HRDworld

 

リヤピロスタビリンク

2010-05-09 | Z32の話-サスペンション関係
先日リヤスタビリンクの試作1号について書きましたが、そのときちょっと予告した試作2号について紹介したいと思います。目的はフロントと同様、車高を下げたことによるスタビリンクの角度を直すために長さを調整することです(スタビリンクのうんちくはこちら)。フロントではその効果をすごく体感できたのでリヤも作ってみたのですが、試作1号ではほとんど体感できませんでした。で今回、懲りずに新たに試作2号を作ったというわけです。で、これがその試作2号です。

試作2号ピロリンク装着状態はこんな感じ

アーム側は試作1号と同じストレート型のリンクボールですが、スタビ側はコの字型のブラケットを介してピロボールのロッドエンドで接続します。ロッドエンドのねじで全長を調整できます。ブラケットを作るのにさすがに手作業でt3.2の鋼板を曲げるのはあきらめ、図面を書いてプロに依頼してしまいましたので今回は「自作」とは言いがたいのですが、ついでにメッキもしてもらったおかげで製品っぽいものが出来たと思います。

リンクの長さを調整する理由はスタビの角度(支点とリンク接続点の高さの差)を補正するためだというのは以前書いたとおりです。純正の串ダンゴブッシュの場合は明確な接続点はありませんが2個のブッシュの真ん中くらいが接続点ということになると思います。それに対しこのリンクのようにブラケットを介して取り付ける場合、接続点の位置はロッドエンドの軸になりますので、パッと見では延長しすぎ?のように見えるかも知れません。
また、車高ダウン量を考慮してリンク長を補正してみたところ、支点よりもロッドエンドの接続点が下がっているようです。これはおそらくスタビの設計によるもので、リヤのスタビは「うで」の部分がかなり短いために角度変化に敏感です。そのため1Gで水平にするとストロークに伴いどんどん分力が減ってしまうのを防ぐために純正も水平より少し下向きになっているのだと思います。まあでもリンクの長さは後から調整できるので、とりあえずそのまま様子見です(^-^)

装着状態で長さ調整OKです1G状態で覗き込んでみた眺め

で、効果のほどはというと…これがなかなかいい感じ!コーナー後半でアクセルを開けていくような場面で、効いてる感を実感できます。やっぱりピロ化が効いているのかな?今まで、立ち上がりで一瞬揺り返すような動きがあって気になっていたのですが、それが消えてスムースな感じになったような?。フロントのリンクを変えたときには回頭性がすごく良くなったと思ったのですが、リヤを変えた今回はコーナー後半で効果が感じられます。やはり荷重の移動に伴って、ブレーキング~ターンインは前輪が、後半~立ち上がりは後輪が支配的なんだよなーと改めて考えたりしています。今度は成功かな?なかなか良いものが出来た気がします(^-^)/

ところで、Z32に限らずS13やR32など同時期の日産マルチリンクはみな同じ串だんご型のリンクを使っています。性能的には問題ないのかもしれないのですが、凝ったマルチリンクなのにここだけ前時代的な串だんご…見た目的に今ひとつなので長さの問題とは別に、この部分をピロ化したいなーという不純な動機もありました。
意外にもここのピロリンクって、あんまりアフターパーツがありません。中空スタビで有名なarcはここのリンクも売っています(ただし半ピロ)が、ここくらいじゃないでしょうか(HRD調べ)。海外だとSPL Partsというところが両ピロのリンクを売っているのですが…。
シルビアやスカイラインなど対応車種(たぶん)かなり多いし、これ商品化したら売れるんじゃないか?と密かな野望を抱いています(笑)欲しい方、いますか?


