本庶佑(ほんじょ・たすく)・京都大特別教授のノーベル医学生理学賞受賞の決定を受け、免疫の仕組みを使ったがん治療薬「オプジーボ」への関心が高まる一方、専門家らが危機感を強めている。「夢の治療」と期待ばかりが先行しているからだ。「免疫」と名の付いたメカニズムの異なる別の治療法を頼り、必要な治療の機会を失うがん患者が増えることへの懸念も膨らんでいる。【高野聡】
オプジーボの開発につながる研究をした本庶氏の受賞決定後、がんの専門病院や患者団体の相談窓口には、オプジーボや免疫治療についての相談が相次いでいる。国立がん研究センター(東京都)でも、連日約30件の問い合わせがある。担当者は「免疫治療の相談が以前と比べ確実に増えた」と話す。
オプジーボは、免疫を抑制する働きを抑えることで、がんを小さくしたり、患者の生存期間を延ばしたりするなどの効果が初めて確認された治療薬だ。国が使用を承認したがんも胃や肺など計7種類に上り、それぞれ公的医療保険が適用されている。世の中の多くのクリニックが提供する、免疫細胞を増やすなどして効果を期待する「免疫治療」とはメカニズムが異なる。
受賞後、一部メディアがオプジーボを「夢の薬」「がんの特効薬」と紹介したが、その効果は限定的だ。例えば、死因第1位の肺がんでは、がんを小さくする効果がみられるのは患者の2~3割。間質性肺炎や1型糖尿病など重い副作用が生じる恐れもある。
がんの薬物療法が専門の日本医科大武蔵小杉病院の勝俣範之教授は「治療効果をみれば、オプジーボは『特効薬』と言えない。副作用もあるため、期待のかけ過ぎはかえって危険だ」と苦言を呈する。全国がん患者団体連合会(天野慎介理事長)もホームページに過度の期待を戒める声明を発表した。
そもそもがん細胞は体内で日々作られているが、免疫細胞の働きで排除されるため発症しない。そこから免疫細胞を増やしてがんをたたく「免疫治療」の発想が生まれた。自身の細胞を利用すれば副作用もなくなる、という期待もあった。だがオプジーボと違い、こうした免疫治療で有効性が試験で確認されたものはない。
しかし、公的医療保険が利かず、高額な費用がかかる免疫治療に希望を託すがん患者は少なくない。NPO宮崎がん共同勉強会を主宰する押川勝太郎医師は「効果を示す科学的根拠がないのに、『免疫力』というあやふやな言葉を使いつつ、もっともらしい理論を装っている」と批判し、「免疫」という言葉を安易に使うことに警鐘を鳴らしている。
オプジーボが対象としているがん
悪性黒色腫(皮膚がんの一種)
肺がんの一種
腎細胞がん
ホジキンリンパ腫
頭頸部(とうけいぶ)がん
胃がん
悪性胸膜中皮腫
現在、臨床試験中の主ながん
尿路上皮がん
食道がん
肝細胞がん
膠芽腫(こうがしゅ)(脳腫瘍の一種)
一部の大腸がん
※小野薬品工業の資料から
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/オプジーボノーベル賞効果で関心高まるも…効果は限定的/ar-BBOjuMn?ocid=spartanntp#page=2
エビデンス(evidence)
https://ja.wikipedia.org/wiki/エビデンス
エビデンスとはお金があればねつ造もできる仮説(長尾和宏)
http://blog.drnagao.com/2016/05/post-5196.html
私はいつも”エビデンス”という言葉を振り回す市民やマスコミや医療者がおかしくてしょうがない。
論文ねつ造の多さ「不可解」- 日本麻酔科学会理事・澄川耕二氏に聞く
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/159015/
調査対象となったのは、東邦大学医元准教授が1990年から2011年にかけて書いた原著論文212本です。そのうち、172本をねつ造と断定しました。
データねつ造事件(リンパ球バンク株式会社)
https://www.lymphocyte-bank.co.jp/blog/etcetera/1791575/
患者さんにとってどうなのか、という中心は失われ、治験によるエビデンスがあるのか、ないのか、ということが、患者さんの命より優先されてきたのです。捏造くらい、平気でやってのけるようになるのです。
「最高学府」東大、科学論文捏造が波紋---不正蔓延の科学界、STAP論文は氷山の一角か(岡田正彦)
https://biz-journal.jp/2017/08/post_20134.html
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181006-00057849-gendaibiz-bus_all&p=1
問題は、臨床試験で効果が証明された免疫チェック阻害剤とは別に、「免疫療法」とうたいエビデンスのない治療法が、一部のクリニックで提供されていることだ。
日本医科大学病院医療崩壊の瀬戸際(上昌広/東京大学医科学研究所特任教授)
http://biz-journal.jp/2015/10/post_11892.html
http://biz-journal.jp/2015/11/post_12185.html
日本の医療に医学的エビデンスはない(和田春樹)(東洋経済)
http://toyokeizai.net/articles/-/97488
和田秀樹氏「日本の医学界は宗教団体のよう」
南果歩、ピンクリボンシンポジウム(2017.10.1.)
https://ameblo.jp/kaho-minami0120/entry-12314552346.html
日本人女性の11人に1人がかかると言われる乳がん。あなたや、あなたの大切な人が、笑顔で過ごせるようにと願いがこもったこのシンポジウムでは、最新の乳がんの治療情報に加え、がんとの向き合い方や心のケアについてお伝えいたします。
日本の医師さえ知らないアメリカの「ガン戦争敗北宣言」とは?
https://blog.goo.ne.jp/akyoon/e/356b81e6f03fd92b610d129ac1d87cbf
アメリカガン予算6400億円でも医師ガン敗北宣言、日本ガン予算400億円でも全てエビデンスを自己確立したガン名医ばかり(私大医裏口入学含むガン標準治療マニュアル医師)
お金がなければ医師にはなれなかった「マニュアル医師」の危うい診療(小田切容子)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56501