The Society of Hormesis ホルミシス学会

STRUCTURED MICRONUTRIENT, US PAT/TH FDA (Med), JP FDA(Food)

ガン悪液質

2016-11-17 12:05:59 | がん

「がん悪液質」の画像検索結果

女優の川島なお美さんが、胆管がんにより54歳の若さで亡くなった。心よりご冥福をお祈りしたい。

死の17日前の記者会見では、川島さんの「激ヤセ」に多くの人が驚いたことと思う。そして、わずか17日後に訃報が届いたことで、衝撃を受けた人も多かっただろう。

日本人の1/3ががんで亡くなる昨今、身近な人をがんでなくした人も多いと思う。そして、現在は健康である私を含めただれしもが、がんになる可能性がある。川島さんの死は、決して他人事ではない。

「がん悪質液」の画像検索結果

 

がんにかかると人が亡くなるということは、いわば常識だろう。しかし、亡くなり方は多様で、がんイコール死という単純なものではない。

私は病理医として、数百の病理解剖を経験してきた。がんがどのように人を死に至らしめるのか、日々考えている。

本稿では、その経験をふまえ、がんと死について考えてみたい。

1)「激ヤセ」は「がん悪液質」

あくまで報道からの推定だが、川島さんの「激ヤセ」は「がん悪液質」の可能性がある(追記:このほか、手術による影響で食欲が低下したことや、がんが肝臓に広がったことも影響を与えている可能性がある)。「がん悪液質」は多くのがん患者さんが経験する。私も、ほとんど皮下脂肪がなくなり、筋肉が少なくなった患者さんを多く解剖させていただいている。

「がん悪液質」の詳細はこちらなどをご覧頂きたいが、簡単に説明すると以下のようになる。

「がん悪液質」は、がん細胞が放出する物質と、がん細胞に反応して体が放出する物質、サイトカインが、筋肉や脂肪細胞、そして肝臓に働くことによって生じる。

がん細胞は正常細胞の4、5倍の糖(グルコース)を取り込みエネルギーにしているため、全身で糖が不足する。そこでがん細胞は物質を放出して、全身のたんぱく質(主に筋肉)や脂肪を分解させる。サイトカインも全身のたんぱく質、脂肪を分解する。たんぱく質、脂肪の分解産物を原料にして、肝臓で糖が作られるのだ。こうして、がんは患者さんの体からエネルギーを奪いながら増えていく。

サイトカインはこのほか、食欲低下や貧血を引き起こし、肝臓の働きなどを抑える作用も持つ。こうしてがん患者さんの体はやせ衰えていく。

「がん悪液質」によって全身の筋肉が細くなり、体の抵抗力が弱まる。体が衰弱することで、あるいは細菌やウイルスが感染するなどの「最後のひと押し」があることで、患者さんは死に至るのだ。

「がん悪液質」による衰弱によって、枯れるような安らかな亡くなり方をする高齢者がいる。こうした「さしたる苦痛なしに、あたかも天寿を全うしたようにヒトを死に導く、超高齢者のがん」を天寿がんと呼ぶ(石川雄一、北川知行 病理と臨床 2006 Vol 24 No.12 P1275)。

しかし、高齢者ならともかく、川島さんのような若い年齢のがん患者さんを救うために、「がん悪液質」に対する治療法の開発が強く望まれる。

2)がんが体を破壊する

がん細胞が体の重要な器官を破壊することも、死の原因になる。肺にがんが広がれば、呼吸ができなくなる。肝臓にがんが広がれば、「代謝」ができなくなり、体の中に毒がたまっていく。

まれな例ではあるが、食道がんや肺がんが心臓に達することもある。また、脳にできたがんが大きくなり、生命の維持に重要な脳の一部を頭の外側に押し出す(脳ヘルニア)こともある。ほかの臓器がまだ健康であったとしても、重要臓器が侵されれば死に至る。

逆に言えば、がんがいくら巨大になっても、生命の維持に重要な部分が保たれていれば生きていくことができる。私が経験した解剖でも、がんが全身に転移しながら長期間生存された方がいらっしゃった。

3)出血も死の原因

がんはもろい細胞で、少しの刺激で出血することがある。この出血が死の原因になることも多い。肝臓にがんが広がった場合、肝臓に血液が流れなくなることで、食道や肛門などの血管に血液が逆流し、「静脈瘤」を作ることがある。この「静脈瘤」が破裂して、大出血することも死の原因になる(追記:報道によれば川島さんは吐血されたとのことなので、出血が死の原因の可能性がある)。

4)がんそのものが死因でないことも

多くのがん患者さんを解剖させていただくと、広い意味ではがんによる死と言えるだろうが、がんそのものが死因ではなかったケースに遭遇することがある。抗がん剤の副作用で、がん以外の臓器にダメージが生じ、それが原因で亡くなる方もいる。無理に治療しなくても、「がん悪液質」による衰弱死のほうが、安かな亡くなり方だったかもしれないと思うこともある。しかし、それは結果論でしかないので、抗がん剤すべてが無意味という結論は暴論だと言えよう。

5)死を知らない社会

現代はいわば死から隔離された社会だと言えよう。多くの人が病院のベッドで亡くなり、死にゆく過程を間近で経験する機会は減っている。死が「ブラックボックス化」しているとも言える。芸能人の死が私達に衝撃を与えるのも、死が「非日常」だからだろう。

