Johnny’s Dazed And Confused Days

〜ジョニーのぼんやりと混乱した日々〜

♪ ミセス・ヴァンデビルト / ポール・マッカートニー&ウイングス:1973年

2023年11月10日 07時25分53秒 | Paul McCartney
お願い殺さないで!
わたしたちはミュージシャンよ❗️
この人はビートルズのポール・マッカートニーなの‼️

こんな風に命乞いしたのはリンダ・マッカートニーでした・・・

アフリカ大陸ナイジェリア、ラゴスでのレコーディングは、決して快適なものではありませんでした!
直前のメンバーの脱退劇に始まったこのレコーディング、不運を通り越し、自ら望んだとはいえ、ポールは余りに多くの難題を抱える結果となったようです。

先ずは、EMIのスタジオの準備が万端でなかった上に、アフリカに渡った時期は雨期にあたり、外は雨ばかり…
更に、アフリカの活動家から、「ポールはアフリカ大陸の音楽の魂を盗もうとしている。国から出て行け!」といった理不尽な警告を受ける始末。

そして極めつけが、冒頭にあるような危険な目に遭ったことでした。

その顛末とは・・・

ある晩、散歩に出かけたポールとリンダは、5人のナイフを持った男たちに取り囲まれました。
必死に命乞いをするリンダを横目に、ポールは冷静に財布とカメラを渡したとか・・・
無事、解放されるわけですが、ひとつ間違えると、ビートルズのメンバーの中で、一番、早く死んでしまうのがポール・マッカートニーになっていた可能性もあったわけです!
勿論、慣れない環境もあったのでしょうが、この後、ポールは準備中のスタジオで倒れ、気を失ってしまいます。
病院に担ぎ込まれて診察を受けた結果、『急性気管支炎発作』という診断。
正に踏んだり蹴ったりとはこうゆう事を言うのでしょうね!
 【 Album Data 】
リリース:1973年12月5日(米国)、12月7日(英国)
チャート:Billboard 1位、全英1位、オリコン11位
全ては結果オーライ!
『逆境が名作を生み、あの環境が僕らに戦う力を与えてくれた!』
ポール自身はこのように振り返ってますが、全ては結果オーライというだけで、それまでの数年で充分過ぎるほどの逆境に苛まれていたわけでから、「今更、無理しなくても良かったのになあ」と思わずにいられませんでした。
何はともあれ、「無事でよかった!」というのが本音ですね!

今日ご紹介するのは、アルバムの中で、最もアフリカ的要素が感じられる曲の「Mrs.Vandebilt」です。
この曲の存在がなかったら、「わざわざアフリカくんだりまで出かけて、レコーディングする必要があったのか?」と思わず言いたくなってしまいます。

初めて、この曲を聴いたとき、その"Ho Hey Ho"という掛け声から、何となく、アフリカの原住民が、儀式などで焚かれた火を中心に輪になって踊り歌っているイメージが湧いたものです。
数年後に、北島三郎"Hey Hey Ho"と歌った「与作」をヒットさせましたが、もし、そちらの方が、先に出ていたら、もしかして、ポールのこの曲を聴いたとき、アフリカじゃなく「与作」の方をイメージしたかも・・・(^O^)

初めから終わりまで・・・
ベースが小気味よく弾け捲る!
早口に捲し立てる様に始まるこの歌、サビの部分で一転、ゆっくりと盛り上がる・・・
ベースが最後まで小気味よく弾け、歌と同調するようにギターがそのメロディを奏で、最高潮に達した時、サックスが更なる盛り上げに貢献!
ベースを中心に、見事に歌とギターとサックスのアンサンブルを聴かせてくれます!

ミセス・ヴァンデビルト /
ポール・マッカートニー&ウイングス

ジャングルはテントの中の貴方
金を使うこともなければ家賃も払うこともない
“時間”なんていうのも忘れ
貴方はいつものん気な顔だ

Ho Hey Ho

ランプの灯りが淋しくなっても
あなたはいつもお構いなし、そして決まってこの文句
“悩んだところどうなるのよ”
バスが行ってしまっても
あなたは追掛けようとしない
“急いだところどうなるのよ”とまたこうさ
ヴァンデビルト夫人、僕を一人にしてよ
せっかくの僕の時間、台無しになってしまうの
それでも云うの
“悩んだところどうなるのよ”
側にいる僕の身になっておくれよ
お願い、お願いだったら

Ho Hey Ho

それでも云うの
“悩んだところどうなるのよ”
傍にいる僕の身になっておくれよ
お願い、僕の言葉聞いてるの?

Ho Hey Ho

荷がいつの間にか少なくなっても
あなたは泥棒を責めることもない
あゝそんなあなたには、僕、うんざりだよ
僕の側から消えて、消えてしまっておくれよ
それでも“悩んだところどうなるのよ”かい?
ワシントン夫人、いい加減に一人にしてよ
僕、自分の時間、こんなにあるんだよ

“悩んだところどうなるのよ”だって
わかって、わかってったら、それでもこうかい
“なにも騒ぐほどのことはないないでしょう”
あゝ僕、いったい、どうすりゃいいんだ

Ho Hey Ho


2013年に『Out There Tour』という日本ツアーがあったんですが、他国でやった直近のツアーではこの「ミセス・ヴァンデビルト」はセットリストに入っていました。
すごく楽しみにしていましたが、新作『NEW』がリリースされた直後で「何曲か新作の収録曲を演り、当然、その分、曲の入れ替えがあるだろう」と予測しました。
ツアー名が『Out There Tour』である事から、「Everybody Out There」という曲は必ずセットリストに入って来るものと予測!
残念な事にその曲の曲調が「ミセス・ヴァンデビルト」に似ているために、「あ〜ヴァンデビルトは削られるな」と思っていたら・・・予想的中しました!

“Ho Hey Ho”とコーラス参加したかったなあ❗️






2 コメント

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Unknown (なおとも)
2023-11-10 15:03:35
名曲の陰にこんな逸話が有ったのですね。凄いです!転んでもただでは起きないどころではありませんね。本当に「与作」より前で良かった、というか「与作」の作者は何か影響を受けたのでしょうか?それとも偶然でしょうか。不思議です。なにはともあれ、とても楽しい曲です!なおとも
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Unknown (ikenaijoni)
2023-11-11 09:10:16
なおともさんへ

おはようございます。
何はともあれ、ポールはこの時に撃たれなくてよかったですよ!
「与作」を聴いた時、真っ先にこの曲が頭に過りました(^O^)
この曲のライブを観てみたいと思っていたのが実現せず残念でした。
因みに雰囲気が似てる曲はこの曲です
↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=DdduNp13zoU
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