茨木のり子
このたび私'06年2月17日クモ膜下出血にて この世におさらばすることになりました。
これは生前に書き置くものです。
私の意志で、葬儀・お別れ会は何もいたしません。
この家も当分の間、無人となりますゆえ、弔慰の品はお花を含め、一切お送り下さいませんように。
返送の無礼を重ねるだけと存じますので。
「あの人も逝ったか」と一瞬、たったの一瞬思い出して下されば、それで十分でございます。
あなたさまから頂いた長年にわたるあたたかなおつきあいは、見えざる宝石のように、私の胸にしまわれ、光芒を放ち、私の人生をどれほど豊かにして下さいましたことか・・・。
深い感謝を捧げつつ、お別れの言葉に代えさせて頂きます。
ありがとうございました。
(死亡の日付と死因のみ遺族の記入)
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高貴・忍耐・勇気
茨木のり子に掛けるどんな慰めの言葉も私は持たない
それでもなにか言葉に紡ぎたい情意は起きてくるから
私はここから祝いの詞を詠んで世界の興りを称えよう
茨木のり子に心を和し同座した悦びを唱和し供えよう
夜明けは胸の中の宝石が光芒を放つこの場から始まる
世界の初めに立ち会える我々は即ち八百万の神の一員
闇に射しこむ光は八百万の面々を輝かせ祝福する天照
そう、茨木のり子は既に行って詠い舞い唱和している
この愛でたい座の仲間として深い感謝の詞を贈りたい
お別れのようで実は次のステージの幕が上がる合図だ
それまで少しの間だけ、私は片付けものをしていよう。
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