しかし、人は誰でも死ぬ。いくら死から目をそむけても、死は確実に近づいてくる。

充実した生をおくるためにも、死から目をそむけず、死に向き合うことが必要なのではないだろうか。

医療者は、患者さんの死に方を知ることで、死に対する苦痛を和らげる方法の開発や、死を少し先に伸ばす治療法の開発をすることができる。

そして、医療者でない人も、死に方を知れば、死に対する漠然とした不安が和らぐのではないか。がんになったらもう終わりだ、と極論するのではなく、どのような経過をたどり死に至るのかを知ることで、それぞれの段階でできることを見極め、死に備えることができる。

もちろん、死に方を知ったとしても、自分という存在が消滅することに対する恐怖は減らないかもしれない。けれど、決して逃れることのできない死と付き合っていくためにも、「死に方の科学」が今求められている。


http://bylines.news.yahoo.co.jp/enokieisuke/20150926-00049876/

 

 

ガン悪液質の正体

news.livedoor.com/article/detail/11631182/

ガン悪液質の克服

gan-mag.com/qol/916.html

ガン悪液質で体力低下

palliative.web.fc2.com/symptom01.html

ガン悪液質は治るかもしれない

https://welq.jp/7981

悪液質の改善による延命の方法

http://www.1kampo.com/topics-10(cachexia).html

 

ガンの死に方

palliative.web.fc2.com/prognostic01.html


CTとMRIの違い

2016-11-14 08:26:20 | がん

「CT」の画像検索結果「CT」の画像検索結果「CT」の画像検索結果

CT

「MRI」の画像検索結果「MRI」の画像検索結果

MRI

 

脳神経外科の診療に今やなくてはならない医療機器であるCTとMRI、どう違うかご存じでしょうか。よく「MRIの方が新しく、CTよりも優れている」ということを患者さんから耳にします。この考えは正しくありません。今回はCTとMRIの違いについての話をします。

 まず、CT。X線という放射線の一種を使用して脳の中の状況を把握する医療機器です。東日本大震災での原発事故以来、皆さんの放射能被曝(ひばく)に対する意識が高まっていますが、現在医療現場においても、病気の診断、治療を行っていく上で放射線はなくてはならないものとなっています。

 CTもそのひとつですが、CT撮影で被曝する量は、体の健康に影響が出る被曝量よりはるかに少なく、心配はいりません。検査時間も数分で終わり、一般的には脳の全体的な評価を素早く見るには有益な検査です。

 また、出血病変の検出や骨の情報などはMRIよりもむしろ優れており、脳出血を疑われる患者さんや、頭部打撲による頭蓋骨骨折などの外傷を調べるためにはCTが優先されます。

 脳の血管が詰まる脳梗塞では、CTで脳に変化が出てくるまで6時間程度かかります(MRIでは発症後まもなく検出できます)が、われわれが、詰まった血管を緊急に再開通させた方がよいかの判断は、CTでの変化の有無を1番重要視しています。

 次にMRI。これは放射線でなく磁力を使用して脳の中の情報を得る検査です。いろいろな条件を変えることにより、脳内のさまざまな情報が得られます。

 脳腫瘍の場合、この腫瘍が柔らかいものか硬いものかなど、その性状までも把握できます。また脳血管の動脈硬化の程度や、脳神経と脳血管の位置関係の把握にも有用です。脳梗塞かどうかの診断もMRIを撮影することでいち早く可能となります。

 ただし、撮影時間が30分程度必要でCTに比べて長く、安静を保てない人には不向きです。また先述したように磁力で撮影するので、体の中に金属が入っていると撮影ができなかったり、できたとしても画像がゆがみを生じて正しい診断ができなくなったりします。

 以上、簡単に説明しましたように、決してMRIの方が優れているわけではなく、それぞれ一長一短があり、われわれは、患者さんの訴えをより正確に描き出した画像を得られる方を選んでいます。

 

http://www.msn.com/ja-jp/news/techandscience/%E3%80%90%E8%84%B3%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%8B%E3%80%91%EF%BD%83%EF%BD%94%E3%81%A8%EF%BD%8D%EF%BD%92%EF%BD%89-%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%9E%E3%82%8C%E4%B8%80%E9%95%B7%E4%B8%80%E7%9F%AD%E3%81%82%E3%82%8A/ar-AAkdVP2?li=AA4ZoD&ocid=spartanntp#page=2

 

 

MRIとCTスキャンの違いは何? | Colorda(カラーダ) - マーソ

https://www.mrso.jp/colorda/az/178/
 

コンピュータ断層撮影 - Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/コンピュータ断層撮影
 

CT - 東芝メディカルシステムズ株式会社

www.toshiba-medical.co.jp › トップページ › 商品情報
 

Reduction of Tumor Cells by Simultaneous Treatments with 7 methods

2016-11-08 10:22:02 | がん

Reduction of Tumor Cells by Simultaneous Treatments with 7 methods

1. Helical Carbon*
2. Structured Micronutrients**
3. Rn irradiation (Uranium) in Saitama City
4. β-ray irradiation
5. Far-Infra Red irradiation***
6. Straightening body in Saitama City
7. Walking



US PAT**,  JPN PAT***, PAT PCT*
The Award Winner of The Jpn Soc Chem. & The Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology.*

 

Helical Carbon


バーデンバーデン

2016-11-08 00:41:53 | がん

「バーデンバーデン」の画像検索結果「バーデンバーデン」の画像検索結果

 というわけで、前回、高校時代からの憧れの地、ドイツの黒い森を初めて訪れた、という話を書きました。この黒い森への旅には、実は、「おまけ」がついていたのであります。しかも、かなり特大の「おまけ」が。私たち日本人は、自然に深く親しむ、という気持ちを持っているわけであります。

