「日本の敵」速報(海外の反応特化)+新型コロナウイルス関連海外の反応等

「日本の敵」&「新型コロナウイルス」に関する情報をまとめていきます

【#ハンギョレ】[ファクトチェック]「10分で判定」診断キット、規制のため韓国では使えない?

2020-03-28 00:56:18 | 海外の反応
新型コロナ診断検査
抗原抗体検査は精度が低いため、未承認 遺伝子増幅検査より時間は短縮できるが、 
精度は50~70%で混乱拡大  
検体を混ぜて診断する「混合検査法」 個別と差はない…最大32名可能 
トランプが言及した「45分診断法」も 精度90%以上…米FDA承認

 新型コロナウイルス(COVID-19)に関する情報があふれ、診断検査法を伝えるメディア報道やインターネット情報の量も増えているが、同時に歪曲された内容も広がっている。COVID-19の治療法と同様、検査法においても「インフォデミック(情報感染症の拡散。ニセ情報が広がる現象)」を懸念する声が高まっている。韓国に広まった主張を診断検査医学界に問い合わせ、検証してみた。

■「10分で判定」診断キット、過度な規制のせいで韓国では使えない?

 半分だけ正しい。政府が10~20分以内に結果が出る診断キット(抗原・抗体キット)を国内用に承認しなかったのは正しい。現在開発されているCOVID-19検査法は抗原抗体検査法、分子診断検査法など。保健当局は分子診断法のリアルタイム遺伝子増幅法(RT-PCR)キットのみ承認し、抗原抗体キットは承認しなかった。国内で承認された診断キットは検査結果が出るまでに3~6時間かかる。一方、抗原抗体診断キットの開発会社は、検査時間を10~20分に短縮できるとし、国内でも使用できると説明する。

 それでも保健当局が抗原抗体キットを承認しなかったのは、検査精度が低いからだ。診断検査医学界は、このキットを使った検査の精度が50~70%程で、95%以上のリアルタイム遺伝子増幅検査よりも不正確だと見ている。延世大学セブランス病院(診断検査医学科)のイ・ヒョンミン教授は「抗原抗体診断は誤診の可能性が高いため、現在の隔離・治療のためには十分ではない」と述べた。

■COVID-19検体を混ぜて行なう検査は間違っている?

 国防部が最近、大邱(テグ)・慶尚北道訓練所に入所した兵士4人の検体をまとめ、一度にCOVID-19検査を行った。これについて一部のメディアは「検体が汚染され、結果が不正確になる可能性がある」と報じた。

 しかし、検体を混ぜて診断する「混合検査法」は間違ってはいない。大邱カトリック大学病院のチョン・チャンホ教授(診断検査医学科)は、「4人ほどの検体の混合なら、陽性と判定されるべき検体が陰性を示す可能性はない」と語った。2012年に米国臨床微生物学会の機関誌に掲載された論文によると、10個の検体を混合した検査は個別検査と精度の面で大きな差は示さなかった。中央防疫対策本部(防対本)のクォン・ジュヌク副本部長も24日のブリーフィングで「現在までのところ防対本で行なってはいないが、私たちの診断検査チームは最大32人まで一度に検査できると話している」と述べた。

■トランプが言及した「45分COVID-19診断法」精度低い?

 米国食品医薬品局(FDA)は21日、45分で結果が分かるCOVID-19検査を承認した。ドナルド・トランプ米大統領もこの検査法に言及している。この検査法をめぐり、オンラインでは「精度が落ちる」という主張が出ている。

 しかし、これはこの検査を抗原抗体診断法と誤認した主張とみられる。FDAが承認した「ジーンエキスパート」は分子診断法だ。精度は90~95%以上で、韓国で承認された検査法とあまり変わらないというのが専門家らの共通した意見だ。大韓診断検査医学会のクォン・ゲチョル理事長は、「救急患者など、早くCOVID-19かどうかを診断しなければならない患者に対して、補完診断法として有用だろう」と見る。現在、国内の保健所や病院など100カ所がこの試薬に合う装備を持っているという。

パク・ジュニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/934410.html

【#ハンギョレ】新型コロナのワクチン開発、誰が最初に?…スピード競争で安全性が疎かになる懸念も

2020-03-28 00:54:04 | 海外の反応
米国の臨床試験発表の翌日、中国も発表 米国はRNAワクチン、中国は組換えワクチン 
両国ともに9月ごろに初の人体接種を予想
動物実験など中間段階を飛ばす恐れ 臨床参加者ら、緊張の中で自負表明

実験用ワクチンを打つ臨床試験参加者=ウィキメディア・コモンズ//ハンギョレ新聞社
 長期戦に突入している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との戦いに備える各国のワクチン開発競争が激化している。特に米国と中国の競争が激しい。抜きつ抜かれつしながら、予想より早くCOVID-19ワクチンの臨床試験に突入した。ウイルスへの初期対応の失敗を挽回しようとする中国指導部と、再選を狙う米トランプ大統領の強い督励が、日程の繰り上げに大きな役割を果たしている。両国によるプライドをかけた対決の様相を呈していることから、開発過程でワクチンの安全性に対する検証が疎かになりかねないという懸念も出ている。

 米国が先手を打った。米国立衛生研究所は16日、世界で初めてCOVID-19ワクチンの臨床試験に入ると発表した。すると翌日、中国軍事科学院所属の軍事医学研究院も臨床試験突入を発表した。

 米国のワクチンは製薬会社Modernaと国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が共同開発したものだ。Modernaはワシントン州シアトルのカイザーパーマネンテ病院で18~55歳の健康な志願者45人を対象に6週間の臨床試験に入った。参加者たちは1カ月間隔で2回ワクチンを打つ。今回の試験はワクチンの安定性を確認する臨床第1相試験だ。

