。肺炎球菌は肺炎の主要な原因菌である
- 慢性心疾患、慢性呼吸器疾患、糖尿病等の基礎疾患を有する入所者は、肺炎球菌感染のハイリスク群である
- 重症化予防としては、肺炎球菌ワクチンの接種が重要
誤嚥性肺炎
- 誤嚥を起こしやすい高齢者の場合、普段の口腔ケアが重要
薬剤耐性菌感染症
- 保菌しているだけでは無症状であり、健康被害もないが、いったん薬剤耐性菌によって感染症を起こすと治療が難しくなる
- 誰が保菌していても広がりを防げるよう、標準予防策(スタンダード・プリコーション)の考え方に基づいた対応が必要
- 汗腺兆候が認められたら、早めに医師の診察を受け、医師の指示に従う
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