小さな町にある小さな駅、その前にある小さなお店。その店はいつ頃からあるのだろうか。私の知る限りかれこれ50年前にすでにそこにあった。
子供の頃、私は10円の小遣い銭を持って、よくその小さな店に駄菓子を買いに行った。今は先代から引き継いだ息子夫婦が、近所の人たちが気楽に立ち寄れる場所としてゆっくりと営んでいる。
そのおばさんは、駅構内の草取りやタバコの吸殻のかたずけなど、小さな町の顔である駅を大切にしようとがんばっている。
4,50年前になろうか。私が子供の頃は、外で遊ぶ子供の声がたえまなく聞こえた。当時のその店は活気に満ちていた。今は、しーんと静まり返った町並みである。
元気なのは、高齢の方で、至る所で見かける。防犯パトロール、通学路での交通整理、ゲートボールの道具を持っていきかう人。そのひとり「おはよう」と児童にあいさつをする人に私は話しを聞いた。その時の彼の目の輝きから、この街に少しでも役に立ちたいとの気持がひしひし伝わってきた。
人生の折り返し点を過ぎた頃から、第二の人生を地域に根ざした市民活動をする人が増えてきている。