アナグラム
~しがない恋
溜息 決めたい
(ためいき きめたい)
しがない恋 科がいい子
(しがないこい しながいいこ)
地下トンネル 痴漢と寝る
(ちかとんねる ちかんとねる)
概念 含意ね
(がいねん がんいね)
(終)
アナグラム
~しがない恋
溜息 決めたい
(ためいき きめたい)
しがない恋 科がいい子
(しがないこい しながいいこ)
地下トンネル 痴漢と寝る
(ちかとんねる ちかんとねる)
概念 含意ね
(がいねん がんいね)
(終)
(書評)
石津ちひろ・文/古川タク・絵『てんしのだじゃれ 並べ変え遊び』(河出書房新社)
正確には、「だじゃれ」ではなく、アナグラム。
*
文中の「語の下にひそむ語」としての音は、深層意識を紡ぎ、個体・世代をこえた意味体験をテクスト(発話・記述されたもの)に織り上げる。これが現代文学・思想における「テクスト相互関連性」の分析に用いられるようになった。
(『ブリタニカ国際大百科事典』「アナグラム」)
*
こういうのはどうかな。
*
なつかしいあのじだい
(なつかしいあの時代)
あいつのかなしいじだ
(あいつの悲しい字だ)
(『天使のだじゃれ』p43)
*
「獣さ・酒だもの」(p24)なんてのもあるよ。
(終)
(漫画の思い出)
花輪和一(23)
『護法童子・巻之(二)』(双葉社)
「旅之弐 黄金山」
護法童子は傍観者。
*
藁縄(わらなわ)を編んで作った大形のむしろ、また、背負い袋。背負籠(しょいこ)の下に当てる藁製の背当てをもいう。
(『広辞苑』「ねこだ」)
砂金選鉱法の一つ。「ねこだ」の上に砂金を含む砂や砕いた金鉱石を水とともに流すと、比重の重い金粒がむしろの目に残る。
(『日本国語大辞典』「ねこだながし」)
*
だから、何?
「旅之参 人魚様」
護法童子は、主筋に関係のない人助けをする。あるいは、人助けの物語が裏の主筋か。だったら無理。
*
観音菩薩(かんのんぼさつ)の浄土である補陀落山(ふだらくせん)に往生または参詣する目的で個人または集団で出船すること。補陀落山は海上の南方にあると信じられ、観音に対する実践的信仰表出。実質的には捨身行(しゃしんぎょう)で、入水(じゅすい)するものが多かった。
(『日本歴史大事典』「補陀落渡海」)
*
無駄な知識だった。
(23終)
笑うしかない友
~ケーキ
お米が高くなった。
貧乏人は麦を食え。
麦だって結構なものよ。
パンが食べられなければケーキをお食べ。
景気が悪い。
それが落ちかい。
人食い熊を食べてやろう。
クマのプーさんとヒトのプーさん。どっちが大事?
熊の手は高い。
猫の手は?
不味そう。
孫の手は?
あの手この手。
その手は桑名の焼き蛤。
あっ、いいね、蛤。
(終)
(書評)
ピエトロ・アレティーノ『ラジオナメンティ』(角川書店)
副題は「女のおしゃべり」
「本書はボッカチョの『デカメロン』と双璧をなすもの」(訳者「解説」)だそうだ。
*
それにもかかわらず、人間についてのあまりのリアリティのゆえに、さらに、世間的規範を何ひとつ顧慮しようとしないかに見えるその姿勢のゆえもあってか、本書は上述のように多くの歴史書、文学史書の中ではつねに引き合いに出されながらも、訳者の知る限りではわが国ではかつて一度も翻訳出版されたということはなかった。
(結城豊太「解説」)
*
この「解説」は、一九七九年四月に書かれている。角川文庫の初版は、昭和五十四年六月三十日だ。私のこの本は初版だ。222頁で260円。いつだったか、隠れていたのを発見した。表紙が汚れている。開くと、紙は薄茶色。
「わが国」の知識人は国生み神話を隠蔽したいのかもしれない。
(終)