<こっそり追記>
リヤ用のピロスタビリンク、市販は無いみたいって書いたんですが、ナギサオートから出てました。これによるとs13-15,R32-34だけでなくY32,Y33,G50プレジ(!)など当時のマルチリンク車みんな共通みたいです。新商品ってことみたいですが…お値段27825円!高けぇええ!(((;゜Д゜)) あ、でもちょっとコンセプトが違っていて、ロールセンタ補正アーム用でむしろ短くて長さ固定式ってことみたいです。両端ピロのプレート?が専用品っぽいので高いのでしょうね。にしても高いなあ。うちなら半額以下で出せまっせ(笑)
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リヤスタビリンク(試作1号)

2010-04-24 | Z32の話-サスペンション関係
かなーり前、フロントのスタビリンクを自作した話を書きました。車高を下げたことでスタビの角度が傾くのを、リンクの長さで補正するというものです。当時も書きましたがこれは結構効果があって、気に入って今もそのまま使っています。で、実はリヤもその後作って使っているんですが、リヤはちょっといまいちなんです。

リヤはいわゆる「串だんご」形式のブッシュを使ったリンクです。
そこで写真のような試作1号をつくりました。ストレート型のリンクボールとキャップボルトを使って「半ピロ」状態になっています。
試作1号と純正串だんご(赤いブシュは社外品)装着状態(写真差し替えました)

フロントとは違い、リヤはアームの中間あたりに接続されていますので、ざっくりと車高ダウン量の半分くらいがリンク長さの補正量の目安になると思います。純正リンク長さが70mmほどですので、80mmくらいにしてあります。
片方ピロ化したし、長さも補正したしこれは効くか?と思いきや、効果がわかりません(-_-;)
付けた時こそ「違うような気も…」とも思いましたが、たぶん思い込みです。
実はフロントのリンクを変えてからショックの減衰調整をフロント<<リヤにしているのですが、リヤのリンクを変えてもその方がバランスが良いと思えるので、やはりあんまり効いてないようです。

その後そのまま放置してあっという間に1年以上経っちゃってるんですが、今さら試作2号を作っています。今度はもうちょっとましなやつ。そのうち付けて公開できると思いますので、乞うご期待!?→できました
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リヤのトー調整

2010-04-22 | Z32の話-サスペンション関係

トー調整の図
前回アライメント調整をしたときの話。実験的にリヤトーを大きめにつけていたんですが、結局標準的な値に戻しました。具体的には約0.5°(ゲージの読みで2mm)→約0.2°(ゲージ読み0.8mm) です。これはmmでいうとトータル10mmくらいから4mmくらいまで減らした感じです。

リヤトー過大の時はやはり曲がりづらくなりました。いつもの感覚より操舵角を増やさねばならず、いまいちスムースに曲がれません。ただ、安心感というかリヤが乱れにくいというのもわかります。で、これを0.2°くらいに戻したところ、感じていた違和感は無くなりました。だいたい純正の基準値(0~4mm)内ですので、良くて当然と言えば当然なんですが、「リヤトーインを大きくするとアンダーステア傾向」というセオリーを実際に試してみて実感できたので面白いです。

トーの調整は純正の場合は偏芯ボルトで行いますが、調整しづらいので少し前からトーコントロールロッドは調整式のものに変えています。ピロテンションと同じセクション製です。このメーカーにこだわりは無いのですが、青いのや赤いのはどうも…と思っていると対象が絞られます(笑)少々ねじのピッチが粗いのが気になりますが、調整はやりやすくなりました。片端はピロになりますが、テンションロッドと違ってたくさんあるブッシュの一箇所だけのピロ化の恩恵は感じにくいですね。

…と、こうしてときどき自分なりにアライメント調整しているわけですが、なんだか最近いまいちまっすぐ走らなくなってきました。アライメントの用語で「スラスト」というのがあって、この手の用語を解説をしているサイトによればリヤトーの左右差がクルマの進む向きを決めているということになっています。いちおうリヤのキャンバとトーは左右差があまりない状態にしてるつもりなんですが…うーん、まだまだです(^-^;)
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タイヤの空気圧

2010-03-27 | Z32の話-サスペンション関係
前のが重いのになぜ?
Z32の指定空気圧は
  • 前輪:2.3kg/cm2
  • 後輪:2.5kg/cm2
です。タイヤも純正サイズを使っているので普段特に気にせずそれにあわせているのですが、ふと後輪の2.5キロってのが気になりました。
Z32は前輪荷重のが大きい(NA,2sでだいたい55:45)のに、何で後輪のが空気圧が高いんでしょうか?それにこの2.5キロって、他のクルマに比べるとかなり高い値ですよね?