 そして、ここで、独断と偏見が入るのですが、その「自然に親しむ」という気持ちのど真ん中に、実は、「温泉」がある、という事実があるわけであります。

 ああ、温泉。たかが温泉、されど温泉。火山の噴火や、地震などの自然災害の多い日本ですが、それに伴う「うれしいこと」として、温泉がある。

 そして、日本人の中には、「温泉」をどう楽しむか、という文化においては、世界一だという自負があるわけであります。

 誰が何と言っても、温泉のことは、私たち日本人が一番良く知っている! これは、今日のようなグローバル化した世界においても、日本人の肌に染み付いている、いわば「DNA」だと言うことができるでしょう。 その日本人が、外国の温泉にどう向き合うか、ということは、グローバル化する時代における、実に深い命題の一つでしょう。 そう、そのような思いを込めて、私は向かったのです。世界有数の温泉地の一つと言われている、バーデン=バーデンへと。

温泉地中の温泉地 

 黒い森から、平野へと降りていったところにあるバーデン=バーデン。名前からして、いかにもやる気に満ちていそうな温泉地ではありませんか!なにしろ、ドイツ語で「入浴する」という意味のある「バーデン」を、二度も重ねているわけですから。 「入浴する、入浴する」って、二段重ね、そこまでしつこく言わなくてもいい、というくらいの、まさに温泉地中の温泉地なのであります。 かつては、英国のビクトリア女王や、作曲家のブラームス、そして作家のドストエフスキーなど、数多くの著名人が滞在したというバーデン=バーデン。しかし、そこに赴くに至って、「温泉大国」日本の私は、基本的に油断していたのです。 「まあ、入ってもいいし、入らなくてもいいな」くらいの気分でいたのです。<iframe id="google_ads_iframe_/51343015/yol/yomiDr/premiumrec_0__hidden__" title="" name="google_ads_iframe_/51343015/yol/yomiDr/premiumrec_0__hidden__" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" width="0" height="0"></iframe> 以前、やはり温泉で知られるハンガリーのブダペストを訪れた時も、温泉を見ても入る気がなぜか起こりませんでした。「どうせ、温水プールみたいなものなんだろう」と思っていたのです。

 そう、海外の温泉は、日本的な情緒のある温泉というよりは、「温水プール」である。そんな思い込みのようなものが、私の中にあったようなのです。 さっそく、バーデン=バーデンの街を歩きます。「なんか、立派な建物だけど、何に使うんだろう」と思いながら通り過ぎたところが、後に、実は温泉を飲ませる施設だと判明したり、やはり、日本の温泉街とは、勝手が違います。

 さて、問題の温泉場。二種類あって、「フリードリッヒの湯」は、基本全裸。みんなが「スッポンポン」で歩いているようです。私は、「それではリラックスできない!」と即座に拒否し、もうひとつの「カラカラの湯」の方に向かいました。

 「カラカラの湯」は、水着を着て入るようなのです。それって、やっぱり、温水プールでは……。

 古くからの歴史があるという「カラカラの湯」ですが、日本の感覚からすると、やはり、どうみても「温水プール」です。

 この時点でも、私は、「なんか、期待できないけど、温水プールにでも入ってみるか」程度の認識。売店で水着とタオルを買い、いざ、「カラカラの湯」へと向かいました。

 身体の中から何かがこみ上げてくる

 ここからは、写真撮影ができないので、言葉での報告となります。 結論として、いやあ、驚きました!

 見た目は、やはり「温水プール」。そこで、ドイツ人たちが、水着を着て、ぼんやりとリラックスしています。

 館内の温水プールは、ビニールのひらひらのような仕切りで外にも続いていて、いわば日本で言う「露天風呂」、実際には屋外温水プールへと至ります。そこでも、外気に触れながら、ドイツ人たちがくつろいでいます。 水温は、日本の温泉よりは低め。ぬるま湯程度の温度です。

 「やっぱり、これは、温水プールだよなあ」と思いながら歩いたり、座って空を見上げたりしているうちに、10分くらい経()った時でしょうか。そうです、「感じた」のです。

 水の力というか、肌が、なにかゾワゾワと刺激を受けている、そんな感じを。

 同時に、身体の中から、何か、泉のようにこんこんとこみ上げてくるものがありました。

 違う。単なる水じゃない! 

 この水には、何かが入っている!

 水を少し口に含んでみましたが、塩分を少し感じるだけで、わかりません。硫黄のようなものを感じることもありません。

 それでも、体中が、水から、何かを得ているということが、実感としてわかるのです。

 「なんじゃ、こりゃあ!」

 往年の名ドラマ、『太陽にほえろ!』のジーパン刑事、松田優作さんのセリフではありませんが、私は、バーデン=バーデンの「カラカラの湯」で、思わずそのように叫びたくなってしまったのです。

 いやあ、あれは、何だったのだろう?

 温泉を出た後の「お約束」のビールを飲みながら、私は、しみじみと振り返っていました。

 バーデン=バーデンの温泉には、確かに何かがある。

 日本の温泉とは違うけれども、そこには、身体を芯から元気にする、何らかの成分が入っている!

 すっかり「カラカラの湯」という「温水プール」の虜(とりこ)になってしまった私は、翌朝もまた出かけていって、ドイツ人たちといっしょに使って「はあ~」と溜()め息をついていました。

 いやあ、みなさん、世界は広いですねえ。温泉といっても、いろいろですねえ。

 ぜひ、機会があればお出かけください、バーデン=バーデン。あの水には、何か特別な力があります!

