午前中の観光を終えてホテルで一休み。夕方、ガンジス河に向かった。途中、壁一面に牛糞をおわんの形にして乾かしている光景を見た。牛は草食系のためなのか匂いは全然しなかった。インドでは牛は大切に飼われていると言うが、私が見た限りではほとんどの牛は痩せこけていた。
ガンジス河へ向かう交通としてオートリクシャーを利用した。4人乗りの簡易な電気自動車である。交通量の多い昔ながらの道ではスリルがある。走りながら牛と平列になることも。人力車のようなサイクルリクシャーにも出くわした。それに乗った東京発のクラブツーリズムの若い女性とすれ違う。私は思わずハイタッチをしてしまった。海外の旅は、気持ちがついつい高ぶってしまう。 サイクルリクシャーの3人乗りや子供を含めた4人の乗りの物にもすれ違った。漕ぎ手は立ちながら必死にペダルを回していた。
ヒンドゥー教の聖地を流れるガンジス河(ガンガー)のガート(祈りをささげ沐浴しやすいようになっている階段上の施設)で、一番大きなダシャ―シュワメード・ガートから小船に乗り、 すぐ近くのマニカルニカー・ガートの沖合で見学した。燃え滾る中に遺体を入れた。死体を白い布で覆い火の下に運ぶ時、少し死体の重みで沈む光景は、生々しかった。そして、その灰を河に流すことが、ヒンドゥー教徒の願いであるという。その後、洋上からガンガーで行われいる、夜の祈りをささげるアルティーを見学した。大音響で燃え上がるような光の儀式である。
次の日、闇夜の朝5時がら再度ガートへ行った。途中、ガイドさんのお勧めのチャイの店によった。甘くしたミルクティーでおいしかった。
私は、今日の行事のために気合を入れていた。と言うのもヴァラナシに向かう機内で、私は、たまたまガイドさんと添乗員さんの席が隣り合わせになり、沐浴について話が弾んだ。ガイドブックには、現地の人と違って日本人は免疫力がないから感染の恐れがあり、沐浴しないように書いてあった。そのことをガイドさんに伝えると、「だいじょうぶ。だいじょうぶ。そんなことないよぉ。水は高い山から流れてくるきれいなもので、その水がガートの岸辺で逆流するからきれいそのものだ。」その力説に私は沐浴することに決めた。男性の添乗員さんも何回も来ているが沐浴したことがなく大乗り気であった。
少し肌寒かったが、私はパンツ一枚になりガートに設置してあるクサリをたどって、中に入った。思ったより急に深くなっていた。信仰心のない私でも水の中に入れば神の力なのか気持ち良く、心が癒された。でも、日の出前で水の色は確認できず、しかも足はヌルッとして滑りそうでいやな気になった。果たして水がきれいなのかは定かではないが、よい体験ができた。私は、その出来事を今でも自慢げに友達に言いふらしている。