タイヤはロードインデックスと空気圧で負荷能力が決まっています。
細かいことはうろ覚えだったのですが気になったので調べなおしてみました。こちらのページなどに詳しく書いてあります。
で、上記ページにあったJATMAの空気圧-負荷能力対応表からすんごく抜粋したのがこれです。
純正サイズ(225/50R16)だとロードインデックスは92です。
圧力の単位は時代とともにkg/cm2からkPaになっていますが、これは×9.8すればおkです。まあだいたい10倍ですね。
で、前後輪それぞれの空気圧のところを見てみると…


あれ?250kPa空欄??
同じくBSのサイトのロードインデックスの表で92を見てみると、630kg、つまり240kPaの値が書いてあります。



これって、空気圧ってのはそもそも240kPaくらいが上限だぜ!ってことなんですかね?
Z32、入れすぎ?
なぜ?冒頭にも書いたのですが、前輪荷重のが大きいので後輪の空気圧が高いのは荷重能力を稼ぐためでは無いと思うのですが…。

で、試しに後輪を前輪と同じ2.3キロにしてみました。
お尻の後ろがリヤタイヤなので、段差越えのときなどちょっと乗り心地が良くなって結構いい感じです。そこら近所を走った程度では(当たり前といえば当たり前ですが)特に問題は無いです。

リヤの2.5キロ指定が負荷能力を稼ぐためではないとすると、足回りの味付けのひとつなのかな?と思うのですが、それなら純正のバランスは車高やらなんやらでとうの昔に崩れてしまっているわけなので、荷重能力の許す範囲でいろいろ変えてみてもいいのかな?と思っています。
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300zxフロントキャンバーキット

2009-11-17 | Z32の話-サスペンション関係
へ~こんなのあるんだー!という話です。

以前紹介したモンローのマジックキャンバーと双璧をなす(?)キャンバーボルト、SPCのEZカム
代表的なEZカムやEZシムばかりでなく、ここにはかなりいろいろアライメント関係の部品があるのですが、中にはアイデア賞もの?のものもあって見ているだけでも楽しいです。(アメリカのメーカーサイトはこちらです。)

で、何気なく見ていたら、こんなの発見!
それがタイトルの300ZX フロントキャンバーキットなるものです。
Z32は純正ではフロントのキャンバ調整ができませんので、少なからず興味がわきます。調整式のアッパーアームに交換するのが一般的でしょうが、これはどんなパーツなんでしょうか。

で、それがその画像。



一見すると?な感じですが、リンク先にあるインストールガイド(PDF)を見ると、どうやらロアアームのメンバー側ピボットにカム機構を設けるパーツのようです。
興味のある方はガイドを読んでみて下さい。

メンバー側の穴を拡大して…とか、なかなか大胆なこと書いてありますが、カムボルト(ボルト+偏芯穴つき六角材)の段付加工部分を拡大したメンバーの穴に嵌める構造なので、グラグラさせずに安定した調整ができそうです。
で、調整後はロックプレートで回転してずれるのを防止…と。なるほど。
値段もネット特価:¥11,800とほどほどです。ふむふむ。

これでフロントキャンバが調整できるのはわかるのですが、しかしこのパーツ、考えれば考えるほど?がいくつもわいてきます。
それは・・・

・…ロックしちゃったら再調整できなくない?
・このパーツでポジ側に振る=ロアアームを引っ込める=トレッド縮小?
(一般的にははローダウンにより付きすぎたネガキャンを起こすのが目的の場合も多いと思うけどな…)
・そもそもロアアームの位置ズラすとテンションロッドの角度が変わってブッシュに負担がかかるのでは?ピロ化必須?

