次下も、談林派当時の芭蕉の俳諧です。
花にうき世我酒白く食黒し 芭蕉
二句一章のこの句は、上六の「世」で繋がっているのが分かる。
中七・下五の部分で、私の酒よ・私の飯よと詠んでいるのです。
芭蕉は自分の生活をそのように写生して、詠っているようです。
そして一転して、外の世界に目を向けると桜の咲く季節がある。
芭蕉の内面と外界とを繋いでいる「切れ」が「世」の後にある。
その切れを繋いだ一瞬、芭蕉の内面と外界の世界は一つになる。
一つの世界とは云え、何だか寂しく悲しい世界、酔いたいなぁ!
だけど、酔ったからって問題は何ひとつ解決する訳じゃないわ。
破れ長屋の壁のすき間から隣を覗けば、お隣も酔っているかも。
酒呑み友だちも悪くないけど、芭蕉はそちらに行ったのかしら…
『古池や蛙飛こむ水のおと』で心を繋ごうとしたのでしょうね。
それで誰と心を繋ごうとしたのかしら…濁り酒・玄米の友かも!?
あはっ! これって、長谷川櫂氏の脚本なのよね!?