Johnny’s Dazed And Confused Days

〜ジョニーのぼんやりと混乱した日々〜

♪ 家に帰りたい / ザ・ビートルズ:1964年作

2023年10月13日 08時50分29秒 | 『A Hard Day's Night』

【 Album Data 】
リリース:1964年6月20日(米国)、1970年9月25日(日本)
チャート:Billboard 2位

【A面】
01.I'll Cry Instead
02.Things We Said Today
03.Any Time At All
04.When I Get Home
05.Slow Down
06.Matchbox

【B面】
01.Tell Me Why
02.And I Love Her
03.I'm Happy Just To Dance With You
04.If I Fell
05.Komm, Gib Mir Deine Hand(ドイツ語:抱きしめたい)

ユナイテッド・アーティストから映画『A Hard Days Night』サウンドトラック盤が1964年6月26日にリリースされたことから、キャピトル『A Hard Day‘s Night』と冠したアルバムを契約上リリースすることが出来ませんでした。
それ故、キャピトル英国オリジナル・アルバム『A Hard Day‘s Night』(全13曲)のA面とB面からそれぞれ4曲の計8曲を中心にしたアルバム『Something New』(全11曲)を1964年7月20日にリリースすることになりました。
既に『The Beatles' Second Album』に収録されていた「ユー・キャント・ドゥ・ザット」を除くと、他には「ア・ハード・デイズ・ナイト」「恋する二人」「キャント・バイ・ミー・ラヴ」「アイル・ビー・バック」の4曲が選考から漏れたわけですが、「アイル・ビー・バック」を除けば、全て米国で既にシングル・リリースされている曲ばかりでした。

キャピトルの思惑
キャピトルの新アルバム『Something New』のリリースの1ヶ月程前にユナイテッド・アーティストサウンドトラックがリリースされていた事から、後発のキャピトルの新アルバムは11曲中の5曲がサウンドトラックの曲とダブっていました。
しかし、12曲の内の4曲がインストゥルメンタル、3曲がシングル発売済みで、ビートルズの新曲が5曲という事でサウンドトラック盤の購入を躊躇していたり、小遣いの関係で購入前だったファンにとって、全11曲新曲になるキャピトル『Something New』は魅力だったと思います。
ビートルズの曲が8曲中3曲がシングル発売済みにも関わらず、サウンドトラック盤を購入していたファンは、「早まった!」と後悔しつつキャピトルの新アルバムを手にした人も少なからずいたのでは?

洗練さでなく荒々しさが感じる
今日ご紹介する曲は、キャピトル『Something New』から、出だしだけでなく、その後、曲間にも何度も入る、叫び声のようなコーラスが印象的な「家に帰りたい When I Get Home」です。
1964年も半ばになると、デビューから2年も経っていないにも拘らず、ビートルズのサウンドは一気に洗練されて来ました。
その中にあってこの「When I Get Home」は、“洗練”というより、妙な荒々しさが感じられます。

来る日も来る日も忙しい❗️
この年のビートルズのメンバー達は本当に寝る暇がない程の忙しい日々を送っています。
1月のシルヴィ・バルタン等と周った3週間に渡るフランス興行、その後、2月にはあの“歴史的な渡米”でTV出演、コンサートで全米中を熱狂的嵐に巻き込んだ15日間を過ごし、帰国後はTV出演等をこなしながら、映画に使う新曲のレコーディングをしました。
3月に入るといよいよ映画『A Hard Day‘s Night』の撮影が始まり、2ヶ月弱でクランプアップすると、その後は英国のマスメディアへの出演等で予定が埋まっていました。
6月には1ヶ月に及ぶ初の世界公演、夏には米国本土を周る米国ツアーと過密スケジュールをこなします。
新曲のレコーディングはその過密な日程の隙間をぬって敢行されました!

今日ご紹介する「家に帰りたい」も、過密スケジュールの間隙をぬって録音された内の1曲です。 
詞の内容は新婚1年にも満たないジョン・レノンの心情を表すような内容ですが、むしろハードスケジュールを強いられている自分達の気持ちを曲にしたものと思われます。
この曲や映画タイトルにもなった「ア・ハード・デイズ・ナイト」の詞から、“毎日毎日、ヘトヘトになるまで働かされて、ゆっくり家に帰ってくつろぐ事も出来ない”といった、当時のビートルズの過密スケジュールの様子が手に取るようにわかる気がします。


家に帰りたい / ザ・ビートルズ
Whoa oh ah, Whoa oh ah

彼女に話すことがたくさんある
家に帰った時にね

ねえねえ、僕が帰るのを邪魔しないでよ

僕はこれから彼女と会う約束があるんだ
伝えたいことがいっぱいあるんだ

Whoa oh ah, Whoa oh ah

彼女に話すことがたくさんある
家に帰った時にね

ねえねえお願いだよ
つまらないことで時間を潰しているのはゴメンだ
今夜は彼女が僕の帰りを待ちわびてるんだ

Whoa oh ah, Whoa oh ah

彼女に話すことがたくさんある
家に帰ったらね

今夜帰ったら、彼女を強く抱きしめてやるんだ
いつまでも、彼女のことを愛し続けて
彼女への愛はもっともっと深まって行く
ふたたび彼女が出ていってしまうまで

いい加減、僕を帰してよ

やることがいっぱいあるんだ
僕にとってここできみと過ごす意味がない

Whoa oh ah, Whoa oh ah

彼女に話すことがたくさんある
家に帰ったらね

Yeah

彼女に話すことがたくさんある
家に帰ったらね





2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なおとも)
2023-10-13 09:35:02
おはようございます!

本当にビートルズの忙しさは凄かったらしいですね。私、時折考えるのです。ビートルズに関して、タラレバを想像するのですが、ビートルズにはそれはないのかなと思ったり。何にしても、素晴らしい人達だと、しみじみ思います。
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Unknown (ikenaijoni)
2023-10-13 10:49:36
なおともさんへ
こんにちは😃
ビートルズの凄いところは、これ程、ハードな日々を送りながら、同時代のアーティストと比べると段違いのクオリティが高い曲を出し続けていたところです。
この一番大変な時期をジョン・レノンが支えていたのは紛れもない事実です。
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