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20151005-OYTEW62946/https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20151005-OYTEW62946/



放射能泉

2016-11-07 21:40:12 | がん

物理学者ではないので大雑把に説明しますが、ウランもラジウムもラドンも同じ仲間で世代が異なるのです。ウランが一番の親玉です。固体のラジウムが気体のラドンに変化して空気中に放出されます。温泉でいえばウラン温泉というのはなく、放射能泉は水に溶けているラドン・ラジウムの値で決定されているので、別名ラドン温泉、ラジウム温泉と言われているのです。

 ですから、周りの空気中のラドン濃度は放射能泉であるのかないのかを決定する際には全く考慮されていません。しかし重要なのは、この空気中のラドンも、肺から呼吸で吸われて血流に乗って全身に運ばれて、その作用を発揮することなのです。

 この放射能、良い・悪いの区別は、その強さにある、という説を昨年3月31日に「ホルミシス効果」として紹介しました。温泉の効能を一言で表すと、入浴や周りの環境から受ける刺激に体が反応して、本来備わっている自然治癒力が発揮されることにあります。

 ですから、この観点からすると、微量な放射能は体にとって適度の刺激になり、色々な好影響を与えていると考えられるのです。動物実験ではラドンの吸入により、抗酸化機能が亢進(こうしん)したり、1型糖尿病マウスのインスリン分泌能低下を抑制したりすることが報告されています。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20150209-OYTEW62824/

 


大腸癌

2016-11-07 21:38:00 | がん

大腸がん患者の数は、この30年でおよそ5倍に増え、2015年は肺がんや胃がんの患者数を超える予想となっています。

その理由として、一般的によく言われているのは、食生活の欧米化、ライフスタイルの欧米化です。ただ、そのように言われ始めてから、ずいぶんと時間がたっています。食生活の変化によって大腸がんが増えてきたのは、だいたい1990年代後半までだと思われます。

それ以降の大腸がん増加の要因は、やはり高齢化社会になったことでしょう。

食生活の欧米化によって大腸がんが増えるというのは、肉をたくさん食べるようになったことによる変化です。とくに赤身の肉や加工肉をたくさん食べると、その消化のために、肝臓でできる胆汁酸が増えます。胆汁酸が腸の中に行くと、細菌によって二次胆汁酸になります。この二次胆汁酸に、発がん性があると言われています。肉食そのものが良くないということではなく、胆汁酸と腸内細菌の影響で、大腸がんが増えたと考えられます。

肉の種類としては、牛肉でも豚肉でも、一般的に赤肉が大腸がんに関連しているとされていて、魚や白身の鶏肉は関係がないと言われています。

高齢化による要因は、遺伝子変化の蓄積です。大腸がんは、遺伝子の変化の蓄積で発生すると考えられていて、だんだん年齢を重ねるごとに、遺伝子の変化が積み重なってくるわけです。このため、年齢が高くなるにつれて、大腸がんの罹患率が高くなるのです。高齢化が進行することで、大腸がんの患者はますます増えるようになると思います。

■ステージ3でも治る確率は8割

大腸がんは、他のがんと比べて進行が早いわけではありません。突然、大きながんや、進行したがんができるのではなく、最初は小さな「ポリープ」と言われるものが、だんだん大きくなり、がんになります。がんも小さなものからだんだん大きくなる過程を経ますから、例えば、小さなポリープができてから、手術が必要になるがんになるまでの期間は、少なくとも2年以上だと言われています。

がんの中では、大腸がんも胃がんと同様に、適切に治療すれば治りやすいものです。がんには進行度合いに応じて「ステージ」があります。大腸がんの場合、「ステージ3」までに発見されれば、治る確率がかなり高いと思います。

「ステージ0」は、粘膜の中にとどまっている状態です。その後、「浸潤」と言って、少しずつ大きくなって壁の中に入り込んでいくのですが、腸の中にとどまっている「ステージ1」や「ステージ2」であれば、かなりの確率で治ります。リンパ節転移があるものを「ステージ3」と言いますが、今の日本では、「ステージ3」の大腸がんでも、80%近くは治ると言われています。これが「ステージ4」になると、なかなか治すのは難しい。

 

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20151001-OYTEW52646/?from=dyartcl_outbrain1

 


血液のがんATL発症リスク 喫煙者2倍超

2016-11-07 13:33:42 | がん
「喫煙」の画像検索結果
●長崎大など調査 「禁煙有効な予防策」

 ウイルス感染が原因の血液のがん「成人T細胞白血病(ATL)」の感染者のうち、喫煙者の発症リスクが非喫煙者に比べ、喫煙の本数や期間によっては2倍を超えることが、国立がん研究センターや長崎大、名古屋市立大などの20年近くに及ぶ追跡研究で判明した。感染者の長期追跡で生活習慣の発症リスクが明らかになるのは初めて。分析を担当した長崎大原爆後障害医療研究所の近藤久義准教授(疫

 ATLは、HTLV1というウイルスへの感染が引き金となって細胞のがん化が進む疾患。厚生労働省などによると、献血者のデータから国内の感染者は72万~82万人と推定。発症率は5%程度だが、発症すると治療は極めて難しい。母乳による母子感染のほか、性交渉で特に男性から女性に感染する。

 研究によると、1993年時点の感染者で40~69歳の1332人について、2012年までの平均17年間追跡。喫煙経験があったのは男性72%、女性2%で、追跡期間中に25人がATLを発症した。

 喫煙と発症の関連性を分析したところ、1日に吸うたばこの本数が増えるほど、さらに喫煙期間が長くなるほど発症リスクが高まり、1日20本、40年間吸い続けた人は吸わない人と比較して発症リスクは2・39倍に達したという。飲酒による発症リスクも分析したが、影響はみられなかった。千人当たりの発症率は男性2・21人で、女性0・74人より高かった。

 近藤准教授は「男性の喫煙者はとりわけ発症リスクが高い。治療法が確立していない現時点では、禁煙は有効な発症予防策」と指摘する。厚労省研究班などによる献血者データに基づく報告では毎年4千人の新たな感染者が発生していると推定されている。近藤准教授は「カウンセリングなどで感染を防げる可能性があり、感染への対応について普及啓発も重要」と提案する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161107-00010004-nishinp-sctch


