Johnny’s Dazed And Confused Days

〜ジョニーのぼんやりと混乱した日々〜

♪ 悲しき天使 / メリー・ホプキン;1968年作

2022年12月21日 19時00分00秒 | 1960年代の洋楽


聞き慣れぬ"Apple"からの電報

18歳の女性シンガーの元に「直ぐ電話を下さい」といった内容の電報が一通~発信人は聞き慣れない“アップル”というレコード会社でした。

3日も電話をしない娘に、母親は「連絡しないと相手に失礼よ」と注意、素直に従った娘が電話をしてみると、その要件というのがアップルというレコード会社からの契約のオファーでした。
リバプール訛りの男に、契約の是非を問われました。
警戒心から踏ん切りのつかない娘に対し、電話の向こうの男は、突然、母親を電話口に出すように言い、そして、代わった母親に、その男はこんな事を言いました・・・
「ポール・マッカートニーです。僕と契約する為にお嬢さんをロンドンに寄越して下さい!」

このようなシンデレラ・ストーリーでデビューしたのが、後に“アップルの歌姫”と言われるメリー・ホプキンでした。


ツィッギーが仕掛け人

ウェールズ出身の若きフォーク・シンガーの彼女、18歳の誕生日の翌日の1968年5月4日に、“オポチュニティ・ノックス”というTVのタレント・ショーに出演したことが大きなチャンスをもたらしました。
その番組をたまたま見ていたポールのガールフレンドの一人が、「この娘をスカウトすべき」と進言、そのガールフレンドというのが、驚いた事に日本でミニスカートを大流行させたモデルのツィッギーでした。

ポールのお膳立て
さっそく、ロンドンに行ったメリー・ホプキンは、ポールの目の前で歌い、数曲のデモテープを制作しました。
そしてその半月後のある日、彼女の元へポールから電話が・・・
電話口で、ある曲をハミングするポール・・・
「これは何年も前から、この曲に相応しいシンガーの為に温めていたもので、“Those Were The Days”って曲だ。さあ、この曲に取り掛かろう!」


Дорогой длинною -Татьяна Балета


原曲はウクライナの歌謡曲
この「Those Were The Days 悲しき天使」は、ソビエト連邦からの亡命者によって西側諸国に広められたウクライナの歌謡曲「長い道を」という曲です。
この曲をアレンジしたものをアメリカ人のジーン・ラスキンが、ロンドンのナイトクラブの“ブルー・エンジェル・クラブ”で歌っているのを耳にしたポール、「アレンジとヴォーカリストがマッチすれば大ヒットする」と直観!

流石、仕事人ポール!
遊んでいても、仕事を忘れていない!


私の場合・・・
仕事と遊びをクッキリ分けている!
これはこれで、立派だ! \(^o^)/


“あの頃は良かった~Those were the days”と昔を懐かしんでる中年以上の人の心境を物語っている歌で、とても18歳の女の子の、しかも、デビュー曲に相応しくない内容のものですが、メリー・ホプキン美しく愁いを帯びた歌声が、ミスマッチとも取れる歌詞のマイナスを埋めて余りある出来上がりにしていますね・・・

Those were the days - Mary Hopkin

悲しき天使 / メリー・ホプキン
遠い昔、ある居酒屋があったのよ
そこで私たちは、よく乾杯をしたもんだわ
大いに笑って時を忘れたものよ
大きな夢を抱きながら

*あの頃は良かったわ
終わりが来るとは思わなかった
私たちはいつまでも歌って踊っていられたわ
自分の選んだ人生を愛し
どんなものにも負けないと思ってた

私たちは若くして自分の生き方をはっきり持っていた

それから歳月は過ぎ去り
私たちはキラキラと輝く心を失ってしまったわ
もしも居酒屋で姿を見かけたら
お互いに笑顔でこう言いましょう

あの頃は良かったわ
終わりが来るとは思わなかった
私たちはいつまでも歌って踊っていられたわ
自分の選んだ人生を愛し
どんなものにも負けないと思ってた
懐かしい、ああ、あの頃

私が居酒屋の前に立つと
何もかもが昔とは変わっていた
ガラス窓の中に私は不思議な姿を見たわ
あの寂しげな女が本当に私だったの?

あの頃は良かったわ
終わりが来るとは思わなかった
私たちはいつまでも歌って踊っていられたわ
自分の選んだ人生を愛し
どんなものにも負けないと思ってた
懐かしい、ああ、あの頃

ドア越しに聞きなれた笑い声が聞こえて来たわ
あなたの顔が覗き、私の名前を呼んでいた
お互い老けたけど中身は変わらないわね
私たちの心の中の夢は今も変わらないわ

あの頃は良かったわ
終わりが来るとは思わなかった
私たちはいつまでも歌って踊っていられたわ
自分の選んだ人生を愛し
どんなものにも負けないと思ってた
懐かしい、ああ、あの頃

 



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