などなどです。
ちょーっとキャンバ調整機構としてはうーんな気がします。



・・・でも逆に、キャンバ調整機構として使わずに目一杯外側(ネガ側)に振れば
トレッドが片側10mmくらい拡大できそうな予感!?
いやいや目一杯上に上げれば
ロールセンタ補正ができそうな予感!?
ホイールやスペーサーを使わずトレッド拡大とかなかなかマニアック!!
などと間違った使い方の妄想までさせてくれるこのパーツ、要チェックです!?
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スタビリンク自作 フロント

2008-11-28 | Z32の話-サスペンション関係
以前、スタビリンクについて書きましたが、今回はフロントの実践編です(リヤ用はこちら)。
この記事、書きかけでずっとほったらかしで、もう半年以上この自作リンクを使っていますが、いまのところトラブルはないです。ではでは本題です。

Z32のフロントサスはこんな感じになっています(画像クリックで大きく表示されます)。



赤色で示したのがスタビリンクで、Z32の場合はサードリンクと呼ばれる部分に接続されています。
サードリンクは上下の動きとしてはアップライトの動き(=ホイールの動き)と同じような部分(ショックアブソーバもここについています)なので、車高の変化がほぼ反映されていると思います。と、いうことで車高を25mmほど下げているHRD号用に25mmロングの120mmリンクを作成してみました。
「作る」といっても汎用部品を買って組み立てただけです。
これでスタビの角度はほぼ純正状態に戻るはずです。

で、とりあえずフロント用はこんな感じに作ってみました。右の画像は純正リンクとの比較です。純正もボールジョイントを使ったいわゆるピロタイプです。16年物の部品ですが、若干ガタが出始めていたようです。

 

これを車両に取り付けるとこんな感じになりました。
取り付け自体は純正に準じた取り付け方法ですので特に問題なくできました。



車両を地面に下ろした1G状態でスタビ角度を比較します。
タイヤハウスの隙間に手を突っ込んでの撮影なのであんまりうまく撮れませんでしたが…

 

左が純正、右が特製リンクです。スタビの角度が水平に近づいているのがわかりますでしょうか?
画像が見づらくてすみません。INFOBAR2で撮っているのですが、どうもこの携帯のカメラ、暗いところでの撮影が苦手みたいです。デザイン重視携帯のカメラですからそれほど多くを期待してはいけないのですが…。この点では以前使っていたW41CAの方が良かったように思います。

さてさて、話を戻しまして、特製リンクでも水平にはなってないじゃないか!とのご意見もあるかと思いますが、これはスタビライザ自体が曲がっているためそのように見えるだけで、回転軸とピボット点はほぼ水平になっています(のはずです)。

さて、各部の点検をして、出来上がったら早速試走です。
セッティングの変更をする際は効果を確かめるため一箇所づつ変更するのがセオリーです。ですからフロントのリンクのみを変更してその他は以前のままで近所を試走しました。結果から言いますと、かなり変わります。正直びっくりしました。フロントの入りが全然違います。

でも、前後バランスは見事に崩れます(笑)
フロントが入りすぎて後ろが振られる感じ。ものの本にはフロントのスタビの効きを強めるとアンダー傾向になるとよく書いてありますが、限界域の話でしょうか。そもそも、アンダーステアとかオーバーステアというのは車両の状態を表す言葉で、荷重の状態や速度域、アクセルオンオフなど、種々の条件により様々に変化しますので一概にはいえないものだと思います。

なんにしても、リンク一つで大きな変化があることが良くわかって満足です。
とりあえずロール剛性のアンバランスをショックの減衰調整(フロントの減衰力を下げたら幾分落ち着きました)でごまかしておきました。

で、こんなに効果があるのならと、このあとリヤ用も作りました。
リヤはフロントと違っていわゆる串ダンゴ方式なので、ちょっと勝手が違います。
長くなってきたので、それはまた別に書きます。ではでは。


<今さら追記>
バンパーなどをはずす機会があったので接地状態での前からの写真を貼ります。足回りが汚くてアレですが、スタビの支点(ブッシュのある位置)とリンク接続点(奥側の○)の高さが確認できるかと思います。かれこれ2年くらい使っていますがブーツ破れなどのトラブルも無く使えていますので耐久性もそこそこかと思います。

バンパーとインナーフェンダを外して前から見た図
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騙しリンクにご注意を

2008-06-07 | Z32の話-サスペンション関係
最近はワンクリックとか、フィッシングとか、いろいろ怖い話を聞きます。
でも、インターネットの話ではなくて、クルマの話です。


