「世界は夢組と叶え組でできている 桜林直子」 抜粋
【「夢組」がリーダーで「叶え組」がマネージャー、もしくはメンバーと考えると面白い。】
・【やりたいことがわからない人へのアドバイス】夢がもてないとしても、すすんでいたらちゃんとその先に「これが欲しい」「これをしたい」と思えるものが「ある」と信じることが大事なのだと思う。目の前のことにちゃんと向き合って判断しながらすすんでいたら、逃げずに正直に歩いていたら、広場があるよ、そこに着いたらわかるよ。と、言い聞かせてすすむしかない。
・【状態の欲という表現は面白い】わたしには「行動の欲」である「やりたいこと」はないけど、「時間とお金をつくりたい」と「こうありたい」という「状態の欲」ははっきり見えていた。だから、「時間とお金がある」状態になるために何をしたらいいか、「状態」から逆算して決めた。
・【「行動の欲」は目標志向「状態の欲」は目的志向か?】今やりたいことがあってもなくても、一度行き先を設定したらそれで終わりなんてことはないし、年齢や環境によって様々な変化が必ずある。自分をよろこばせるために「自分のやりたいことは何かな?」と、なんども考え続けるのだとしたら、それは悩みというよりとてもいいことで、その都度「行動の欲」と「状態の欲」の両方から「今の自分にとってのしあわせは何か」を考えるといい。
・【好きなことじゃないと続かない。時間とお金がある状態というのは目的にはなりえないので中途半端な目標志向か?】「行動の欲」は続ける動機になると書いたけれど、「誰かがよろこぶこと」だけがあって、「自分がよろこぶこと」がないと、どんなに「状態」を満たせても続けることは難しい。
・【状態をイメージすることがうまい】会社を辞めようと決めた理由のひとつは、単純にその会社だとお給料が少なくて足りないから、もうひとつは、娘のあーちんが小学校に入ってから、夏休みは長いし放課後の時間ももて余してしまうので、学校以外の居場所をつくりたかったから。一緒に探そうとしても、わたしの労働時間に拘束があると何もできないからだった。さらにもうひとつは、会社では社長の考えに沿って働いていて、自分の意見を抑えてしまうのが苦しかったので、自分で決めたい気持ちが大きくなったのもあった。30歳になった年に、社長に「わたしならこうするのにな、というリストがいっぱいになったので、それ、自分でやることにしました」と話して、会社を辞めた。長年の不満は貯金のように「あとはやるだけ」の財産になっていた。
・【状態をイメージすることがうまい】できるかわからないけどやってみたいことを好きにできるというのは、贅沢なことでもある。ゼロの地点から始めるには、地に足をつけて安心して始められる環境がないとできない。わたしは、ゼロ地点に満たないマイナスから、ひとまずゼロにするための努力が必要だった。
・【状態がイメージできたら今ある道具を使ってケースバイケースで行動することが大切】手の届かない夢を追いかけたり、夢中になれるやりたいことを見つけることができなくても、すこしずつでも「このほうがいい」と思える状態になることを、そこに向かうことを、諦めないほうがいい。どんなにマイナスの地点からでも「どうなったら自分がたすかるのか」を知って、自分を救い出せるのは自分しかいないのだ、そして、どんなに時間がかかっても、困っていないゼロ地点立てたときに、自分が何を「したい」と思うのか、そのときを楽しみにしよう。
・【今使える道具を認識すること】わたしが徹底的にしたことは「自分のサイズと持ち物を知る」ことだった。「自分のサイズを知る」というのは、変えられない環境や「ほっといたらこうなってしまう」という性格や「こうしたい」という希望を洗い出して、自分だけのでこぼこを把握することだ。「自分の持ち物を知る」というのは、自分にできることを並べることだ。
・【やりたいことが見つかった時に必要となるスキルを身につけておく=マネジメントを機能させるスキルは最強】「やりたいこと」じゃなくても、自分の好きなやり方でやることはできる。目の前の仕事にちゃんと向き合って自分のやり方でやっていたなら、あとから振り返ったときに「わたしはこれをしてきたよ」と言える。
・【感情のフィードバック分析】「不満」字のごとく「満足」が不足しているので、不満をうまく掘ると満足への道につながる。同じように「不安」は「安心」が不足しているので、「何が不安だ」という相談のときは、具体的に何が不安の原因なのかを一緒に探り、その原因を突き止める。「これが不安なんだね」と見せてるだけでもすこし安心できたりする。原因がわかれば、そこに向けて何をしたらいいかアドバイスもできる。不安は、行きたい方向を見る鍵になる。
・【感情のフィードバック分析】不満はためるなと言われるこど、「こうなると満足」に変換してためると財産になるし、不安は意味がないとも言われるけど、「こうなったら安心」という道への鍵になる。不満も不安も使いようだ。
・【軸を持つ、優先順位の明確化、自分が楽しいことが大切】自分の大事にしたいものや譲れないものを自分が知らないと、まちがいを認められず、人のせいにしてしまう。
・【状態の欲に執着することで、思考は現実化する習慣を身につける】わたしは「時間もお金も必要だ」という一点において、譲らずに考えた、大事にするものの設定をして、時間をつくることとか、お金に困らないことを諦めずに、その後の行動を選択し続けた。
・【自分のためを優先すると、マネジメントが機能しなくなる】なんだかうまくすすまないときは、「自分のため」と「誰かのため」の切り替え期で、その間の壁にぶつかっているのかもしれない。(この考え方は面白いが、マネジメントには「自分のため」はないので、なんだかうまくすすまないときは、「自分のため」を考えていないかを確認して切り捨てる必要がある)
・【何によって憶えられたいかが見える時】自分の中の「夢組」が顔を出したのは、自分自身が変わったのではなく、「自分とは関係ない」と思い込んで見ていなかった範囲が広く見えるようになって、「自分と関係ある」と思い込んで勝手に責任を負っていたものを、選び直すことで絞って身軽になったからだった。自分はそのままでも、どこまでを「自分」とするかは、いつでも変えられて自分で決められるのだ。
・【自分の夢を叶えるために、叶え組で身に付けたスキル(マネジメントを機能させる力)を活用する】自分のためにつけた力は、誰かのだめに使うことができるし、誰かのためにしてきたことは、積み重ねて自分のできることになっていく。これは、やりたいことがある「夢組」と、やりたいことがない「叶え組」が、組んでチームになると、お互いが力になれて伸びるのとまったく同じだ。自分の中の「夢組」と「叶え組」も、両方育てて組み合わせると、できることが増えていく。
・【夢組になるまでは叶え組でマネジメントを機能させる能力を身につけておくことによって夢組になった際に大きな力となる】やりたいことがない「叶え組」は、とつぜんやりたいことが見つかって「夢組」に変わるのではなくて、自分の中の「夢組」が顔を出すと、もともとあった自分の「叶え組」の力が思いっきり発揮される。それまでは困っている人をたすけるために使ったり、誰かのためだけに使ってきた同じ力を、自分のために使うだけだった。世界は「夢組」と「叶え組」でできているし、自分も「夢組」と「叶え組」でできている。
桜林直子さんとは、マネジメントについて議論したい。