『tokotoko』

Fortune comes in at the merry gate.

『六月歌舞伎/ 義経千本桜』

2012-06-13 | 立ち直っていく、という時に。
口上の後、30分の幕間があり、次は・・・



三代猿之助 四十八撰の内 義経千本桜 

川連法眼館の場
市川猿之助宙乗り狐六法相勤め申し候  です。

「義太夫狂言」の3大名作の1つとされています。



佐藤忠信・忠信実は源九郎狐/亀治郎改め猿之助

駿河次郎/門之助 亀井六郎/右 近 飛鳥/竹三郎
川連法眼/段四郎 静御前/秀太郎 源義経/藤十郎

市川段四郎 (四代目)
昭和32年4月初代市川亀治郎の名で初舞台。後に團子、そして四代目市川段四郎を襲名。
『俊寛』の瀬尾『石切梶原』の六郎太夫など渋みと深みを感じる役で強く印象に残る。

坂田藤十郎 (四代目)
父親は二代目中村鴈治郎さん、妹は中村玉緒さん、奥様は扇千景さん。
息子さんは、五代目中村翫雀さん、三代目中村扇雀さん。

『曾根崎心中』のお初は有名で1000回以上の公演を重ねている。



最初に出る川連法眼夫婦が段四郎さんと竹三郎さん。
駿河次郎が門之助さん。亀井六郎が右近さん。 藤十郎さんの義経。秀太郎さんが静。

という襲名にふさわしい配役になっています。

本物の忠信が出てきて、
狐忠信が狐の本性を現し、
狐忠信に義経が鼓を与える・・・・



四代目猿之助さんの狐言葉・・・
鼓を抱いてほおずりする、皮の両面をなめるなどの演技。

早替わりも見ごたえがあったし、
階段をぴょんぴょん飛んでいくところの軽快さに大きな拍手が起きていました。

宙乗りでも、飛び跳ねるような激しい動きを見せていて、びっくりしました。

ひとつひとつの積み重ねから、
努力を重ねたうえでの演技なのだろうけど、

そこに、狂気というのか、何かがのり移ったような、そんなものがみえました。

いろいろな方が演じられているこの四の切だけど、
新猿之助さんの、この舞台を観ることができて、本当によかったと思いました。

そして、亀治郎さんは、この『猿之助』と言う名前がふさわしい人だなぁと思いました。

亀治郎さんは、「亀治郎」という名跡のままでも、挑戦に挑戦をくり返し、
新しいものも、伝統のあるものも、大事に深くほりさげていかれただろうと思うのだけれど、

『猿之助』という、代々いろんなことをやらかしてきた名跡を継ぐことで、
さらに、さらに、その存在感を大きくするのでは?と思えました。


 
今回の襲名では、新猿翁と新中車の関係とか、
なんだかんだとニュースをにぎわしており、ともするとそちらばかりが注目されがちです。

新猿之助さんは新中車さんのことをどう思っているのだろうかとか、
不自由な体で舞台に立とうとする新猿翁さんは何を思うのかとか、

新猿翁さんの元で育った二十一世紀歌舞伎組面々の思い、
さらに梨園からみた新中車さんのこと。

多分、今後も話題はつきないのだと思います。

が、

が、

実際に舞台を見物して、そうしたことがほとんど無意味であると感じました。
「小栗栖の長兵衛」「口上」「四の切」の3つの演目こそが今回の襲名披露のすべて。

この板の上に立っている人たちは、それをよく知った人たちで、
今後も、ここに存在するために生きていかれることだろうと思います。

今回1階中央、前から数列目という、汗も涙も、息も緊張感もみえる場所で拝見し、

この伝統を見続けていきたい。

個人的には、團子ちゃんの舞台をおっていきたいなぁと思いました。




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