ほとけさま の おはなし
人間として育つには、人との出会いがとても大切です。
かつては大家族であった家庭も、今は核家族が支流となって
います。その核家族も、親が共有する時間が充分あるかと言
えば、子供の思春期には、親は社会的に大変忙しく、関わる
事が希薄になっていることが多いようです。
だから、本当に大切なことを知らない、伝えてもらっていな
いない事が沢山あります。
ゆうたくんは、お風呂に入ってお湯につかると、亡くなった
お爺さんのマネをして『ごくらく、ごくらく』と言います。
すると、優しいお爺さんの顔が浮かんできて、ちょと悲しい
けど、とても幸せな気持ちになれます。園に出かけるときも
帰るときも、お風呂に入る時も、寝る時も、いつもいっしょ
だったお爺さん。
ある日元気になって戻ってくると言ってたのに、病院から
仏様のくにへ行ってしまいました。
お爺さんは、お風呂につかる時、口癖みたいに
『ごくらく、ごくらく』といいます。
ごくらくって、なに? たずねたら
『幸せな気持ちになることだよ』
と教えてくれました。
そのお爺さんが、残してくれたのは
『ごくらく、ごくらく』という言葉から広がる、
優しさと悲しさの中にある幸せな世界との
出会いでした。
これは、ゆうた君とお爺さんの生活の中で人と人が
敬いあい、そこに包みこまれるような安心感が
『ごくらく』として表現されているのでしょう。
『仏仏相念』お互いに念じあっている世界を
教えてくれるお話です。
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