リュブリャナの路線バスに乗るために、ホテルでプリペイド式の交通カードを購入した。カード2€と二人分4回分の5€をチャージした。バス停で待っていたら添乗員さんが勧めていた路線番号じゃないバスが到着した。そのバスは、時刻表で頻繁に出ていて方向が一緒だから、おそらく目的の中心街に行くのではないかととっさに思った。案の定、目的としたバス停で停まった。私の勘はさえていた。
私は、旅する前から、できるだけ現地の公共機関を利用しようと決めていた。何もしゃべらなくてもバスという密集した場所で、その土地の人と出会うだけでも楽しい。たくさんの人が一斉に降りるとこの辺に何があるのだろうかと、あたりをキョロキョロ見渡した。
リュブリャナ城から見下ろした市街は、きれいな川向うに市街が広がっていた。その城内の塔からの見晴は、抜群のロケーションである。私は、ひと目もはばからずスケッチをした。
近くにいたトラベルベストを着た60代の同じツアー客が、急にあわてだした。財布がないと。そして、後から塔に昇って来たツアー客は、ケーブルカーの切符売り場に日本人が財布を置き忘れて、係員が探していると告げた。パリやローマだったらどうだろうかと、ぞ~とした。それにしても私と同じようなトラベルベストを着た人のトラブルである。油断大敵である。
カフェ・ガウディは、アントニオ・ガウディの曲線美を彷彿させるデザインとガイドブックにかいてあり、ぜひ訪れたかった。中に入るとお客は一人もいなかった。こじんまりとした作りの中に、木の温もりを感じる曲線は、バルセロナのガウディ作品を思い出す。エッソプレッソも1€ぐらいと高くなかった。入口あたりのテラスというべきか道路に小さなテーブルとイスがあり、そこにまたまた美女が座っていた。その彼女も写真に収めた。身構えてしまって表情が硬くなった。せっかくよい被写体なのに残念である。私は、写真を撮るテクニックを磨かなくてはいけないとつくづく思った。
街中を歩くのはゆっくり時間が流れて、楽しい。歩き疲れて、今度は地元に人気があるというアイスクリームをテラスで食べた。
今回の旅の印象は、第一に美人が多く、陽気な人柄、治安もよい。第二にゴミが落ちてない街並みとアドリア海の紺碧色できれい事でヨーロッパのリゾート地になっている。第三に生活感のある旧市街の世界遺産(ドブロヴニク、コトル等)が今も生き続いていることだ。
2014年は、御嶽山や阿蘇山の噴火があり、今後どうなる事になるやらと危惧する。もし、日本沈没になったら、モンテネグロのコトルか、スロベニアのリュブリャナに逃げたい。