がんで問われる患者の知性

2016-07-04 23:08:30 | がん

『一流患者と三流患者』(朝日新書)が話題になっている。病気になれば、最良の医療に最短でたどり着きたいものだが、医師から最高の医療を引き出せる一流と、三流の違いは何なのか。そもそも医師は、患者をどのように見ているのだろうか。

 まずは、こんな問題ケースから紹介しよう。

「診察で先生から受けた説明ですが、そのまま文章にして、メールでください」

 女性患者からそんな“お願い”をされたのは、心臓外科医で、昭和大学横浜市北部病院循環器センター教授の南淵明宏医師。数年前のできごとだが、忘れられないという。

 患者は、心臓の弁に異常があり、緊迫した状態。そう病状を説明すると、病気になったのは医師のせいとばかり、攻撃的な態度をとりはじめた。揚げ句の果て、診療の最後に口にしたのが、この要求だった。

「私たち医師は、患者さんには誠実でありたいという思いで接しています。ですが、自分は被害者で医者はそれを治すのが当然と、反抗的な態度をとる患者さんもいる。そういう方は、どんな医師も関わりたくないと思うでしょうね」

 南淵医師はその夜、病気や手術について事細かく説明した文章を書き、患者にメールした。そして最後はこう締めくくった。“別の病院におかかりください。お願いします”。それ以降、患者からの連絡はない。

 医師も人間だ。一肌脱ぎたいと思う患者もいれば、親身になれない患者もいる。医師の能力や技術力とは別の“プラスα”を引き出したければ、前者の“愛される患者”を目指したほうが得策で、医師の気持ちが遠のくような患者にはならないほうがいい。

『患者力 弱気な患者は、命を縮める』(中公文庫)などの著書もある南淵医師のもとには、全国各地から患者が訪れる。

「心臓手術は、患者さんにとっても大きな決断です。ですから、病気について調べてくるし、治療法についても熱心です。けれども時々、勘違いしている患者さんもいますね」


自身もがんに罹患し、治療の経験がある上野直人医師。同医師が勤務するのは、米国で最も先進的ながん医療を行っている、テキサス大学のMDアンダーソンがんセンターだ。がんの薬物療法などを行う腫瘍内科医の上野医師は、「アメリカでも、『患者の質』に格差がある」と指摘する。

「日本で多い“医師にすべてお任せ”という患者さんは、米国にも結構います。“限られた人生、医者の言いなりでいいのだろうか”と考えてしまいます」

 ただ、“お任せ患者”はまだ救いがあるという。

「いい医師に出会えれば、お任せでもうまくいく可能性があるわけですから」

 と上野医師は話す。

 問題患者の最たるものは、文句しか言わない患者だ。『一流患者と三流患者』には、著者の上野医師が受け持った、抗がん剤治療を受けている進行がん患者のエピソードが紹介されている。

「副作用がつらいので、3週に1回の治療を5週に1回に変えてほしい」

 患者は上野医師に訴えた。だが、3週を5週に延ばした際の治療効果を示す、科学的根拠がなかった。

「調子が悪いなら、薬はやめて様子をみましょう」

 上野医師が提案すると、患者は突然キレた。

「再発するからダメです!」

 5週に一度の治療を言い張るだけで、あとは何を言っても聞く耳を持たない。

「根拠がない治療は勧められない。理解してもらえなければ、それ以上の話はできません」(上野医師)

 このほかにも、診察室で怒鳴る患者、医師の前では従順な態度をとっていたのに、診察室を出たとたん看護師に当たる患者……。上野医師は多くの問題患者を目にしてきた。

「聞きたいことも聞かず、怒ってばかりいたら、医師もほかのメディカルスタッフも、最低限の付き合いしかできなくなってしまう」

 上野医師は嘆息する。

 こうしたいわゆる“三流患者”が被る不利益は大きい。南淵医師が言う。

「心臓病では、治療の機会を逃すと心臓だけでなく、肝臓、腎臓も悪くなり、不整脈も出てくる。そうなると手術のリスクもグンと上がります」

『3分診療時代の長生きできる受診のコツ45』(世界文化社)の著者で、東京高輪病院内科の高橋宏和医師もこう述べる。

医師らとのコミュニケーションが取れないと、必要な情報をもらえず、その間に病状が進んで、治療のタイミングを逸してしまう可能性も出てきます

 医師から愛される一流患者ならばどうか。

回り道せずに、最善、最良の医療に最短でたどり着けます。その結果、時間だけでなく、費用も節約できる可能性が高い。また、そういう患者さんであれば、別の病気が見つかった場合も、知り合いの医師を紹介したり、その病気に詳しい医師に問い合わせたり、検査を勧めたりすると思うんです。得する部分は多いと思います」(高橋医師)



http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%e5%8c%bb%e8%80%85%e3%81%ab%e5%ab%8c%e3%82%8f%e3%82%8c%e3%82%8b-%e2%80%9c%e4%b8%89%e6%b5%81%e6%82%a3%e8%80%85%e2%80%9d%e3%81%af%e3%81%93%e3%82%93%e3%81%aa%e4%ba%ba/ar-AAgVBZX?ocid=spartandhp#page=2


水素水は、科学的根拠なし

2016-02-12 00:12:44 | がん

「hydrogen」の画像検索結果

伊藤園
が今年7月に発売した「高濃度水素水」が、インターネット上で話題を呼んでいます。効果がはっきりしない飲料を販売しているとして伊藤園の姿勢を批判する声や、誰かに騙されているのではないかと心配する声、一部では不買運動を呼びかける声もあります。

