観光は地域経済の重要な一貫となっている。従来、旅行業、宿泊事業、料飲事業、等に分類されていたため、産業分類表に観光業はない。しかし、経済を考える際には、観光として一つに考えていいだろう。ある種の交流事業である。
観光の産業規模は、東北では2兆弱の販売額、波及効果は訳1.8倍。
旅行業としては、24兆円の事業規模、波及効果はおよそ55兆円といわれている膨大な産業。210万人の雇用が可能で、波及部門を入れるとおよそ420万人の雇用規模。5兆円の税収効果が見込まれる産業。
観光の産業規模は、東北では2兆弱の販売額、波及効果は訳1.8倍。
JTBが「総合旅行業」から「交流文化産業」へ変身したという。
何より、観光商品開発が重要。
JTB東北の阿部地域貢献推進部長によれば、出発点の「発ベース」の商品化ではなく、目的地の「着地ベース」である必要がある。それには、「地元でまず地域づくりを」「住民が誇りに思うものの提案を」と訴える。
事例としてあげたのは、小野川温泉の、鎌風呂、蛍、雪の下野菜、上山温泉(郵便局、駅一体化した、浴衣祭り、温泉ソムリエによる美容と温泉、また、鳴子温泉の下駄も鳴子キャンペーン、これはお客を旅館に囲い込むだけではなく、温泉街を歩かせると言う効果。
コンセプトとしてあげたのが、泊食分離、長期滞在(弘前大学、山口大学等と提携したシニアカレッジ)、インバウンドの増大(ビジットジャパン、平泉世界遺産候補による誘客)、
こうなってくると、旅行代理店も、地元も、大学も、みんなの意を一つにできるところが商品開発が可能となるようだ。
古川駅の駅長さん蜂谷賢悦さん。現在ある観光資源が単発で、総合力発揮ができてないと指摘。連携の重要性、総合化の必要性を協調した。
事例としてあげたのが、清滝や真山の農業体験ツアー。バラバラにやっている。山形はそれを一つのキャンペーンとして展開。両者が連携がとれれば、2泊3日のツアーを機関を広げて実施できるようになり、参加者は増加するとも。
また、全国に13ある泉質の内、9つが鳴子にあるという。その鳴子は、7時56分発の東京発はやてに乗れば、昼から一風呂浴びて夕方東京へ戻るのは充分に可能なのだという。それらは上山や銀山が新幹線の影響やデシティネーション・キャンペーンで脚光を浴びたように、沿線協議会のようなものが中心になって十分に可能なのだという。
私は、大崎としては是非、デスィティネーションキャンペーンに手を挙げてほしいと思っている。さらに鳴子では湯に入って、食事して、一杯やって昼寝をして、という場所が欲しい。道後温泉の二階は確かそんなところだったはず。最近の大型銭湯もそんな感じなのだが。昔の農民の家のようなものか?
JTBパブリッシングの千葉和子さん、旅行しをくクリの範囲が狭くなっているという話と、地域の人たちの自分たち自身の情報誌、という話をした。
千葉さんは、「るるぶ」等を編集している広告営業第1課の課長さん。当初「るるぶ」は、東北というくくりでスタートしたのだそうだが、そのくくりは「南東北」「宮城県」などとどんどん狭くなり、「宮城・仙台」あたりが限界かとも。しかし、狭くなればなるほど、地元の人に情報を伝える情報誌としての機能がでてくるという。それを知ってか、静岡市や、川崎市、等々から依頼があったという。
そうなるとこれは、「何丁目のばあさんの作る漬け物がうまい」というような、もう外部の「JTBPB」だけでが作れるようなものではなくなってしまう。
そこで必要になってくるのが、自分たちの情報を集めると言うこと、という提案。
私は、ウエッブで、ザガット「大崎の自慢」投票をしてはどうかと思う。みんなにどんどん投票してもらい、それを次々に情報誌として発行する。広報予算が若干かかるが、何新市誕生特別債もあることだし、当初の予算計上はそう無理のないところだろう。市民意識を醸成するのにも打ってつけだろう。
小滝速美さんは大崎市民。一杯アイディアを持ってこられた。ササニシキおにぎり、駅前のにぎわい、観光ボランティア、レンタサイクル、大崎市内の観光ルーツ化、周遊バス、等々。確かにユーザーからすれば、便利なことばかりだ。
自分たちの情報を集めると言うこと、
①まず何より商品開発。
②その商品開発、一にも二にも、鳴子のバージョンアップが最も重要なのだろう。
しかし、ここはなかなか泣かず鳥羽須田田ところ。400万の入り込み客が今は200万に。仕掛け方が大事か。鳴子を鳴子町内だけでなく、沿線でとらえてみる手はある。ディスティネーションへの応募もいい。
③二番目は現在ある、観光の連携化。ネットワーク等によってバラバラにやっているものを連携して統一し、対外情報発信力を強める必要がある。大崎には、個別では一番というものが結構ある。それらを連携したり、あるいは教授悪の連携だったり、連携の仕方は様々。シニア講座のような大学との連携も。
④三番目が観光資源開発としての地域の発掘。地域づくりとの連動を。これは情報を多くの人々と共有する装置が必要。「どこそのこのラーメンはうまかった」式の人気投票とコメントシステムを作る。大崎版ミシュラン(ザ・ガット)
大きくはこの4つなのだが、以下、私の私的コメント4点。
①商品には一点本物主義が必要とされる。田舎には、都会のまねごとの偽物が多い。そうしたものでは足下を見透かされる。消費は二極化しているが、特に観光商品の場合には、自分のライフスタイル、自分の物語を求めてのものが多い。どういった物語を提供できるか、吟味しておく筆余がある。
②ちなみに千葉さん、観光は恋愛で、男が女をだますようなもの、もてる男じゃないと良い企画は生めないとも。恋愛はある種の派遣なのだ。発見から思いこみ、幻想、飽き、というパターンになるのか、思いこみ、信者、リピーターになるかは、中に本物があるかないかだろう。
その本物、多くの人が本物と評価するのが本物といった感がある。多くの人の評価に耐えるには、やはり①商品そのものが良くなければならないが、②同時に、パブリシティ、多くの人がそう思っているという共有意識の情勢が必要。
③本物を考える際に、個人的に重要と思うのは、おいしい・楽しい・癒される、といった五感に訴えるものが充分であることだろう。
④観光と農業の連携や観光事業者は、観光資源開発に積極的になろう。開発商品を多くの人に公開し分け与えよう。
またそのことは、交流の神髄、ホスピタリティ精神の寛容にも結びつく。相手のことを思いやる。そんな精神である。
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