ポスト資本主義社会は、知識社会であるとともに組織社会である。
この二つの社会は、相互依存関係にありながら、コンセプト、世界観、価値観において異質である。
専門化した知識は、それ単独では何も生み出さない。
仕事に使われて、はじめて生産的な存在となる。
ここにこそ知識社会が組織社会になる原因がある。
組織の機能は、共有する目的のもとに、専門化した知識を統合することにある。
知識労働者が成果をあげるうえで必要とする継続性をもたらしてくれるものは組織だけである。
知識労働者の専門化した知識をして成果をあげさせるものも組織だけである。
知識人は組織を道具として見る。
組織のおかげで、彼らは彼らのテクネ、すなわちその専門化された知識を生かすことができる。
他方、マネジメントは知識を道具として見る。(組織は知識を道具として見る)
いずれも正しい。
両社は対照的である。
しかし、対立ではなく対極の関係にある。
両者が両立するとき、創造と秩序、自己実現と使命達成が可能となる。
:「ポスト資本主義社会」