daiozen (大王膳)

強くあらねばなりませぬ… 護るためにはどうしても!

霊山の玉

2014年09月07日 | (転載・記事)  総 合
霊山の玉編集する
最終更新: teradatorahiko teradatorahiko 2009年05月29日(金) 23:11:43履歴


(引用文)
霊山の岩の中に閉じ込められて、無数の宝石が光り輝いていた。 試みにその中のただ一つを掘り出してこの世の空気にさらすと、たちまちに色も光も消え褪(あ)せた一片の土塊(つちくれ)に変わってしまった。 同時に、霊山の岩の中に秘められたすべての宝石も、そのことごとくが皆ただの土塊に変わってしまった。 私の頭の中には、数限りもない美しい絵が秘蔵されていた。 私は試みに絵筆を取って、その中の一つを画布の上に写してみた。 ……気のついた時はもう間に合わなかった。 ……同時に頭の中のすべての美しい絵もみんな無残に塗り汚されてしまった。 そうして私はただのつまらない一画工になってしまった。 (大正九年十月、渋柿)


(大正九年十月号掲載文を読んで)

いったい、穢れるべきでない所へ世俗の風を入れて良いものだろうか。

美しき物は美しきままに宝は大切にたいせつに護っていかねばならぬ。

うっかりにも扉を開いたと気づいたならは、そっと閉じるべきである。

しかるに凡愚の浅ましさは己の不明を恥じるを知らず踏み荒らすのみ。

特権を得たるかの如くに、当たるところ傲岸不遜な態度にて突き進む。

彼が触るる全ては暴風の吹き荒れたる跡、造形は形を留めず瓦礫の山。

只、霊山を知りたる幸せを想えば、また佳き日に廻り合うことも有らん哉。


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