今日の一貫

セブンアンドアイとミレニアムの統合 柔軟な70代

26日に、セブンアンドアイHが、西武そごうグループの発行済み株65%を取得したといううビッグニュースが飛び込んできた。
まずは資本統合ということらしい。徐々に経営内容の統合。ウオルマートが西友株35%を取得し、様子を見ているのと同様のパターンかとも思うが、来るべきグローバル対応に備えたものということだろう。流通業界は勝ち組と負け組がはっきりする世界だ。負けてしまっては元も子もない。

百貨店業界を凌駕したGMSも、90年代には一転、両者とも不況業種に転落してしまった。セブンのGMS、ヨークも連結決算ではコンビニに経常利益のほとんどを依存という状態。また外を見れば、大型専門店に押されるなど、長年のライバルのダイエーは産業再生機構入りし、各地で店舗の撤退が続いている。、「セブンアンドアイH」は、9月に設立したばかりで、当時「M&A」への関心を否定していたが、今回このようなことになると、新たな方向を、資本の効率的運用をはかる、金融やITといった道筋に求める事も射程に入ったとみて良いのだろう。(鈴木会長は、ヨーカ堂が利益がないのに、親会社的な意識から抜けていないのを改革するためと説明していた)

百貨店は、近年は、テナントにわがままを言えるSC化していたし、GMSもSC化へと邁進していた。業態の存続価値が問われ、逆に業態の特徴を出せずに、すべての業態を抱えれば何とかなるのではないかという安易な思惑もあったかもしれない。

これでセブンアンドアイは、GMS、百貨店、コンビニ、外食、SM、SC等横断的な流通業態の資本保有者となった。4-5兆円の売り上げになるのだろう。ディベロッパー事業がまた花形になるかもしれない。新聞ではイオンを抜く売り上げになるのだという。ディベロッパーは、イオンはお得意だろう。
イオンとセブンの客対応の違いもいがより明確になった様な気がする。
今までは、よりグローバル化を意識したイオンの体価格帯指向と、やや成熟市場を意識したヨーカ堂路線の違いがあった。この路線を突っ走るのだろう。

課題はこれら業態横断的な強みを生かして外資に太刀打ちできるか、また中国市場等、アジアへ輸出できるビジネスモデルを作れるかなのだろう。あるいは当面は国内市場だけか?

それはともあれ、話をきくと、この統合、話が出てわずか1ヶ月でまとまったのだという。鈴木敏文さんと、和田繁明さん、ともに私などが流通経済を勉強しはじめた頃からの重鎮で、流通業界のカリスマといわれる人。ともに70歳を越えている。そのお二人、功成り名を遂げたと思いきや、今でもこうした決断ができるのだ。
特に和田さんの決断が大きいのではないか。中内さんとちがって「所有の虫」になっていない。流通業界のお年寄りは若い。感心する。
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