対中輸出本部を政府内に作るというもの。
これまでのわが国の輸出量は、完全な民間ベースでせいぜい1312トンでしかない。
相手国は、香港、台湾、シンガポール、豪州など。
対中国輸出は、わずか30トン、6番目でしかない。
その中国のコメ事情だが、現在およそ1億3千万トンの国内生産力がある。
人口13億2千万だから非鳥居あたりの消費量は推して知るべしだが、およそ年90キロ(わが国は60キロを割っている)。
生産量の1億3千万トンは、わが国(せいぜい810万トン)の16倍以上
コメの巨大生産国といってよい。
だが、輸出量はせいぜい100万トン。それも徐々に減少しており、逆に輸入がタイなどからおよそ50万トンで増加している。
価格は、一般在来種 約40~50円/kg、
日本などへの輸出用の 高級在来種は 約90~110円/kgこれは、わが国のMA米価格で150円程度になる。
コシヒカリ、あきたこまちなどの 日本品種の現地生産米は 約140~170円/kg。
これに対し、日本産輸入米は 約1,400~1,500円/kgと破格の値段である。
こうした事情が中国で日本米の輸出量が増えない一因。
かてて加えて、03年中国は、カツオブシムシの混入を防ぐよう対日輸入を禁止した事が大きい。
日本にとっては非関税障壁。
それでも、2007年には再開。ただし、コメの燻蒸が前提。この燻蒸処理が輸出の最大のネックになっている。
対中輸出に関しては、やはり国家が加わらなければ一筋縄ではいかないことを示している。
そうしたときに、日経新聞1月1日に、「農水省、対中輸出促進へ本部」という200字弱の小さな記事が出ていた。
大いに歓迎したいところ。
以下記事の転載とコメ輸出事情の若干の数値を掲載しておこう。
農水省、対中輸出促進へ本部
2011/01/01 00:06 日本経済新聞電子版ニュース 191文字
農林水産省は月内に「中国輸出促進本部」(本部長・鹿野道彦農相)を開く。中国への農産物の輸出はコメや梨などに限られており、対象拡大にむけて農産物ごとの検疫などについて協議する。コメに関しては国内の薫蒸施設の拡充や販売戦略の強化も話し合う。先月訪中した筒井信隆農水副大臣は現在90トンのコメ輸出量を将来は100万トンに引き上げる方針を発表。中国側も日本の農産物輸入に意欲を示している
商業用のコメの輸出数量等の推移
2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
408 / 235 634/ 32 967/ 427 940/ 527 1,294/ 641 1,312/ 545 (トン/百万円)
(+9%) (+23%) (+55%) (+36%) (+53%) (+34%) (-3%) (+24%) (+38%) (+21%) (+1%) (-15%)
香港 481/ 206(+41%) (+20%)
台湾 333/ 115(-26%) (-31%)
シンガポール 185/ 79(+7%) (-2%)
豪州 36/ 10(+64%) (+138%)
フランス 34/ 16(+580%) (+65%)
中国 30/ 14(-67%) (-73%)
英国 26/ 15(+189%) (-17%)
米国 17 /28(-35%) (-42%)
ロシア 10/ 4(-84%) (-87%)
その他 160/ 57(+43%) (-3%)
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