左が火造り抜き型で、右がスウェーデン鋼抜き型です。
刃の角度が違うのがわかると思います。
火造り抜き型は刃が薄いので、切れ味が良いです。
スウェーデン鋼の抜き型は、予め刃先が付いたのもを型紙に沿って曲げて行きます。
曲げられる刃ですので、それなりに柔らかい鋼材ではあります。
抜き型製作の加工性が良いため、短納期、安価がメリットです。
抜き型屋さんによって価格にばらつきはあると思いますが、単純に曲げ加工だけなら、1センチあたりの単価が50円前後かと思います。
10センチ四方の正方形なら、4辺で40センチですから、単価50円で40センチですから2000円になります。
曲げ形状によっては、火入れしながら曲げたり、カシメ穴などのポンチを取り付けたり、仕様によって追加料金は有ると思います。
デメリットとしては、刃が鋭角でないので、切れ味が火造りより劣るのと、耐久性も劣ります。
数千程度のショットならもちますが、数万となると切れ味がかなり鈍ってきます。
対して火造り抜き型は、刃物用鋼材を焼き入れ前に曲げて、そこから焼き入れ、刃付けとなります。
鋼材が硬いので刃先を薄くできます。
製法は和包丁などに近い作りになります。
大量に作業するには、研ぎ直しができますし、万一落したりして刃先が欠けても修理ができます。
ただしこれ一個で5000円以上はします。
もちろん大きくなれば数万円という金額になりますし、仮に10センチ四方の正方形でしたら1万円は越えると思います。
また、火造りには小さな形状でも正確に作れるというメリットもあります。
ですのでこの写真の場合、革巻きの角カン用の抜き型なのですが、内側は火造り、外側はスウェーデン鋼で製作しています。
このように、用途によって、形状によって、他にも数量や予算、抜く革の厚さや硬さなどなど、考慮する要素は沢山あります。
弊社では革の裁断を承っておりますが、そもそも抜き型ってどうやって発注したら良いの?とか、どういう抜き型が良いの?など、抜き型製作のアドバイスもいたしております。
はじめての抜き型製作依頼を抜き型屋さんへ依頼するのは、なかなか敷居の高い事なのかもしれません。
そのため、抜き型も弊社へ頼みたいとよく相談を受けます。
弊社では抜き型は作っていませんが、代理で発注することも可能です。
もちろん弊社で裁断する場合は手数料はいただいておりません。
抜き型製作をどこへ依頼しようか、どうやって依頼しようかお悩みでしたらご相談ください。
伊東金属製作所
03-3886-6271
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