 

 水素水は、水素を多く含有した水のことです。タレントや有名スポーツ選手や歌手などがテレビやネット上で愛飲していることを表明し、ここ数年人気が高まっています。特にタレントのDAIGOが3月にテレビ番組の中で水素水を生成するボトルを普段から持ち歩いていると明かした後には、水素水ブームが一気に盛り上がりました。

 ところで、水素水は実際に体にどのような効果をもたらすのでしょうか。

 古くから電解陰極水が健康にいいとの言説はあり、その真偽を探る研究は20年ほど前から行われてきました。しかし、結論はまだ出ていないというのが現状です。

 人間の体は、外から侵入してくる菌やウイルスなどの異物を撃退するために、白血球から活性酸素を放出します。それによって感染から守るのです。一方で活性酸素は、体内の細胞の膜を構成する不飽和脂肪酸を酸化によって酸化脂質に変化させ、細胞や組織が老化する原因となることが知られています。

 呼吸によって酸素が体に取り込まれ、血液中の赤血球が酸素を各組織の細胞へと運び、糖や脂肪などから生体エネルギーを産生する際に消費する酸素の2%程度が活性酸素になるといわれています。活性酸素は体にとって必要不可欠な役割を持っていますが、必要以上に産生されると体の老化を早めてしまうのです。

 ところが、水素を大量に取り込むと、活性酸素による細胞の酸化を抑制できるとの見解があるのです。もし、細胞の酸化を抑制できるのであれば、病気を予防し老化を遅くする効果が期待できます。

 この点について、さまざまな研究事例があり、水素が細胞の酸化を抑制する可能性が高いと考えられるというところまではたどりついています。しかし、正直なところ、いずれの実験もあくまで実験室レベルです。実際に人間の体が、水素水を飲用した上での定量的研究は発表されていません。

 水素の抗酸化作用(?)が証明されたとしても、どれくらいの量を摂取すればその効果が期待できるのか、またそれは水素水で何リットルくらいに相当するのか、具体的な検証はなされていないのです。「健康にいいらしい」などと気軽に高価な水素水を飲み続けても、実際にどのような効果があるかは未知の世界といわざるを得ません。

 とはいえ、水素水を摂取して健康を害するとの見解はなさそうです。水素水の健康効果に懐疑的な立場の意見も、研究結果が信じられないというものがほとんどで、科学的に否定しているわけではありません。

 現状としては、「信じるも信じないもあなた次第」という域を出ていません。ただし、水素水ブームに乗って、大して水素水を含有していないのに高額な値段設定をしている商品もあるので、購入する際は十分に見極めるように心がけてください。

http://biz-journal.jp/2015/12/post_12761.html

活性水素水(=電気還元水)は疑似科学
http://www.sciencecomlabo.jp/health_goods/active-hydrogen-water.html

Water-related pseudoscience
http://www.chem1.com/CQ/index.html

水商売ウォッチング

http://www.cml-office.org/wwatch


ホルミシス学会 関連サイト

2016-02-10 22:41:09 | がん


代替医療学会 
http://blog.goo.ne.jp/alternative_medicine_soc
http://ameblo.jp/socbhe


ヘリカル炭素学会
http://blog.goo.ne.jp/helical_carbon_soc
http://ameblo.jp/helical-carbon


精神神経学会
http://blog.goo.ne.jp/psychiatry_neurology_soc
http://ameblo.jp/psychiatry-neurology-soc/


ホルミシス学会
http://blog.goo.ne.jp/hormesis_soc


構造化微量要素研究会 
http://blog.goo.ne.jp/str_micronutrients
http://ameblo.jp/str-mn


ジャガイモ

2015-08-23 02:20:45 | がん

「美味しいけれど、太りやすい」というイメージの強いじゃがいも。メタボを解消するために、食べるのを控えているという人もいるかもしれません。

しかし、実はじゃがいもは、“皮付き”のままで調理法を工夫をすれば、ガンや糖尿病の予防効果が期待できる栄養価の高い食材なんです。

今回は、意外と知られていないじゃがいもの健康効果と、カロリーオーバーを防いで効率よく栄養をGETする食べ方をご紹介します。



■じゃがいもは「大地のりんご」と呼ばれるほど栄養価が高い

じゃがいもはフランスで「Pomme de terre(大地のりんご)」と呼ばれるほど栄養価が高い食材。特にビタミンCがとても豊富で、その含有量はりんごを上回ります。

ビタミンCは血管や皮膚、胃腸の粘膜、骨などを強化するはたらきがあり、抗酸化作用(=老化抑制作用)が高い成分。アンチエイジングや免疫力のアップに役立ちます。また、食物繊維が多いため腸内環境を整え、便通を良くする効果も期待できます。さらに、高血圧の原因となるナトリウムを排出してくれるカリウムも含まれています。

これだけでもかなり健康に役立つ食材と言えますが、皮ごと食べることでさらにパワーアップさせることができるんです。



■皮ごと食べると“クロロゲン酸”が摂取しやすい

じゃがいもの皮付近には“クロロゲン酸”という成分が含まれています。クロロゲン酸も抗酸化作用の強い成分で、血管や肌を若々しく保つ効果や、血糖値の上昇を抑える効果、脂肪の蓄積を抑える効果が期待できます。

じゃがいも自体は血糖値を上げやすい食材ですが、このクロロゲン酸を一緒に摂取することで血糖値を上げにくくすることが可能。糖尿病の予防やガンの予防にも役立ちます。



■太らず健康効果をGETする食べ方のコツ

ただし、バターやマヨネーズなどの脂質が多い食材と組み合わせたり、揚げ物にしたりすると高カロリーになりやすいので要注意。日常的に摂取するなら、皮ごと茹でて少量の塩を振って食べたり、炒め物にして食べるのがおすすめです。玉ねぎと一緒に細長く切り、お味噌汁に入れても美味しいですよ。日常的に摂取する場合はできるだけシンプルな料理にしましょう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150822-00066569-nkcareism-life


