ほとけさま の おはなし
太郎と次郎が森のなかで遊んでいると、突然
熊が襲ってました。危険を感じた二人のうち、
太郎は素早く傍の木によじ昇りましたが、次郎は
取り残されてしまいました。熊は死んだ物には
興味示さないと聞いていた次郎は、とっさにその場に
倒れ息をひそめました。熊は次郎の体をくんくんと
嗅いでいましたが、そのまま立ち去りました。
こうして二人とも助かりました。
これは、私が学生のゼミの先生のひとこまです。
「もし君が太郎だったら、その時君はのような
行動をとったかな?」
★私は、「何とかして二人一緒に避難します」と
答えました。
その時、先生はかるくうなづいたように記憶
しています。正解だったのでしょうか。
自分の事よりも、皆で力を合わて頑張るべき
だと思います。
以前、「ホームから転落した女の人を助けるために
自分も線路に飛びおり、女の人をレールの間に寝かせ
自分もホームの隙間に寄って、二人とも助かった。
電車が来るまでの時間はわずか一分だった」という
ニュースがありました。暗いニュースが多い昨今、
本当に心を打つ、感動的なニュースでした。
さて、皆さん 先のお話で、
もしあなたが「太郎」の立場だつたら、あなたの行動は、
どうでしょう?
悲しく情けないけれども、今の私なら「太郎」と同じ
「行動」しかとれません
仏様の前で手を合わせて、頭を下げて、仏様の心に
導かれて生きるという、親鸞さまの教えを大切にし
ています。
尚、このお話には、
「そして熊は次郎の耳もとで、我先に逃げる
者は、本当の友達ではないよ」とささやいた。
という一文が付け加えられています。