命きらめいて☆馬、犬、猫など動物に関する理不尽な事件や心温まる出来事の記録

円山動物園マレーグマ虐待死亡事件/脱走シマウマ水死事件/動物虐殺事件/宮古馬放置死事件/上げ馬神事

軽かったウッチーの命

2015年11月06日 08時28分10秒 | 事件
国内最多となるマレーグマ10頭以上の繁殖に成功している東山動植物園(名古屋市)の玉村太獣医師は「クマ同士の相性は非常に重要。血が出るまで争うこともあり、相性が悪い場合はすぐに別々にした方がいい」とある新聞記事でコメントが寄せられていた。円山動物園はホッキョクグマの繁殖のエキスパートであり、マレーグマはウッチーの年齢から30年近い飼育実績がある。

そのような動物園に熊の習性や生態を誰も学んでいなかったと言うようなことはとても考え難い。公務員である彼らの命令系統が厳しいものだとすれば、飼育員一人があのような大それたことを実行できるとは思えない。飼育員は上からの命令でやったので悪くないという巷の情報と園側からの飼育員が監視をミスったと言うような主張と責任の所在が分かれているが、外部機関の捜査でない限り真相はわからないままだと思う。

マスメディアの発表というものは鵜呑みにしてはいけないとこれまでの経験からわかっていたつもりだが、今回の事件を調べていくほど幻滅を味わうことになった。

動画を見もせず、知ったかぶりの発言をしたり、書いたりする人のなんと多いことか。それは動画の存在が伏せられたまま、コメントを求められることもあったとは思うが、真実からはほど遠い意見になってしまう。

存在に気がついても、残酷すぎて全部の動画を見ることにためらうほどの内容だから、途中で止めたい気持ちもあって当然だ。自分は全てを見てあげなくてはと勇気を振り絞って全てを見てみたがかなりしんどかった。最近になってようやく思い出しても心臓バクバクにならなくなったが、見るとまた元に戻りそうだ。

あれが動物同士のケンカで済ませられるとしたら、すべての動物園で休館日にでもああいうことが行われているのだと取られても不自然なことではなくなってしまう。このことからもウッチーの虐待死事件は全動物園の動物たちの待遇にもかかわる重大な事件である。法的に調べられるに値すると思う。

目を疑うような残酷な状況が開園中の円山動物園で何度も繰り返し起きていた。90~100歳相当の超高齢マレーグマのウッチーは6月16日から7月24日まで計5回、訓練として若い雄熊と同居させられた。一回目は当時最強だったハッピィにウメキチが咬まれたので40分くらいで中止した。中止できたのだ。2回目からはウッチーが毎回動画のように一方的な攻撃を受けるたびに大ケガを負い、5回目の24日もこれまでと変わりなく中止せずに襲わせ続け、あのような致命的な大ケガを負ったにもかかわらず、検査も治療もされないまま放置されついに息絶えた。

・良く調べもせずやってしまった
・ウッチーには仲介役やなだめ役を期待した
・大丈夫だと思って引き離す準備もしてなかった
・繁殖計画のための話し合いも十分しなかった
・監視が飼育員一人だったからダメだった
・大ケガには全く気が付かなかった

言い訳の数々は幼稚過ぎてどれ一つ納得できるものはない。意志の疎通がなかったと言いながら、ウメキチがやられたら中止するけど、ウッチーがやられても一時間の同居は絶対厳守しなければならない!と言うのはどこの命令系統から来てるのだろうか?

レンタル中のウメキチとハッピィにケガさせたらまずいけど、ウッチーはいつ死んでもいい年齢だからOKだと言うことなのだろうか?だとすれば動物園の動物たちの命は動物園の職員にゆだねられているということになってしまう。


次回の記事は動物園の動物たちの身分についての考察です。お楽しみに!