クルマの前後方向を軸とする回転運動をロールといいます。
カーブを曲がっているときにクルマが外側に傾くあれです。

そのロールを減らすためのスタビライザ。乗用車にはだいたい装備されています。
そしてそのほとんどはコの字型のバーを車体に固定し、アップライトやサスアームなどとリンクでつないだ格好をしています。左右のサスペンションをコの字型のバーでつなぎ、片方のサスペンションにかかった力を、バーを介して反対側にも力を伝えてロールを抑制するわけです。
今回はそのリンクのお話です。

クルマの改造で、車高を下げることがあります。
見た目的にも低く構えたクルマはかっこいいですし、低く固めたサスペンションはコーナリング性能を向上させるということで、走り志向のクルマから見た目志向のクルマまで、ローダウンされていることがほとんどです。

しかし車両のスタビライザは標準の車高にあわせて設計されていますので、ローダウン状態ではその性能を生かしきれません。
クルマの旋回性能を上げようと車高を下げても、実はそれがスタビライザの性能を妨げていることもあるのです。
なぜローダウンがスタビの妨げになるのか?ということに関しては、百聞は一見にしかず、文章で書くより図を見ていただく方が早いと思います。

アジャスタブルスタビリンクをたくさんラインナップしているメーカー、AutoEXEのサイトから拝借してきました。商用利用じゃないので許してください!(問題があればすぐ削除/差し替えしますのでご連絡ください…って関係者は見てないと思うけど^-^;)
AutoEXEはもちろんマツダ車のみのラインナップなのですが、渋いパーツが多いところとか、部品の説明が細かいとことか、サイトがちょっと野暮ったい(←失礼)ところとか、素敵な会社だと思います。


(画像クリックで拡大します)

と、こんなわけですが、
真ん中の【ローダウン時】という図、なんか矢印の方向、変じゃないですかね?
画像を拝借しておいてケチつけるのもなんですが、ちょっと矢印の方向が変な気がします。

スタビライザの働きを考えてみます。
スタビライザは先述のようにコの字のねじりバネです。これをトーションビーム方式といって、サスペンションの上下の入力を回転運動に変え、バーをねじります。ねじりが加わると応力が発生し、その応力を解放しようと、反対側のサスペンションを押し上げる、つまりロールを抑制するように働きます。

車高を下げ、バーの角度が変わってしまった状態ではサスペンションの入力のうち、回転運動の接線方向の分力だけがバーをねじる力になり、半径方向の分力はバーをねじる力にならないのです。だからスタビライザの効果が薄れるのですね。
この現象は反対側のサスペンションでも起こり、バーを伝わってきた力のうち、サスペンションのストローク方向の分力のみがサスペンションに作用してロールを抑制するように働きます。ここでもそれに垂直な力は無効というわけです。
ということで真似して図を書いてみるとこんな感じになるのではないかと思います。


(画像クリックで拡大します)

ちょっとごちゃごちゃしてしまいましたけど、矢印の向きはこんな感じになると思います。もちろんリンク長を適正に調整することでスタビの角度を是正する、ということには全く異論がありません。リンク長を補正し、スタビライザの本来の性能を発揮させたいものです。

と、いうことで前置きが長くなりましたが、今回はこのスタビリンクを自分で作ってみようという企画です。Z32用の調整式スタビリンクという部品も無くはないようですが、かなり高いので自作に挑戦してみようと思います。
内容が長くなってきたのでいったん終わります。実践編は別に書こうと思います。ではでは。
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テンションは大切

2008-03-18 | Z32の話-サスペンション関係
先日岡崎に帰ったときにテンションロッドとオイルの交換をしてきました。
今回少し交換が遅くなってしまったので余計かもしれませんが、オイル交換するたびに、新しいオイルっていいなと思います。
みなさんの愛車はオイル交換、忘れてませんか??