 Modernaが試験を行うワクチンは、ウイルスの遺伝情報を利用する「mRNA-1273」。ウイルスの表面に突き出たスパイク(突起)タンパク質の遺伝情報が入った伝令RNA(mRNA)ワクチンだ。これを人体に注射して「偽スパイクタンパク質」を作り、本物が入ってくる前に細胞が抗体を作るように誘導するのだ。スパイクタンパク質は、ウイルスが人体の細胞に侵入するための道具として使われる物質だ。

 基礎科学研究院バイオ分子および細胞構造研究団のキム・ホミン氏(KAIST副教授)によると、直接「偽スパイクタンパク質」を作って注射することもできるが、この方式はより時間がかかるため体内で作る方法が選ばれたという。Modernaは25日間で構造設計と試験生産を終え、当初は4月から臨床第1相試験に入ろうとしていた。しかし、トランプ政権の督励によって、日程をほぼ1カ月も繰り上げた。

中国では、湖北省武漢地域の18~60歳の住民108人が臨床試験に参加した。研究院は彼らを3グループに分け、それぞれ違う量のワクチンを接種し、2週間隔にわたって隔離施設で観察する。以後6カ月にわたって定期的に抗体形成の有無をチェックする。研究院の臨床試験計画によると、同試験は今年末まで続く。中国のワクチンは、軍事医学院と天津の生命工学企業CanSinoBiologicsが開発したウイルス組換えワクチン(アデノウイルス5型ベクター)だ。エボラワクチンの開発に使用された技術を基にしている。このワクチンはアデノウイルスを遺伝子の運搬役(ベクター)として用いる。新型コロナウイルスの特定たんぱく質を生成する遺伝子をアデノウイルスに導入し、これを人体に注射して免疫反応を誘導する方式だ。臨床前の動物実験では強力な免疫反応と安全性を確認したという。臨床第1相試験では実際の感染を通じてワクチンの効果を確認するわけではなく、ワクチンが抗体形成を誘発するかどうかだけを検証する。ニューヨークタイムズによると、中国の軍事医学研究院が主導するワクチン研究には千人の科学者が参加している。

 最初のワクチン接種の時期をめぐっても、両国間の神経戦が繰り広げられるものと見られる。中国工程院の鐘南山院士が19日、「9月ごろには人体への接種が可能になるだろう」と明らかにしたのに続き、Modernaのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)も23日、市販は来年になるだろうが、今秋から一部で非常時に使用できるようにしたいという計画を公表している。

 最近になってCOVID-19の新たな震源地となっている欧州でもワクチン開発を急いでいる。英オックスフォード大学の研究チームは、今月末から4月初めの間にワクチンの動物実験を終え、4月中に臨床試験を開始する計画だ。ドイツの生命工学企業キュアバックが開発中のワクチンの所有権をめぐっては、ドイツと米国の間で神経戦が繰り広げられている。

 ワクチンの臨床試験に参加した人々は、最初のCOVID-19ワクチン開発に貢献するという自負とともに、多少の緊張感を表明している。Modernaによるワクチンの臨床試験の参加者であるシアトルのマイクロソフトエンジニア、ニール・ブラウニングさんは、インターネットメディア「フューチャリズム」とのインタビューで「今回のパンデミック(世界的大流行)に関する苦しみと死を減らす努力に参加したかった」と述べた。参加者で2番目に実験用ワクチンを接種したブラウニングさんは「このワクチンには、活力がなかったり弱体化させてあるウイルスが存在しない。動物実験も経ていないことは知っているが、それに伴う危険は受け入れている」と述べた。

 中国武漢のワクチン臨床試験参加者チャオ・レンさんは、映像共有プラットフォーム「Douyin」に実験用ワクチンを注射する場面を撮影した映像をアップし、「私の参加によって皆がマスクをつけず、お互いに笑顔が見られるようになるなら、参加の価値がある」というコメントを付けた。今月17日に臨床試験の志願者が必要だという話を聞き、翌日すぐに健康診断を受けたというチャオ・レンさんは「何か誇らしい。少し緊張はするが、科学者たちを信じる」と述べた。

 しかし、ワクチンの開発が急がれるという理由で中間段階を飛ばしてしまうことに対しては懸念の声もある。Modernaのワクチンは、通常は臨床試験の前に経る動物実験を行っていない。臨床試験参加者を募集する当日になって、ようやくラットを使ってワクチンのテストを開始している。

 上海の復旦大学基礎医学大学院のチャン・シボ教授(生物学)は最近、科学ジャーナル『ネイチャー』への寄稿で、「保健当局は、ワクチン開発業者が動物実験を通じて潜在的な副作用を確認できるようにすべきであり、臨床試験の志願者も慎重に選抜すべき」と主張した。同氏は「様々なタイプのワクチンの開発が進行中の中国では、4月中に臨床試験が計画されているが、これは動物モデルや臨床試験を通じて効能と安全性を完全に評価する前にワクチンが供給されるかも知れないという憂慮を抱かせる」と指摘した。また、米国のModernaが開発したRNAワクチンについても、これまでにこの技術の安全性は立証されてはいるが、今回のCOVID-19の場合はそれができていないことを指摘した。同氏は「保健当局はワクチン開発遅延によるリスクの方が臨床試験参加者の感染リスクより大きいと主張するが、基準が低くなればワクチン開発業者が性急に事を進めるのではないかと心配だ」と述べた。

 ミルケン研究所のワクチン・治療薬開発モニタリングの結果によると、全世界で進められているワクチン開発は前臨床段階を含め計43件。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/934073.html