回文
~李詩
九段坂 疎きに祈祷 火山抱く
(くだんざか うときにきとう かざんだく)
余計者 敵意で生きて 野も行けよ
(よけいもの てきいでいきて のもいけよ)
息絶えた 看護無言か 耐えたき意
(いきたえた かんごむごんか たえたきい
草毟り 畑 活けた葉 李詩無作
(くさむしり はたけ いけたは りしむさく)
(終)
回文
~李詩
九段坂 疎きに祈祷 火山抱く
(くだんざか うときにきとう かざんだく)
余計者 敵意で生きて 野も行けよ
(よけいもの てきいでいきて のもいけよ)
息絶えた 看護無言か 耐えたき意
(いきたえた かんごむごんか たえたきい
草毟り 畑 活けた葉 李詩無作
(くさむしり はたけ いけたは りしむさく)
(終)
『冬のソナタ』を読む
「いつもその場所へ」(上p145~172)
4 焼却場
ユジンとチュンサンは授業をサボった罰として焼却場の掃除を命じられていた。
*
「ユジン、僕が雪降らせてやろうか?」
ジュンサンは、枯葉がたくさん入った袋を抱きかかえて焼却炉の上に登ると、枯葉を宙にまいた。
「どう? 雪が降ってる気がするだろ?」
ジュンサンが大声で訊ねた。
「うん」
ユジンは笑顔でジュンサンを見上げた。
「ユジン、初雪が降ったら何するの?」
ジュンサンは話しながらも、枯葉を雪のようにまいていた。
「うん? ジュンサンは何するの?」
ユジンがジュンサンを見上げながら言うった。
「湖で、ある人と会うんだ! お前は?」
「あたしも」
枯葉をまくジュンサンの手は止まらなかった。
(上p170~171)
*
チュンサンは本当の雪を降らせる、十年後。
(終)