劇評サイトwonderlandのクロスレヴューに参加いたしました。6月のお題は庭劇団ペ二ノ公演、タニノクロウ作・演出の『UNDER GROUND』です。
再演は作る側とは違う意味で、みる側にもむずかしさがあることを実感しました。特に今回のように単なる再演というより、「シアタートラム上演のための改訂版」といってもいいくらいの変化がある場合はなおさらです。
自分の観劇した日はアフタートークがあり、作・演出のタニノクロウ氏とシアターガイド編集部の熊井玲氏の対談で、いろいろな話を興味深く聞きました。そのなかでタニノ氏が「媚びを売ることに抵抗がなくなった。やはり人気者でいたい。そうすればお金が入る」と話しておられ、飾り気のない、あまりに正直な表現に会場内は爆笑、複雑な気持ちになりました。
演劇をつくる側が常に経済的に厳しい状況におかれていることは、実情を詳細に知っているわけではありませんし、今回の改定版の上演にあたって作り手の側にどんな葛藤があったのかもわかりません。しかしそれらがすべて経済的な事情に起因するわけではなく、より新鮮で刺激的なよい舞台をつくりたいという情熱と必然があったからと思いたいのです。
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