で、テンションロッドです。
以前ブッシュが切れてるのを発見しちゃっていたので交換です。
純正はブッシュだけでも部品が出るので打ち変えようかとも思いましたが、いい機会なので今回は社外のピロテンションロッドにしてみました。

下回りの作業なので何はなくともクルマを上げてウマに載せなければ始まりません。
Z32の場合、ガレージジャッキが入らないので、とりあえずジャッキを入れるためにスロープに乗せて…とひと手間多いのが難点です。

で、テンションロッドです。これです。



その名のとおりテンションがかかるロッドです。
I型のロアアームの端とメンバー前方を斜めに結び、Aアームのような形状の構成になります。
なぜこれが一体のAアームではいけないのかが良くわからないのですが…何故なんでしょう?生産の都合かも知れません。ロアアームは鋼板のプレス品(コの字断面)、テンションロッドはブッシュのハウジングに中実丸棒を溶接したような格好をしています。つまり両者が要求する性能は随分違うということです。これを一体で作ろうとすると…結構難しいような。と勝手な想像をしています。
でもたしか一体のAアーム形状のクルマもあったような気がします(マツダ?ホンダ?)。
パーツひとつとっても考え方がいろいろなんですね。


それはさておき、今回の作業自体、テンションロッドを交換するだけなので単純なのですが、こういう下回りの作業の場合って、ネジが固着していて簡単には取れないことが多々有ります。

今回もトルクアダプター(鉄パイプとも言う)を使わずには緩まない奴もちらほら。
ウマで上げてるのでパイプを使うには狭いのですが何とか取り出しました。
で、外したテンションロッドがこれです。



並んでいるのは今回取り付けるピロテンションロッド。セクションというメーカーの物です。かなりたくさんのメーカーが販売しているのでどれにしようか迷いましたが、スチール製でピロのダストブーツ付き、メーカーの会社がはっきりしてるものの中で安いのってことでこれになりました。

説明書を読むと、
「純正寸法に基づき組み立て済みです。必要に応じて調整してください」
と書いてあります。調整式テンションロッドは長さを調整することでキャスターのセッティングが出来ることも一つのウリになっています。先述のようにテンションロッドは斜めについていますのでこれの長さを調整するとキャスター"だけ"を調整していることにはならないと思いますが(でもそれはどの部分にも言えることですね)、今回買ったのも調整式です。

なんにしてもキャスターを計測できる環境には無いので、とりあえず純正寸法で組もう思っていましたのでそのまま早速仮合わせ。

えーっと、全然合いませんけど(?_?)

うーん、全く組めそうもないくらい違ってます。
むむ?これはさすがに長さ違いませんか??と取り外した純正品と見比べると…

えーーっと…目視で長さ違いますけど…(-_-;)
純正寸法に組んであるって言ったよねセクションさん?!!

信じた俺が馬鹿だったよ…ったくこれだから社外品って…
(後で調べたことですが、社外品はS13もZ32も同じ部品で対応することになってますが、純正品番は違います。なので寸法はS13に合わせてあったのかも。そーならそーって書いといてくれればいいのに。。)

…でもまあそこは調整式ですから純正を測って同じ寸法にすれば良いのです。
とはいえすんなり計測できる形状でもサイズでもなくて、あの手この手でいろいろやってたぶん大丈夫!っていう寸法にあわせてクルマにあわせてみたらすんなりついたのでたぶんOKだと思います(大丈夫か?)



とまあこんな感じで交換には予定より手間取りましたが、交換後のフィーリングは上々です。
くるっと近所を試走しましたが、今まであった舵角の落ち着きの無さとかブレーキング時の抜け感とかが解消されて気持ちよくなりました。
もちろんそれと引き換えにコツコツとした衝撃を拾うようになりましたが、想定内でしたのでとりあえず問題なしです。普段のアシに使う乗用車ですから、あまりガタゴトなるのは考え物ですけど。

ともかく、テンションロッドはとっても大きな役割を担っていることを再確認した一日でした。
高木さんの言ってることはうそじゃありませんね。本当に見違えました。さすが。



あ、話したりするときのテンションもやっぱり大切だと思います。
そちらの方は元から調整式が備わっているはずなので、あとはうまくセッティングが出せると良いのですが、計測ツールがないのが機械とちがうところですね。
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