Johnny’s Dazed And Confused Days

〜ジョニーのぼんやりと混乱した日々〜

♪ アイ・アム・ア・ロック / サイモン & ガーファンクル:1966年作

2024年01月15日 08時00分00秒 | 1960年代の洋楽
【 Single Data 】
リリース:1966年5月
チャート:Billboard  3位、英国17位

放浪の旅で得たもの・・・
サイモン&ガーファンクルのデビュー作は、たった、3.000枚しか売れませんでした。
失意の中、ポール・サイモンは英国へ旅立ちます。
もう一度、自身を見つめ直す、“自分探しの旅”だったんでしょうね!

フォークにロックを取り入れろ!
ブリティッシュ・インヴェージョンにより、古臭いものにされてしまったフォーク・ソング・・・
しかし、フォーク系のミュージシャン達は、彼らの天敵の良さを採り入れることで、フォーク・ロックという新しい音楽に可能性を見い出しました。

デビューと同時に、ブリティッシュ・インヴェージョンの波に飲み込まれてしまった感のあるサイモン&ガーファンクルでしたが、サウンド・オブ・サイレンスをご紹介した際、お話しさせて頂きましたが、彼らの預かり知らぬところで状況が一変、時代の寵児になっていました!

ヒット曲の後はアルバム制作❗️
「The Sound Of Silence」のヒットで、サイモンは英国から帰国し、大学に戻っていたガーファンクルを呼び戻し、1965年の年末に取り急ぎ、2ndアルバムの制作に取り掛かります。
しかし、その時点で、サイモンには3つの新曲しか手持ちにありません(^^;;

そこで威力を発揮したのが、ロンドンで録音した彼のソロ・アルバムでした!

 
結果として価値ある放浪となった!
このアルバムから、5曲をセルフカバーし、新たに書き上げた新曲と併せてアルバムを完成、次作においても、同じようにセルフカバーしたものを3曲採用していることからも、サイモンの英国放浪は決して無駄には成らなかったようですね!

今日ご紹介するのは、カバーした5曲の内の1曲、2ndアルバムの一番最後に収録されている「I Am A Rock」です。
ポール・サイモンの普通の弾き語りフォークの中から、最も劇的にフォーク・ロックに変換カバー出来た曲が、今日ご紹介する「アイ・アム・ア・ロック」ではないかと思ってます。
以前から、サイモン&ガーファンクルフォーク・ロックといえば、この曲が真っ先に思い浮かんでました。

ソロ・アルバムでは、、、


これをフォーク・ロック風にカバーした結果が、、、

アイ・アム・ア・ロック / サイモン & ガーファンクル
ある冬の日
深く暗い12月のこと
僕はひとりぼっち
窓から下の通りを
覗き込むと
静かに積もったばかりの
通り一面の雪

僕はひとつの岩
僕はひとりぼっちの島

僕は壁を築いたんだ
誰も侵入出来ないような
急勾配で強固な要塞のような壁をね
友情なんて必要ない
友情は苦痛なだけだから
僕は笑いや愛というものを
軽蔑するんだ

僕はひとつの岩
僕は誰も寄せ付けない島

愛の話をしないでよ
さて 以前、その言葉は聞いたことがあるよ
それは僕の記憶のなかで眠ってる
僕は眠りを邪魔するつもりはない
そういった感情はもう死んでいる
愛さなければなければ
泣くこともなかったん

僕は一枚の岩
僕は誰もいない島

僕は数冊の本を持っている
その中には僕を守ってくれる詩もある
僕は鎧で守られている
自分の部屋に隠れて
自分の殻の中で安全に過ごす
誰に触れることもないし
誰にも触れられない

僕は岩なんだ
僕は誰も寄せつけない島なんだ

岩は痛みを感じないし
島は泣くこともない

何も説明など要らないくらいに魅力的に変換しています❣️

さて、この曲で繰り返される「I Am A Rock」「I Am An Island」“Rock”“Island”なんですが、、、

『岩』から想像するイメージは・・・
硬いことから『頑固』『丈夫』『強固』、重いことから『不動』『無口』etc

『島』から想像するイメージは・・・
ネガティブに捉えると『孤立』『孤独』『拒絶』
ポジティブに捉えると『独立』『独創的』『孤高』etc

当時のポール・サイモンは、デビューしたものの上手くいかず、失望の渦の中にいる状況でした。 

ひとりぼっちであることを自覚し、他の人の助けなんて必要としないと強がってみせる。 
過去に経験した愛も考えないようにして、あくまでも自分の殻に閉じこもっている。
これら全ての事柄に対し、“岩は痛みを感じず、島は泣かない”ことから「自分は岩であり島である」としています。

しかし、、、

最後の最後に“岩は痛みを感じないし、島は泣くこともない”と歌ってはいるものの、何故か弱々しい・・・
力強く歌っていれば、それを肯定してように感じますが、実際には、「岩だ!島だ!といってはみたが、泣きたいくらい、打ちのめされている」と言っている様な気がします。

最後のボソっとした歌い方が言葉とは裏腹な正直な自分の気持ちを表していますね!


 


コメントを投稿