ワイン農家のつくりかた~Natan Weinberg

”ワインと人生を共にしたい人”が行き着きたい場所へ手ブラで向かって足掻いてる模様

試験醸造終了

2017-09-27 20:09:20 | 日記
上澄みを取り最終作業です
(いわゆる「瓶詰め」の段階)

沈殿している澱の上澄みをサイフォン方式で取り出します


取り出したワイン
a,ワイン酵母、補糖 亜硫酸あり、alc12程
b,ワイン酵母、他無添加、alc8程
c,led清酒酵母、補糖 亜硫酸あり、alc9程(残糖あり)

色からして違いがありますね

さてこの三種ですが



(以下、実際の色合いと写真では少しズレがありますがご了承ください)
a

エッジに青みがかった透明度の高い明るいルージュ
香りは控えめで、フレッシュなブルーベリー、アプリコット、紫蘇
シロップ漬けした若いさくらんぼ、雨に濡れた若木
味わいは優しい果実味に大豆や穀物の甘味、全体に広がり行き場を探るような酸。
…まとまりがなく口内で一気に広がり花咲も解散も疎ら(笑)

b

オレンジがかった朱色、深みのあるルージュ
香りはハッキリと黒葡萄そのもの、色付いたピオーネや巨峰の皮、ブラックチェリー、低木の皮
素直な味わい。旨味、果実味、酸味、深みなど全て小さく臆病に弱くひとまとまりになった丸い滴が、そのまま体内に落ちる感覚。まさに生まれたての、未熟で、生命力が解かれず戸惑ったまま流れ込む。

c

紫がかった濃いルージュ
香りはとにかく硫化臭が残りなんとも…
味わいとしては残糖量から口あたり良くあるものの、硫化臭がどうしても消えず前に立ち受け入れ難い…


一応料理を合わせるなら
a,塩とオリーブ油のみのトマトスライス又はカプレーゼ
b,酒蒸しした2枚貝や甲殻類
c,×

と、以上、どれも香りを捉えきれない。それぞれが、掴もうとする手前で逃げるように主張しない。


今年は全く『データ取りの試験』だった為という言い訳から、“葡萄と私の本当の関係性”を生み出せない結果となりましたが、貴重な勉強になりました。

きちんとした数字分析は、また追ってご報告します。

にしても…試験場外へ持ち出せず“破棄”というのは心苦しいもんですね(>_<")


来年は皆様に御披露目出来るよう、この時期からも益々葡萄達と絆を深めていこうと思います‼️

9月15日の糖度

2017-09-15 20:02:22 | 日記
現時点でヤマソーヴィニヨン
やはり落果はじまってます

ほとんどがこう

おそらく9月頭がギリギリのピークか


残ってるのはたぶん『後成り』

糖度は19でした


ヤマソーヴィニヨンは来年ベレゾンが浸透していく8月上旬あたりから、摘芯と葉の管理を細やかに行い糖度上昇作業を徹底しようと思います。


そして甲斐ブラン

ポツポツですが良い実をつけてます

糖度は21
今がピーク近辺。

甲斐ブランは1年通してうどん粉病管理を徹底すれば実はきれいに糖度を保ちそうです。

来年は、ベト病うどん粉病の注意、園内環境整備による湿度調整、摘房タイミング、ヤマソ糖度注意

山の畑、通年作業プラスの注意点です。



さて花園畑ですが

ぎゃぁーーー!!!!!
再びジャングル( ̄□ ̄;)!!
草刈ること5時間…

3分1を残しタイムリミット(>_<")

明後日の台風直撃以降、また出直すことにします

しかしなんで朝顔わんさかおんねん!


そして、金平糖の香りを出す厄介な太草があるんですが…なんなんやろ(;・ω・)

清澄

2017-09-14 07:03:30 | 日記
圧搾を済ませ休ませたワインを澱引きします

沈殿してますね~
これをサイフォン方式で上澄みを取ります

澱がこんなに!↓
なんだか宇宙的ですよね…
ちょっと加工すると…

ほらもう宇宙!!(笑)

そして、取ったものを(※試験場なので)遠心分離機にかけ不純物だけをさらに取り出します


一時間まわしてこんな感じ
取れたワインは

美しい~😍❤️❤️❤️✨
大興奮‼️‼️
これをさらに休ませ澱引きするわけですね




で‼️‼️

1週間早く動いてる試験瓶の方は、もう最終段階「瓶詰め」です
上澄みを取り出したあとの澱は

酒石酸などの澱ですね、固いです

これを一部フィルターにかけてみることに

減圧フィルター少しだけ…

色合いは↓(ノンフィルター)

(フィルター)

あまり変わらず。

でも、香りや味わいは全然ちがいます‼️‼️
ノンフィルターの方が断然美味しい😍‼️
(※試験場なので減圧フィルターしかなく、ワインに適切なフィルター作業ではなかった為。本来のワイン用フィルターでは味わいの要素が腑抜けることはありません)


テイスティングコメント
色調・透明度の高い輝きのある明るく鮮やかなルージュ
香り・朝顔すみれなど柔らかく大振りな紫の花のブーケ、若木の皮、グリーンペッパー、陽当たりに広げた蓙
味わい・熟したすぐり、若い赤ラズベリー、野生苺、シルバーベリー、クランベリーなどの小さな赤のフレッシュな果実味が弾み、それを酵母の香ばしさによりまとめ厚みをもち、全てを直線的で優しくしっかりとした酸が取り纏め身体へと運ぶ

親バカですが、美味しかったです。



2週間後、本番3タンクも瓶詰め。

こちらは3パターンあるので、違いのデータはとても興味深い。

ちなみに現在
・aタンク(ワイン酵母、亜硫酸、補糖あり)alc11.3% 少々硫化臭
・bタンク(ワイン酵母、他無添加)alc8.5%香り健全
・cタンク(LED清酒酵母、亜硫酸、補糖あり)alc9.5% 残糖あり 発酵継続中 硫化臭強烈

ですので、cはもしかすると瓶内二次発酵になるかもしれません(笑)
そのあたりも面白いですね
楽しみです🤣♪

搾汁

2017-09-06 09:37:00 | 日記
破砕から1週間、今日は搾汁です

タンク内、上に果帽が浮いてます

これを1日2回はピジャージ(榧入れ)をして

発酵してたわけです


データは只今こんな感じ
清酒酵母は動きが緩やかですね
やはり無添加は既に発酵終盤です


これを今日は絞り袋に入れて

圧搾

(手作業)笑



仕込み別に3瓶


15度…様子を見て25度あたりで発酵させます


ところで、
前もって試験瓶として進めているチビ瓶を

澱引きしてみます

瓶底の澱

澱引き後

めっちゃくちゃいい香り~💓😍💓

『技術センターの試験』なので、色々と思い通りの『ワイン造り』とは違う作業が多いですが、それでも大切なデータになりそうです☺️