がんと診断後、お金・仕事

2015-08-15 21:46:07 | がん

男は病気になると、周りに隠して1人で抱え込む

吉永小百合が姉で、笑福亭鶴瓶が弟。2010年公開の映画『おとうと』を記憶している人は多いはずだ。弟・鉄郎は旅役者を気取る風来坊。堅実な姉・吟子とは金に関する揉め事を境に連絡が途絶える。数年後、消息不明だった鉄郎が救急車で運ばれた報せが届く。吟子が駆けつけると、鉄郎の体はがんに侵され、全身に転移していた――。

体の不調を家族に相談できなかった鉄郎。彼は映画の中だけの極端なキャラクターだろうか。それが特殊な例ではないことをしめすデータがある。NPO法人HOPEプロジェクトが発表した「粒子家族時代のがんと暮らし・生活ニーズ調査」だ。がん経験者をおひとり様(一人暮らし)、プチおひとり様(親・兄妹同居)、おふたり様(親とは別居の夫婦)、家族の4グループに分け、アンケートを実施。この調査で、おひとり様ががんになった場合の厳しい現実があきらかになった。

図で告知を受けて最初に相談した相手を見ると、プチおひとり様は「実の親」、おふたり様と家族が「配偶者」の回答が多数を占めるなか、おひとり様のトップは「誰にも相談はしていない」。約2割にのぼった。

「その心境はよくわかる」と語るのは、がん患者支援に関わる一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン理事長・天野慎介さんだ。00年、27歳の天野さんは一人暮らし。多忙な職場で働いていた。声が出なくなったり、高熱を出すことがあり、念のため地元の病院で精密検査を受けると、血液のがんである悪性リンパ腫を告知された。

「予想もしてなかったので、頭は真っ白。医師にふたつしか質問できませんでした。ひとつは『仕事はどうなりますか』。解雇より仕事に穴を開けないかが不安でした。もうひとつは『家族に伝えないで治療を受けることはできますか』。知ったら悲しむし、負担もかける。できることなら知らない間に治せたらベストかなと……」

しかし医師は、抗がん剤治療は1人では難しいと返答。天野さんは悩み、家族に話すまでに1週間を要した。結局、母親は淡々と話を聞いて「病気になったものはしょうがない。治していこう」と受け止めてくれたという。

天野さんは病気を告白した例だが、男性は総じて相談を躊躇する傾向が強い。

「相談できる相手」をまとめたアンケートでは、女性のおひとり様は順に「友人」「兄弟姉妹」「恋人」だったのに対し、男性は「いない」がトップ。HOPEプロジェクト理事長・桜井なおみさんは、「女性はオープンだけど、男性は閉じこもりがち」と分析する。

「乳がんの患者会など、女性は集まる場がいっぱいあるのに、男性はほとんどない。相談会を開いても、参加者は少ないです。1人で抱え込んでしまうのでしょう。女性はその時期があっても、それから『私、困ってます!』と声を上げて動くんですけどね」

調査から浮かび上がってくるのは、おひとり様の男性患者が1人で悶々と悩んでいる状況である。そのように孤立しても、いいことはほとんどない。

「闘病中は免疫力が落ちて、風邪をひきやすくなる。1人でうなってると心底不安になりますし、僕が副作用で肺炎になったとき、1人で救急車を呼んだり、入院の準備をするのは本当に大変だった」(天野さん)

他人に相談すれば気がはれるし、同じ立場の患者から治療に関する有益な情報が入ってくる可能性も高い。その機会を自ら失ってしまっているのだ。

どうにもならない。がんになった途端、生活保護のケースも

おひとり様患者が直面する、もうひとつの大きな問題が「金銭」である。

治療費や薬代は、高額療養費制度があるため、天井知らずで払うことはない。自己負担限度額は所得が一般に区分される場合、1月に約8万円(8万100円+(医療費-26万7000円)×1%)が上限になる。しかし、懐を痛めるのが差額ベッド代だ。厚生労働省調査によれば、この平均額は1日約5800円。公的保険の対象外で還付もない。しかも、がんは術後も長く付き合うケースが多い。生活費を1人でまかないつつ、月8万円をコンスタントに払うのはなかなか厳しい。先進医療などを試したい場合、負担は倍増する。

さらに、闘病による収入減が患者を襲う。体力の低下や長期治療によってこれまで通りの仕事ができなくなり、勤務時間の短縮、休職、転職した結果、収入が落ちていくケースは多い。「がんと診断された後、収入が減った」と答えたおひとり様は61%。減った割合は、「無収入になった」が26%で、半減以下は20%もいた。

メーカー勤務の吉住小春さん(仮名)は、4年前、最前線で活躍していた40代後半に乳がんが発覚。抗がん剤治療を受けた後、外科手術、そして約1カ月半の休職中に放射線治療を受けた。復帰直後は駅の階段を手すりなしでは上れないなど体力の低下を感じたが、その後、順調に回復した彼女でも、収入減は避けられなかった。

「がんを治療しながら勤務するのは、会社に前例がなく、人事もどう扱っていいかわからない。勤務時間を減らす提案をしても認められませんでした。結局、体調を見ながらということで資料整理のような雑務に替わったんです。周りには病気について告知しなかったので、急にどうしたんだろうという目で見られましたね。その後、別部署に異動しましたけど、役職もなくなって給料は3割程度減。一度下がった給与を元に戻すのは難しいです」

