Johnny’s Dazed And Confused Days

〜ジョニーのぼんやりと混乱した日々〜

♪ ノー・ワーズ / ポール・マッカートニー&ウイングス:1973年作

2023年11月11日 08時59分36秒 | Paul McCartney
トニー・ヴィスコンティ
70年代の洋楽ファン、特に"T.Rex"のファンにとっては忘れられない人です。

"T.Rex"は、ヴィスコンティのアレンジした重厚なストリングスが、彼らのサウンドを語る上で欠かせないものとなり、あの独特の雰囲気作りに大きく貢献しました。
ポール・マッカートニーも、『Band On The Run』のオーケストレーションにおいて彼を起用。 今日はそんなトニー・ヴィスコンティが係わった曲の紹介です・・・

ポールの非凡さ
『Band On The Run』というアルバム、ラスマイの「ピカソの遺言」や最後の「西暦1985年」で、前出の曲を登場させるなどして、トータル性を演出していますが、全体のアレンジにバラツキがあり、必ずしも最初から統一性を意識して作られたものではない事が伺い知れます。 ところが1曲1曲のクオリティが高い上に、曲の並びもいいことから、最初から計算づくで作られたように感じてしまうんですよね!
このような曲順決定にも、ポール・マッカートニーという人の非凡さを感じます。

覆い包む綺羅びやかなオーケストレーション
今日ご紹介する「No Words」が、その典型的な曲のように思います。
LPではB面1曲目の「Mamunia」に続いての2曲目に収録され、前の曲が終わったと同時、間髪をいれず曲がスタート・・・
「Mamunia」がシンプルなアレンジのアコースティック・バラードだけに、トニー・ヴィスコンティのオーケストレーションで装飾された綺羅びやかなサウンドが非常に印象的です。

“ロック系が苦手、ポップでメロウな曲が好き”という人は、大抵、この曲と「Mamunia」「Bluebird」が大好きと云う・・・
これは“マーフィの法則”の如く、お決まりのパターンですね(^O^)
【 Album Data 】
リリース:1973年12月5日(米国)、12月7日(英国)
チャート:Billboard 1位、英国1位


寧ろあのアルバムの方が・・・
さて、この「No Words」という曲、このアルバムで唯一のデニー・レーンとの共作で、この後のウイングス流ポップの原点とも云えるようなクオリティの高いポップな曲に仕上がっています。

しかし、あまりに「Mamunia」「No Words」との並びが決まっているため目立ちませんが、アルバム全体を見渡すと、何となくアレンジを含め違和感を感じられずにいられません。
寧ろ、このサウンドは『Wings at the Speed of Sound』あたりに収録した方が、収まりがいいのではないのでは・・・?

ノー・ワーズ / ポール・マッカートニー&ウイングス
その胸に生まれた熱い想い、誰かに与えたいんだって
かたくなだったその心、やっと解く気になったんだね
僕、君の黒い瞳に見つめられても
驚きはしない、それどころか嬉しいくらい

“愛がすべてね”君もとうとう云ってくれたね
その通りだよ、愛こそ僕らのすべてさ
そこで君に今一度振り返って欲しい
僕の愛がどれほど真実だったか

僕の愛に言葉なんていらない!

君の胸にある燃えるような想い
甘い甘いその想い
押さえてしまったりしたらいけない
せっかくのその想い、それは恋、恋さ

僕の言葉も聞かず、君はさよならするの
他の誰かが君を想ってくれるのを待つんだって
何を云ってるんだ、君には僕しかいない
わかっておくれよ、こんなに君を愛してる僕さ

いいかい、僕の愛に言葉なんていらない!



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