吉住さんは40歳までに簡易保険を払い終わり、ほかにも保険に入っていたうえ堅実に貯金していたため、経済面で慌てることはなかった。しかし今後については「この年齢で転職するのは現実的ではないから、今の会社を辞めたら最後だなという恐怖は常につきまとっています」と不安を覗かせる。

罹患時、民間保険に入っていなかったおひとり様女性は9%と少ないが、男性は26%が無加入。結果、おひとり様男性の68%が、治療費などの経済的負担に「預貯金からの補填」で対処している(女性は31%)。切り崩し型生活を強いられ、経済的に困窮する患者は少なくない。天野さんも「僕が病気になったとき、人生設計は全くしてなかった。貯蓄は100万円もないのに、初回治療にかかったのは120万円。後で還付されるけれど、まず現金で払う必要があったので、親族から借りました。貸してくれなかったら、完全に干上がっています」と振り返る。

貯金も、保険もない。休職期間の収入は保証されず、各種出費にくわえて、前年度所得に基づいた税金も請求される。結果、治療費が払えず、いきなり生活保護という人もいるという。

「医療費は安くなるけれど、みんな嫌がります。プライド持って働いてきたのが、『何でがんになって生活保護受けなきゃいけないんだ?』と思う。でもお金はない。もう右にも左にも動けないんです」(桜井さん)

今や日本人の2人に1人はがんになる状況。罹病したときのため、おひとり様はどのような準備をすべきか。桜井さんは「がん医療はさらに高くなるので、貯蓄のない人は安いのでいいから保険は入っておくべき」と強調した。

「一時金で300万円もらえる保険に入れば、高額療養費制度で年間100万円かかるとしても、治療に3年通えるからクッションになる。1番しんどい時期は乗り切れるはず」

また、すでにがん保険に入っている人も見直すべきだという。

「昔の保険は入院日の日額計算が多いのに、最近の入院は数日。『保険金がもらえない』と泣いている人がたくさんいます。外来を保証している保険がいいでしょう」(天野さん)

そして収入を切らさない方法として、会社は絶対に辞めないこと。

「完璧でなくても、先につなげる意識で仕事する。実績ゼロから頑張ってそれでダメだったらいいじゃん、でいいと思います」(吉住さん)

孤立しないよう、人間関係のネットワークをつくっておくことも大事だ。1人で抱えないほうが精神的に楽だし、オープンに構えていれば情報を得ることもできる。周りに言えなければ、患者会や相談支援室に行く方法もある。

また友人や職場などの近い人間ががんになる可能性もある。そういう状況に対しても心構えを持っておきたい。

「がんは緩やかに治るもの、と理解してほしいですね。手術すれば治ったと思うかもしれませんが、最初は非常にきつい。僕の場合、普通に動けるのに1カ月、まあまあ働けるのに3カ月、治療前の体力まで戻るのに1年かかりました。治療が終わったのにまた休んでる、と思われたら使うほうも使われるほうも気まずいんです。それと理解がないのは辛いけれど、特別扱いも辛い。普通が1番です。今までと変わらず自分の居場所があると再確認できる。それが支えになります」(天野さん)

おひとり様のがんは、決して対岸の火事ではない。親と同居の独身者は親が亡くなれば1人だ。夫婦でも配偶者ががんに対する理解がなければ精神的には孤立する。誰もが潜在的なおひとり様ということを自覚するべきだ。『おとうと』の終盤では、いよいよ具合が悪くなった鉄郎を、吟子が見舞いに訪れる。鉄郎が「夜中に目が覚めるのが怖い。泊まってくれないか」と懇願すると、吟子は快諾する。しかし病気で大きな声を出せないから、目が覚めたら合図が送れるよう、2人は互いの手をピンクのリボンで結ぶ。我々の社会が必要としているのも、人と人をつなぐリボンであるに違いない。

http://president.jp/articles/-/11396?page=1


今年のがん罹患数は98万人、国がん予測- 男性は前立腺がトップ

2015-06-28 15:17:47 | がん

国立がん研究センター(国がん)は28日、今年1年間に新たにがんと診断される人の数(罹患数)と死亡する人の数の予測を発表した。予測は昨年に続いて2回目で、罹患数は98万2100人、死亡者数は37万900人に達する見通しだ。【敦賀陽平】

【関連記事】
全国がん登録、生存率や検診の精度向上に (2015/01/28)
全国がん登録「最高レベルの安全管理で」 (2015/01/26)

 罹患数を男女別で見ると、男性が56万300人、女性が42万1800人で、昨年の予測に比べ、全体で約10万人増えた。罹患数の算出には、地域がん登録のデータが活用されているが、今回の使用分から基準が厳格化されたため、国がんでは、データの精度向上と高齢化が増加につながったとみている。

 部位別の罹患数では、大腸がん(13万5800人)と前立腺がん(9万8400人)が共に増加し、前立腺がんは男性の罹患数の中で最も多かった(昨年3位)。これについて国がんの担当者は、「PSA検診が普及したことが一番大きい」と指摘する。

 一方の死亡者数は、昨年の予測に比べて約4000人の増加。部位別では、肺がん(7万7200人)がトップで、次いで大腸がん(5万600人)、胃がん(4万9400人)などと続き、大腸がんと胃がんの順位が入れ替わった。

 胃がんの原因とされるピロリ菌の感染率は、高齢者ほど高い傾向にある。このため、担当者は「ピロリ菌の保菌者の減少と高齢化が相殺する形で、胃がんの死亡者数は横ばいの状態が続いていた。今回、大腸がんが抜いたことは注目すべき点だ」としている。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45576.html